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菌活コラム

春のカラダは“良い眠り”から作る!食事とストレッチで睡眠の質アップ

2024.04.15
春のカラダは“良い眠り”から作る!食事とストレッチで睡眠の質アップ

4月に入り、なかなか寝つけない、寝てもすぐに目が覚めてしまうということはありませんか?季節の変わり目、特に春は睡眠の悩みが増える季節でもあります。春になると朝寝坊が増えたり、起きても眠気がいつまでも取れなかったりするのはなぜなのでしょうか。そこで今回は、春の睡眠をテーマに食事のコツやセルフケアについてご紹介します。

INDEX

・春になると昼間も眠い…。その理由とは?
・良い睡眠を得るためには「背中」を意識しよう
・「睡眠の質」を高めるために食事の工夫は不可欠!

春になると昼間も眠い…。その理由とは?

「春眠暁を覚えず」という言葉があるように、春は誰もが眠気を感じやすいもの。しかし悩みの内容は年代によって異なり、若い方では「朝起きられない…」という悩みが増加し、年齢が上がるほど「眠いのに朝起きてしまう」という悩みが増加するといわれています。
春眠くなるのは、体温に影響を与える自律神経の変化、そして春先の環境の変化が関係していると考えられます。寒い冬は、体を温めようと交感神経が活発に働きますが、春になり気温が上昇すると、反対に副交感神経が優位になります。
身体を目覚めさせ、活動させる交感神経とは反対に、副交感神経は体を休息へと導く神経です。そのため、暖かくなり副交感神経が優位になるこの時期は眠気が増すと考えられます。

また、4月は生活環境の変化も激しく、若い人ほどストレスや忙しさから交感神経が優位になることで睡眠の質そのものが低下し、朝すっきりと目覚められなくなることも。
さらに、「眠る」という行為は、私たちが想像する以上に体力を必要とします。よく、年齢が上がるにつれて「寝たいのに眠れない」という悩みが増加するのは、眠り続けるのに必要な体力が低下するためとも考えられています。春は自律神経の乱れから疲れやすくなることも重なり、この症状が強まる可能性もあるので注意しましょう。
そんな春の睡眠の質を高めるためには、自律神経を整えることが役立ちます。

自律神経の詳しい働きや自律神経を整える食事については下記のコラムをご覧ください。
▶ 季節の変わり目ケアで、春を軽やかにスタート!

良い睡眠を得るためには「背中」を意識しよう

自律神経は脳・脊髄との関連が深いため、良い睡眠を得るためには背骨周りの関節の可動域や筋肉の柔軟性を上げることも大切。睡眠時は、長時間同じ姿勢で脱力状態が続きます。しかし、身体が硬いとどうでしょうか?ベッドや布団の沈み、寝返りをうった時の体勢に身体が対応できず、身体が緊張したまま脱力状態になれません。すると交感神経が副交感神経の働きを邪魔してしまい、睡眠の質を低下させてしまうのです。背骨周りの可動域を広げるには、夜寝る前のストレッチがおすすめ。

肩周り、肩甲骨、背中、股関節など、気持ちがいいと感じる部位、凝っているなと思う部分を伸ばしてみましょう。短時間でも構わないので、自分の身体を労わる時間を作ってあげてください。

「睡眠の質」を高めるために食事の工夫は不可欠!

睡眠の質を高めるためには、「食事」も欠かせません。
前回のコラムでご紹介した通り、食事から自律神経が集まる「腸」を整えることはとても大切です。腸では「睡眠ホルモン」と呼ばれる「メラトニン」が合成されるため、腸を整えることは自律神経を整えるだけでなく、直接睡眠の質を高めることにもつながります。さらに今回は、睡眠の質向上に役立つ具体的な栄養素をご紹介します。

【GABA】
脳や脊髄に存在するGABAは、外的ストレスに対してメンタルを守り、苦痛を和らげる効果があります。交感神経を抑制して副交感神経を優位にし、興奮を抑えて緊張や不安を和らげます。心身をリラックスした状態へと導いてくれるため、眠りにつくまでの時間が短縮され、深い眠りの時間が増加するとされています。

【エルゴチオネイン】
エルゴチオネインは、抑うつ効果、認知症予防など、脳の健康を維持する効果が期待できる栄養素。脳の働きや精神的不安を改善に導くことで、睡眠時間の延長をもたらすとされています。

【オルニチン】
成長ホルモンの分泌を促進する働きを持つオルニチン。睡眠中の疲労回復を促し、睡眠の質を高める効果が期待できます。睡眠中に起きる回数が減少したという報告もあります。

上記の栄養素を摂ることで、就寝から睡眠に入るまでの時間が短くなる、深い眠りが続く時間が長くなる、睡眠中に目覚める回数が少なるといった、睡眠の質を改善する効果が期待できるのです。

この3つの成分は、睡眠改善に効果があるとして機能性表示食品の関与成分にもなっています。さらに、実はこれらの栄養素は「きのこ」を食べることですべて摂取が可能。GABAはトマト、ジャガイモ、バナナ、メロンなどにも含まれていますが、オルニチンとエルゴチオネインに関しては、きのこほど含有量が多い食材はほとんどありません。これは「菌類」であるきのこ特有の「酵素」が、これらのアミノ酸を作り出せるからなのだそう。サプリメントも多く販売されていますが、普段の食生活から摂取しようとするならきのこが断然おすすめです。

睡眠には、疲労回復・ストレス解消効果があります。また、睡眠中の体内では、心身の修復や記憶の整理が行われています。つまり、睡眠は心身の休息とメンテナンスのためにあるのです。そのため、睡眠不足や睡眠障害を放っておくと心身の不調を招くことにもつながります。快適な睡眠を意識しつつ、気持ちのよい春を楽しめるよう、生活習慣や食事から睡眠ケアをしていきましょう。

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profile

池田 正典(いけだ まさのり)

群馬大学医学部 卒業
医療法人雨宮病院 副院長

渡邉 華帆(わたなべ かほ)

理学療法士
雨宮病院リハビリテーション部

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