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菌活コラム

バテない“わたし”で最高の夏を

2022.08.01
バテない“わたし”で最高の夏を

今年は梅雨明け早々厳しい暑さが続き、観測史上最も長い夏となっています。8月になり夏休みシーズンとなりますが、すでに夏バテ感や疲労の蓄積など、身体の不調を感じている人も多いのではないでしょうか。高温で体力が奪われたり、暑さで寝苦しい日が続いたりなど、身体にとっては負担の大きい夏ですが、元気な身体で最後まで夏を楽しむためにも、夏バテ対策を行って、暑さを味方につけながら楽しんでいきましょう!

INDEX

・夏の不調対策で気をつけたいのは「食事」と「睡眠」
・疲労回復に効果的なビタミンB1を摂ろう
・質のいい睡眠をとるために大事にしたい4つのこととは?
・生活リズムを整えるには、起床時間を意識すると◎
・食物繊維は免疫力アップ&夏バテ防止の強い味方!
・食物繊維の一種「βグルカン」が免疫力強化をサポート

夏の不調対策で気をつけたいのは「食事」と「睡眠」

「身体がだるい」「食欲がない」「やる気が出ない」など、様々な症状が現れる夏バテ。こうした症状を改善するには、「身体の疲労回復をしっかり行うこと」と「自律神経が集まり免疫の要でもある腸を整える」ことが大切。

そのために意識したいのが「食事」、そして「睡眠」です。

菌活コラム8月

夏は疲労が身体に溜まりやすく、暑さで睡眠不足に陥ったり、食欲がなくなりエネルギー不足を起こしたり、室内と屋外の温度差で自律神経のバランスが崩れ胃腸の働きが鈍るなど、様々な原因が複合的に作用して夏バテを引き起こすと考えられます。

食事と睡眠はそれぞれが互いに影響し合っているため、両方を意識することで上手に疲労を回復したり、腸を整えたりすることに繋がり、夏バテを予防・解消することができます。

疲労回復に効果的なビタミンB1を摂ろう

まずは「食事」について。疲労回復に効果的な食事とは、ビタミンB1を含む食材を食べること。ビタミンB1は糖質を代謝してエネルギーに変える働きがあるため、スタミナアップや疲労感の軽減効果が期待できます。

ビタミンB1を含む食材で代表的なものはきのこや豆類、豚肉など。脂身の多い豚肉は、食欲が減っていたり、胃腸が弱っている時に食べるとかえって身体に負担となるため、夏場のビタミンB1補給はきのこや豆類で行うのがおすすめです。

質のいい睡眠をとるために大事にしたい4つのこととは?

次に「睡眠」について。エアコンをつけっぱなしにして寝ると冷えやむくみにつながり、だからと言ってエアコンをつけないと寝苦しくて睡眠不足や疲労の蓄積を招くことに…。こうした「夏の睡眠問題」を回避するために大切なのが、睡眠に入る前の準備です。次の4つのことを意識して、睡眠の「質」を高める習慣を作ってみましょう。

菌活コラム8月

まず1つ目は、腸を整えること。良質な睡眠に欠かせない「メラトニン」というホルモンは別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、このホルモンの生成には、必須アミノ酸の一種「トリプトファン」が必要になります。トリプトファンは体内で合成することができないため、食品から摂取するしかないのですが、食事でとった肉や魚、乳製品、大豆製品などに含まれるタンパク質を分解・合成し、トリプトファンを作るのに欠かせないのが腸内細菌です。きのこや野菜に豊富な食物繊維をしっかりと摂ることが、腸内細菌の働きを活発にする第一歩。そうすることで腸内ではトリプトファンが生成されやすくなり、睡眠の質を高めることに繋がるのです。

2つ目は、夕食を就寝3時間前までに済ませること。食事後あまり時間を置かずに寝てしまうと、本来内臓や脳を休めるべき睡眠の時間に消化活動が行われ、内臓が休息する時間が短くなってしまいます。そうなると当然眠りが浅くなり、疲れも抜けにくくなってしまうのです。夕食の時間が遅くなる時は、消化の良いものを食べるように心がけるといいでしょう。

3つ目は、温かい飲み物を飲むこと。そもそも、睡眠の仕組みとして体温が下がる時に眠くなるという特徴があるため、内臓から体温上昇を促してくれる温かい飲み物を飲んで一度身体を温めることで、スムーズな入眠を促すことができます。その時、ノンカフェイン飲料を選ぶようにするといいでしょう。白湯や生姜湯などがおすすめです。

菌活コラム8月

最後に、ぬるめのお風呂に入ること。熱めの湯に長く浸かると覚醒を高めてしまい、また、身体の負担にもなるため、38度ほどの温度で5〜30分ほど浸かると良いと言われています。また、日中室内でデスクワークなどをして、常に空調の効いたところにいると体温の低下を招くことがあり、血行不良や内臓の働きが鈍くなることもあるため、湯船に浸かって身体をじっくり温めることが夏バテ予防にも効果的とされています。

このように就寝前の準備を行うことで睡眠の質を高め、疲労を溜めないようにすることが大切です。

生活リズムを整えるには、起床時間を意識すると◎

夏休み真っ最中の8月。遊びの予定が続いたり、飲み会やお祭り、花火大会といったイベントなどで外出する機会も多かったりするため、つい生活リズムが崩れて睡眠時間もバラバラになりやすくなります。そんな時は、就寝時間を調整するよりも起床時間を一定にすることで生活リズムをキープしていきましょう。生活リズムが乱れると、自律神経にも影響が生じて疲れを溜めてしまう原因になるため、「もう少し寝たい…」と思う時も敢えて起床して活動するようにすると、リズムよく生活することができるでしょう。

食物繊維は免疫力アップ&夏バテ防止の強い味方!

最後にもう一つ。夏バテ防止や体調維持のために行いたいのが免疫力の強化です。

夏は一年の中で最も免疫力が低下しやすい時期なのを知っていますか?これは屋内外の気温差による自律神経の乱れや、食欲低下からくる体力減退などが影響しています。また、高温多湿の環境下ではウイルスが増殖しやすく、近年特に夏風邪を引きやすい傾向にあることも挙げられます。そのため、免疫力を高めて内側から身体を守ることが体調維持のために重要なポイントとなります。
免疫力を高めるために大切なのが、腸内環境を整えること。身体の免疫細胞の70%は腸内に存在すると言われており、腸内環境を整えることで身体を内側から守ることができると考えられます。きのこや野菜に豊富な食物繊維には、腸の老廃物の排出を促したり、腸の善玉菌のエサとなって腸内環境を整えたりする働きがあるので、夏の体調管理には欠かせない食材です。

菌活コラム8月

食物繊維の一種「βグルカン」が更なる免疫力強化をサポート

食物繊維の中でも「βグルカン」は腸の免疫細胞を活性化させたり、インターフェロンというウイルスを排除し増殖を抑える働きのあるタンパク質の生成を促進したり、免疫機能を司る器官をサポートするなどの働きがあり、免疫アップの立役者とも言える栄養素。このβグルカンはきのこに多く含まれており、毎日きのこを食べることで免疫アップを効果的に叶えることができるでしょう。

また、食物繊維には便通を改善するという役目も。夏風邪のウイルスは腸内で増殖すると言われているため、便秘が続けばウイルスが体外に排出されず、夏風邪が長引く原因にもなります。そういう意味でも、夏は意識的に食物繊維を摂取して、腸をはじめとした身体の調子を整えていくことが理想的です。

暑さと湿気に負けずに夏を楽しむためにも、日頃の体調管理や食事に気を配り、リズム良く生活することで、健康でイキイキとした心身をキープしていきましょう!

8月のおすすめ菌活レシピ

profile

池田 正典(いけだ まさのり)

群馬大学医学部 卒業
医療法人雨宮病院 副院長

小林 樹広(こばやし みきひろ)

理学療法士
医療法人雨宮病院 リハビリテーション部 副部長

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