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子どもの心を育むきっかけに!日本の伝統・家庭の文化に触れる意味とは?

2023.01.01
子どもの心を育むきっかけに!日本の伝統・家庭の文化に触れる意味とは?

新しい年を迎えました。皆様、良いお年をお迎えのことと思います。
緑の門松、赤い南天の実、水仙、福寿草、神社の新しい注連縄などを見ると、日本らしさを感じます。日本の文化や伝統が色濃く表れる1月は、子どもにとって日本の伝統に触れる良い機会。近代化・合理化が進む今の時代は、伝統や文化に触れる機会が少なくなっているようにも感じますが、伝統や文化に触れることは、子どもの心の成長や、これからの人生の拠り所にもなる大切な時間です。そこで今回は、日本の伝統・家庭の文化に触れることの意味を具体的な例と共にお話ししたいと思います。

■今月のTOPICS

●日本を色濃く感じる1月。伝統や文化が私たちの心にもたらすものとは
●新年の行事から、日本や地域の伝統・家庭の文化を考える
●子どもの語彙は家庭で増える?!「家庭の文化」が育む子どもの心身
●1月の食事 ワンポイントアドバイス~新年のより良いスタートを応援する腸活レシピ~

日本を色濃く感じる1月。伝統や文化が私たちの心にもたらすものとは

「お正月」は一年の中でも特に、日本古来の伝統や文化を感じますね。もともと「お正月」は新しい年を祝うだけではなく、「年神様(としがみさま)」というお正月の神様(五穀豊穣や稲の神様といわれている)を自宅にお迎えする行事でもあります。家族全員で神様をお迎えし、新年を歓び、五穀豊穣に感謝する、日本ならではの行事なのです。

では、日本古来の伝統や文化に触れることの意味は何でしょうか。
伝統や文化とは、世代を超えて受け継がれてきた、日本やその地域を特徴づける風習や様式であり、先人の知恵や技術が集結したものです。伝統や文化に触れることは日本に古くから宿る精神に触れることであり、自分たちのルーツを知り、誇りを持って生きることや、新しい何かをはじめる時の指針・手掛かりになったりもします。

核家族化や共働き世帯が増え、家族でゆっくりと伝統的な行事を楽しむといったことは難しいかもしれません。しかし、日本の伝統に触れることは、子どもの心を育んだり、知識の幅・考え方を広げたりする機会でもありますので、年始の忙しい時期ではありますが、ぜひ家庭ごとの方法で、伝統や文化を取り入れてほしいと思います。

新年の行事から、日本や地域の伝統・家庭の文化を考える

日本の暦では、正月の三日間は「三が日」と特別な呼び名があります。それぞれ、1日は元旦、初日の出、初詣。2日は、書初め。3日は、初夢の日(大晦日から元旦の朝、2日の朝、3日の朝等諸説あります)と言われています。すべてを取り入れる家庭、一部のみを取り入れる家庭など様々ですが、その様式が「家庭の文化」でもありますので、ぜひ子どもと一緒に過ごしてほしいと思います。

また「家庭の文化」の代表的なものとして、正月の食事があります。例えば、お雑煮。お餅の形は丸餅か切り餅か、澄まし汁か味噌か、具は何か、等、地域の伝統・家庭の伝統が色濃くあらわれます。子どもの頃からの習慣は、大人になっても繋がれていきます。子ども自身が作る立場になった時、そこに宿る家族の思いを感じたり、地域のことを思い出したりと、心の拠り所になるものです。

また、おせち料理もそうですね。黒豆を煮たり、きんとんを作ったりされているお宅は、お子さんにも見せてほしいですし、手伝ってもらうのも良いと思います。おせちは作るのに時間がかかるので購入する、など、各家庭の形に合わせたものでよいと思います。大切なことは、日本の伝統である「お正月」をきっかけに、日常と少し違う経験を子どもにさせること。その経験が、子どもの豊かな心を育むと思います。ぜひ、「家庭の文化」も感じながら、ご家族で楽しんでください。

年末から年始にかけては、地域ごとに特別な行事があります。例えば、年越しの除夜の鐘を突く。神社や寺院で年越しのかがり火をたいて初詣に備える。京都の八坂神社では、一年の安泰を祈る神事の「おけら詣り」があります。また、小正月には、正月飾りを焼く「どんど焼き」があります。地域によって「左義長」「道祖神祭」「さえのかみ祭り」「鬼火たき」「三九郎」などと呼ばれていますが、これらも、地域の伝統を伝える大切な行事です。

私は子育て中、折角の休みに地域の行事に参加することを億劫に感じていました。父が地域の役員をしていた時、大晦日の夜、挨拶のつもりで渋々子どもたちと出かけました。氏神様の境内には地域の方々が集まり、たき火をして初詣に来られる方々を迎える準備をしていました。そのうち新年を祝う「お囃子」も聞こえてきて、そこに宿る伝統・精神に触れたからでしょうか、ふいに、家でのんびりしていた自分が、何か恥ずかしい気持ちになりました。地域に出向き、地域の文化に触れ、体験し、伝えていきたいと思ったきっかけでした。

子どもにとって、伝統や文化の意味を理解するのはずっと先になるかもしれません。しかし、そこに触れていくことで、子どもの中で薄い層が重なって、人間としての厚みを増していくのだと思います。
保護者の方も毎日忙しいことと思いますが、伝統や文化の行事はその時々にしか経験できないものです。ぜひ子どもと一緒に、触れ楽しんでいただければと思います。

子どもの語彙は家庭で増える?!「家庭の文化」が育む子どもの心身

最後に「家庭の文化」の大切さをお話ししたいと思います。当たり前ですが、子どもは家庭の中で成長していきます。例えば言葉。子どもは家庭の中で使われる言葉によって語彙を増やしていきます。語彙を豊富にするには本を沢山読むとよいと言われますが、その基になるのは、各家庭で使われている言葉です。地域独特の言葉も含めて、生まれ育った家庭で日常使われている言葉が豊富なほど、子どもは多くの言葉を知って成長します。そうすると文章を読むとき語彙が豊富なので、深い理解を得ることにつながります。

これは言葉についてですが、それのみでなく、家庭の文化は、親から子へ子から孫へつながっていきます。受け継がれるものの中には物質的なものだけではなく、精神も含まれます。それは子どもの心の成長に繋がるとともに、子どもが成長する中で拠り所にもなるはずです。「うちにはそんな大した文化はない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、生まれ育った環境・文化は、子どもにとってはかけがえのないもの。ぜひ、子どもに大切に伝えていってほしいですし、ご家族で、家庭の文化を大切に育てていってください。

1月の食事
ワンポイントアドバイス~新年のより良いスタートを応援する腸活レシピ~

新年が始まり、気持ちも新たに1年を充実させていきたいですよね。そのためにも、土台となるのが健康な心身。毎日の食事を少しだけ工夫して、良いスタートを切りきましょう!
健康を保つために注目したいのが“腸”です。腸には全身の約7割もの免疫細胞や、多くの自律神経が集まります。また、腸には1人当たり約100兆個、重さにして1.5㎏もの腸内細菌が住んでいることから、この腸内細菌を味方に付けることが健康の秘訣といえます。
きのこに豊富な食物繊維は、この“腸”に溜まった老廃物の排出を促したり、腸内細菌のエサとなることで善玉菌が優位な環境へとサポートしたりする働きがあるため、免疫維持や心身の健康を保つのに効果的です。加えて、きのこは菌そのものだけを食べられる唯一の菌100%の食材なので、腸を整える腸活にピッタリの食材!
家族みんなで「きのこで菌活」を通して、笑顔溢れる毎日を叶えましょう♪
(監修:ホクト管理栄養士 德田美咲)

お正月の行事を体験していくうちに来月はもう節分です。寒さも本番に入ります。どうぞお元気でお過ごしください。

profile

望月 保美

(ガイダンスカウンセラー、上級教育カウンセラー、特別支援教育士)
東京都の元小学校教諭。
現在はカウンセラーとして小学校を訪問し、授業の様子や児童の活動を観察して子どもの特性やその対応方法、指導法を先生方に伝える活動を行っている。
また、高等学校では友人同士の関わり活動を通して、友人や自分を理解する方法について演習等も実施。
教育カウンセラーを目指す方への学習サポートも行っている。

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