子育てLabo

食べて、笑って、運動して!
インフルエンザに負けない身体をつくろう

2020.11.01
食べて、笑って、運動して! <br>インフルエンザに負けない身体をつくろう

免疫力をアップして、早めのインフルエンザ対策を!

10月からインフルエンザの予防接種も始まりました。アメリカ疾病予防管理センターは「この冬は、新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に流行する可能性が高い」と発表し、世界中で予防接種への意識が高まっています。日本でも、自治体によっては高齢者だけでなく、妊婦と子どもの予防接種に助成金を出すところもあり、予防接種が広く推奨されています。

もちろん、予防接種を受けたからといって、絶対にインフルエンザにかからないとは言い切れません。予防接種の有無にかかわらず、日頃から体調管理をしっかりと行い、免疫力を高めることが何より大事な予防策! 空気が乾燥し、寒さが厳しくなるとウイルスは活性化し、感染力は急速に高まります。慌てて免疫力を高めようとしても、身体を急に変えることはできません。冬になる前に、コツコツと免疫力を高め、ウイルスに負けない身体づくりを心がけましょう。

食事で体温を上げることが、免疫力アップの第一歩

免疫力を高めるために、まず意識してほしいのが体温です。私たちの身体をウイルスから守ってくれる免疫細胞は、体温が36.5~37℃で最も活発になり、36℃台前半、35℃台では活動が鈍くなります。平熱がいつも低め…という人は、免疫力が低下している可能性大! 本来、子どもの体温は大人より高く、平熱が37℃前後というのが通常です。しかし、近年では、平熱が36℃台前半、35℃台という子どもも増えています。

冷え症は大人だけのものと思わず、子どもの冷えや低体温にも注意が必要。食事や生活習慣を見直すことが先決です。

ちなみに、体温とは身体が作り出す熱のこと。食事で摂った栄養を消化・吸収する過程で作り出される熱や、運動によって栄養がエネルギー化される際に生まれる熱こそ、体温のベース。暖房や防寒着、靴下2枚履きなどで体温を上げようとしても、それはただの保温。根本的な体温アップにはつながらないので、注意しましょう。

体温は、朝の起床時が最も低く、そこから徐々に上がっていくのが通常のリズムです。ところが、朝食を抜いたり、栄養が不十分だった場合は、体温上昇が加速せず低体温を招きやすくなります。

その原因のひとつが、タンパク質不足。タンパク質は消化・吸収の過程で最も多くの熱を生み出します。例えば朝はトーストとオレンジジュースだけ…という食事では、タンパク質が不足し、生まれる熱も少なく、体温があまり上昇しません。体温をスムーズに上げるためには、卵や納豆、豆腐、牛乳やヨーグルト、ハムやウインナー、鮭など、タンパク質を含む食材を必ず1品は取り入れましょう。

また、タンパク質を含む三大栄養素の消化・吸収には、きのこの潤滑栄養素(ビタミン・ミネラル)が必須! 朝食に限らず、肉や魚介、卵や乳製品、大豆食品などと合わせて、きのこを食べることで、身体はスムーズに熱やエネルギーを生み出すことができます。

食事のほかにも、笑ったり、身体を動かすことで体温は上がります。どちらも自律神経やホルモンの分泌に関わっており、特に笑うことでNK細胞と呼ばれる免疫細胞が活発になり、免疫力が高まります。

子どもはもともと笑うのが大好きです。よく笑いたがるのは、身体を強くして外敵から守るための本能なのかもしれません。家にいる時間も、おとなしくさせるばかりではなく、思いっきり笑う時間を作ってあげるのも免疫力アップに効果ありです!

食物繊維のパワーで〝免疫の要〟腸を元気に!

もうひとつ、免疫力を高めるために欠かせないのが健康な腸。全身の免疫細胞の約7割は腸内に存在しているとされるほど、腸は免疫の要! 腸を健やかに保つことこそ、免疫力アップの近道です。そして、腸を元気に保つために欠かせないのが、きのこをはじめとした食材にたっぷり含まれている“食物繊維”です。

食物繊維は、腸にとって欠かせない相棒。腸を刺激して運動力を高め、便の排出を助けたり、便のカサを増して便通をよくしたり、善玉菌のエサとなって腸内細菌のバランスをよくするなど、多彩な貢献をしています。

もし、子どもが便秘や下痢を繰り返しているなら免疫力低下の可能性大です。子どもの便秘、下痢トラブルはめずらしくありません。特にストレスで不調を起こすので、環境がめまぐるしく喧嘩する今年は注意が必要。ウンチのことを恥ずかしがって話したがらない子どももいるので、隠さず話せる雰囲気を作ってあげることも大切。「今日のウンチはバナナさんかな? コロコロさんかな? ドロドロさんかな~?」と、誘導するように聞いてあげるといいでしょう。

このように、日々の便の状態をチェックし、食事でケアをしてあげましょう。健康なバナナウンチであれば問題ありませんが、コロコロウンチの場合は、腸内に便が長時間いた証拠。便の水分が不足し、排便しづらくなっている状態です。きのこをはじめとする食物繊維の多い食材をしっかり摂った上で、水分をしっかり補給し、便が出やすい状態にしてあげましょう。便秘気味の子どもは、運動不足のケースも多いので、でんぐり返りをしたり、ストレッチをするなどして、腸に刺激を与えるのも効果的です。

一方で、便がゆるく、下痢気味の場合は、消化不良や ストレス、食物アレルギー、冷え、人口甘味料を摂り過ぎている可能性もあります。

常に腸を健康にしておくことが重要なので、普段の食事から日本人に不足気味の“食物繊維”を取り入れて、免疫を司る腸にトラブルが起きないよう備えておきましょう。

子どもの免疫力が低下していないか、要チェック!
それぞれ3個以上でSOSサイン!

身体の様子をチェック!
□ 体温が低く、手足がいつも冷えている
□ 頻繁に腹痛を訴える
□ 便秘、下痢、またはその両方を繰り返す
□ 肌が荒れている
□ 身体がだるそうで、「しんどい」とよく言う
□ のどが痛いと言う
□ よく咳をする
□ あまり笑わず、元気がない
□ イライラして、機嫌が悪い

行動や習慣をチェック!
□ 夜遅くまで起きていて、朝なかなか起きない
□ 朝食を食べない
□ 冷たいもの、甘い物ばかりを食べる
□ 肉や魚などタンパク源をあまり食べない
□ 好き嫌いが多く、食が細い
□ 夏場はエアコンで冷えた部屋にずっといる
□ 外遊びが嫌い、身体を動かすのが嫌い
□ テレビ、スマホゲームの時間が長い

免疫力は食事で決まる!菌(きのこ)のチカラでウイルスに負けない身体づくりを

きのこには、免疫の要である腸の環境を整えるのに欠かせない食物繊維や、熱を作り出すのをサポートするビタミンB群が豊富ですが、もうひとつ注目したいのが、きのこに多く含まれるβ-グルカンという成分です。

β-グルカンもまた食物繊維の一種できのこなどの菌類に特異的なものは、腸内の免疫細胞に直接働きかけ、免疫細胞の働きをサポートするという、スペシャルな働きがあります。つまり、風邪やインフルエンザ対策の強力な助っ人! きのこをこまめに摂り入れることで、食物繊維が健康の要である腸を整え、ビタミンB群が体温アップをサポート、β-グルカンが免疫力をダイレクトに高めてくれるというトリプル効果を得られ、インフルエンザや風邪に負けない身体づくりに役立ちます。

これから寒くなる季節は、身体を温めるスープや鍋料理など、具だくさんのメニューにきのこを取り入れるのがオススメです。緑黄色野菜も一緒に摂れば、のどや鼻などの粘膜を丈夫にする働きも期待できるので、免疫力アップ効果がさらにパワーアップ! 緑黄色野菜には抗酸化作用があるので、血流改善、冷え予防にも力を発揮してくれるでしょう。

免疫力は目に見えません。だからこそ、子どもの様子を観察し、こまめにコミュニケーションをとり、免疫力が低下していないかをチェックしてあげることが大切。
特に食事の時間は子どもの様子を把握し、免疫力を高めるのに欠かせない時間です。楽しく食べて、身体の中から温まり、家族みんなでウイルスに負けない身体づくりを目指しましょう。お休みの日は、家族で縄跳びやバドミントンをするなどして、身体を動かすのもいいですね!

【PICK UP!免疫力アップ おすすめレシピ】

プロフィール
藤岡操(栄養士・フードコーディネーター)
出版社勤務を経て独立。フリーの編集者・栄養士として、雑誌や書籍にて、ダイエット、健康、筋トレなどに関する企画や、食文化、ライフスタイル企画で編集、執筆を担当。また、フードコーディネーターとしして、広告、フードカタログへのレシピ提案、料理、スタイリングも行う。

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