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子育てLabo

不安撃退!受験に勝つための「生活リズムと食事」

2020.12.03
不安撃退!受験に勝つための「生活リズムと食事」

コロナ禍の今、受験生のためにできること

12月になると、クリスマスやテスト、冬休み、お正月の準備など、大人も子どもも慌ただしい日々がやってきます。楽しいこともたくさんありますが小学校や中学・高校受験、大学入学共通テストなど、本格的な受験シーズンも間近。

特に、今期の受験はコロナの影響で例年よりも不安なことが多く、ストレスを感じている子どもが多くいます。自分もコロナにかかってしまうのではないかという心配、授業の遅れ、勉強不足、試験が通常どおりに行われるのかという不安も頭をよぎるでしょう。

不安やストレスを抱えると、大人の私たちでもイライラしたり、落ち込んだり、暴飲暴食をしてしまったり、寝不足になることも。それが続くとさらに心身がどんより重〜くなってしまうという悪循環に…。

受験を控え、大きなプレッシャーを抱える子どもが、悪いサイクルに陥らないよう、親は子どもの様子を見て、コミュニケーションをとりながら、体調管理、ストレス緩和に努めてあげましょう。

そこで何より大切なのが生活リズム、そして食事です。冬休み中も、身体のリズムを乱さないように、環境を整えてあげることが大切。生活リズムと食事を整えることは、身体のリズムを整えること。身体本来の力がしっかりと発揮できるようになり、集中力や免疫力のアップ、プレッシャーに負けない丈夫な心身づくりにつながります。

私たちの心と身体は、日々積み重ねの結晶! 心と身体の準備は、1日や2日でできるものではありません。リズムを崩さず、毎日コツコツと積み重ねておくことが大切なのです。

食事や生活リズムが乱れると、学習能力が低下する!

受験勉強といえば、おにぎりをかじりながら夜遅くまで勉強して…というのは昔の話。文部科学省の「全国学力・学習状況調査」の結果から、生活リズムと学力は大きく関係していることがわかっています。

たとえば、毎日同じ時間に就寝・起床する子どもと、就寝・起床時間が不規則な子どもを比較すると、同じ時間に就寝・起床する子どものほうが学力が高いという結果が。また、毎朝朝食をとる子どもと、とらない子どもでも、大きな学力差が認められています。

さらに、「就寝時間が遅い子どもほど朝食の欠食率が高い」という調査結果もあり、睡眠と朝食は学力に大きく関わっていることがわかります。

生活リズムを整える第一歩は、睡眠のリズム!規則正しく「早寝早起き」ができれば、自然と食事のリズムも整ってくるでしょう。

「早寝早起き、朝ごはん」で、パフォーマンスをアップさせよう!

睡眠のリズムと合わせて整えたいのが朝食の習慣です。「うちの子は寝起きが悪くて朝食は食べないけれど、お昼ごはんは給食でしっかり食べているから大丈夫」と思う方もいるようです。

しかし、思っている以上に朝食の働きは重要!毎朝規則正しい時間に起き、朝日を浴び、食事をとることで、体内時計はリセットされ、身体を目覚めさせて活動モードにし、自律神経を正常に働かせることができるのです。
さらに、朝食を食べることで体温があがり、免疫力を高めることができます。

もし、冬休みの期間に、深夜まで勉強をしては寝坊をし、朝食を抜く生活を続けてしまったら…体内時計は少しずつ狂い、2日で22分、20日で約3時間ものズレが生じます。ズレがどんどん蓄積すれば、チームで働く自律神経、毛細血管、ホルモンはいずれも正常に働くことができず、集中力低下や冷え、不眠、肥満などの不調を招きます。

大人の私たちでさえ、徹夜をしたり、夜更かししてしまった翌朝は食事を抜いたりドリンクだけで済ませてしまいがちです。すると、身体がだるくて頭もぼんやりとして、仕事や家事の効率がガクンと下がってしまいますよね。ましてや成長期の子どもの身体では、睡眠不足や朝食の欠食による身体のリズムの乱れは成長の大きなダメージとなります。いくら受験勉強に励んでいても、ダメージを蓄積してしまっては努力が台無しです。頑張り過ぎる子どもほど、気をつけてあげましょう。

楽しいイベントではしゃいだ日も、勉強を頑張った日も、規則正しく眠り、朝食をとることが、心身の健康にとって大切。もちろん、心身の健康は1日にしてならず。テストがある日だけ朝食をとっても効果は期待できません。毎日の「早寝早起き、朝ごはん」の積み重ねこそが、心と身体を正常に働かせ、集中力の土台となります。

ちなみに、1日のうちで最も創造性や記憶力が高まるのは、午後2時~5時ごろとされています。朝食で心身のリズムが整った上で、昼食でとった栄養が全身を巡り、さらに夕方にかけては交感神経が優位になって安定し、集中力がアップします。つまり、深夜に無理をして頑張るより、授業の後、夕方にかけて勉強するほうが、断然学習効率が高いのです。これを知っていれば、勉強のリズムも整えることができますね。

きのこのパワーで受験シーズンを乗り切ろう

身体のリズムを整えるのが朝食の役目。大切なのは「毎朝決まった時間に食べること」、そして「糖質、タンパク質、ビタミンB群、食物繊維をしっかりと摂ること」です。

ご飯やパンだけ、ジュースだけでは完全に栄養不足。「糖質をとっていれば脳は働くのでは?」と思っている人もいるようですが、それは大きな勘違いです。

体温を上昇させ、身体の材料となるタンパク源、栄養のエネルギー化に欠かせないビタミンB群、さらに、自律神経が集まり、脳との関係も深い腸内環境の改善に役立つ食物繊維も、朝食には欠かせません。

そこでオススメしたいのがきのこ。
きのこに含まれるビタミンB1は、脳のエネルギー源となる糖質の代謝に欠かせません。糖質とともにビタミンB1を十分に摂ることで、脳のエネルギーチャージができます。神経伝達もスムーズになり、運動能力の向上にもつながります。

また、食物繊維をたっぷり含むのも、きのこの大きな魅力です。食物繊維は、老廃物の排出を促すほか、腸内細菌のエサとなることで腸内環境を整えます。腸には全身の免疫細胞の約7割が集まっているため、腸を整えることで免疫力の強化が期待できます。さらに、腸は脳と深く関わり合っており、さらに腸内細菌と脳も相互に関係しているという説も提唱されているほど、腸の重要性が注目を集めています。

つまり、腸内環境を支える食物繊維は、巡り巡って日々の健康や脳の働きにも関わっていると言っても過言ではないのです。

何より、腸は栄養吸収の要!食物繊維が腸を健康にすることで、必要な栄養成分がスムーズに吸収され、心身の健康につながります。特に朝は排泄に適した時間。朝食できのこの食物繊維を摂ることで腸が刺激され、便が出やすくなるので、毎朝の排便習慣づくりに役立ちます。

【PICK UP!時短で栄養バランスも満点の朝食応援レシピ】

私たちの身体はリズムと、身体を作る素となる食事が大切です。どんなに楽しいイベントがあっても、勉強を頑張りたくても、睡眠不足や朝食抜きといったリズムの乱れは、心と身体にとっては大きなストレス。さらに今年はコロナの影響もあるため、例年以上の不安やストレスを感じやすくなっています。日々の手洗い、うがい、消毒、マスクなどの徹底に加え、食事からの栄養や生活リズムを整えることが、調子を整え、本番に力を発揮できる身体を叶えます。

夜更かしをしていないか、食事はしっかりと食べているか、イライラしたり落ち込んだりしていないか、子どもの様子を感じ取ることが大切です。時には好きな料理を作ってあげたり、みんなでゲームをしたり、身体を動かすなどして、ストレス発散の機会を作ってあげるのもオススメ。家族でチカラを合わせて、受験シーズンを乗り切りましょう。

プロフィール
藤岡操(栄養士・フードコーディネーター)
出版社勤務を経て独立。フリーの編集者・栄養士として、雑誌や書籍にて、ダイエット、健康、筋トレなどに関する企画や、食文化、ライフスタイル企画で編集、執筆を担当。また、フードコーディネーターとしして、広告、フードカタログへのレシピ提案、料理、スタイリングも行う。

参考文献

  • ・文部科学省「平成29年度全国学力・学習状況調査」
  • ・香川靖雄ほか,時間栄養学 時計遺伝子と食事のリズム,女子栄養大学出版部,2009年
  • ・根来秀行,老けない、太らない、病気にならない 24時間の過ごし方,幻冬舎,2013年
  • ・根来秀行,まいにち若返る人の習慣,日本文芸社,2017年
  • ・則岡孝子,改訂新版 栄養成分の事典,新星出版社,2010年
  • 用語集 脳腸相関,(公財)腸内細菌学会,2020-11-24

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