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Do My Best, GO! 〜アスリートインタビュー

プロアスリートを支える食事に迫る。第38回 陸上競技 泉谷 駿介選手インタビュー

2024.01.01
プロアスリートを支える食事に迫る。第38回 陸上競技 泉谷 駿介選手インタビュー

アスリートへのインタビューを通し、明日への一歩を応援する「Do My Best, Go!」。今回登場するのはブダペスト世界陸上男子110mハードルで5位入賞を果たした泉谷駿介選手(住友電工)です。武相高校時代は3年時にインターハイ八種競技で優勝。順天堂大学進学後、本格的に110mハードルに取り組むと日本記録を2度塗り替え、世界の舞台でも堂々と勝負できる選手へと成長されました。独自の進化を遂げた注目のハードラーに、これまでの競技歴、その土台となる食への意識、今後の夢などをお聞きしました。

はじめに、中学で陸上競技部に入部された理由を教えてください。

単純に小学生のときに足が速く、友達が陸上競技部に入るというので、自分も一緒に入りました。小学生のときは校内でダントツに速かったような記憶があります。

中学時代、短距離から四種競技に転向されますが、どんな理由がありましたか?

身体の成長が遅かったこともあり、チーム内で勝てなくなってきました。2年時はリレーメンバーにも入れない状態だったので、他の種目もやってみたいなと思い、四種競技を取り組むようになりました。四種競技は400m、110mハードル、走高跳、砲丸投を行うので、新しい種目に出会えて、陸上競技の面白さを知れたのが良かったと思います。

その後、高校は武相高校へ進学。高校では混成競技に取り組むようになり、3年時のインターハイでは八種競技で優勝されました。どんな思い出がありますか?

インターハイはすごく印象に残っています。チーム内に強力なライバルがいたので、試合のあった2日間は常に気を張っている感じがありました。試合以外の時間ではお互い得意な種目が違いましたし、苦手な種目は教えてもらったりして、ともに支えあった関係でした。

高校卒業後は名門・順天堂大学に進学されました。陸上競技選手としての未来をどのように描いていましたか?

大学に入ってからは混成競技ではなく、跳躍種目を取り組み、将来的には走幅跳か、三段跳で世界と勝負したいと思うようになっていました。越川一紀コーチに「身体が小さいから混成競技は難しい」とキッパリ言っていただいたのが良いきっかけになったと思います。

大学では跳躍ブロックに所属しながら、110mハードルで大活躍されました。1年時(2018年)はU20世界選手権で銅メダルを獲得して、日本インカレで優勝。U20日本選手権では三段跳との2冠を達成しています。その他、走幅跳、三段跳、4×100mリレーにも出場されていますが、そのなかで、いつから110mハードルがメイン種目になったのですか?

東京五輪に出場するため、参加標準記録に一番近かった110mハードルに専念しようとなりました。大学3年生か4年生のときだったと思います。

大学4年時(2021年)は日本選手権の男子110mハードルで日本人初の13秒0台(13秒06)となる日本記録で優勝。東京五輪代表が内定しました。そのときのお気持ちを教えてください。

とにかく安心しましたね。うれしい気持ちもありましたが、参加標準記録を突破している選手が4人いたので、しっかりと代表内定を決められて良かったという気持ちが一番大きかったです。

東京五輪では日本人選手として57年ぶりに準決勝に進出しました。どのように振り返りますか?

無観客開催でしたが、憧れの舞台に立てたというワクワクした気持ちがありました。準決勝はとても楽しいレースでした。ただ9番目での落選だったので、悔しさもありました。

いま思うと、ちょっと欲張ってしまった。準決勝で強豪選手の1人に勝てるかもと思っていたので、5台目ぐらいで前に出られたときに、焦ってしまって。絶対に着順通過したいと思っていましたが、そこは落ち着いて、プラス通過でもいいという広い考えを持てていたら良かったなと思うレースでした。

では、学生時代から功績を残されてきた泉谷選手ですが、幼少期や学生時代の食生活についても教えてください。

小さい頃はブロッコリーなどが嫌いで、あまり野菜は食べずに、好きなものばかり食べていました。(昔も今も)エビなど海鮮系が好きですね。
小学時代はサッカーをやっていたこともあり、母親は野菜が苦手な僕でも食べられるように野菜をうまく料理して、バランスの良い食事をつくってくれていました。

競技で活躍するために食生活や栄養管理で意識されていることはありますか?

普段からバランスの良い食事を取るように心がけています。そのなかでも筋肉をつけるためにタンパク質を多めに摂ることを意識しています。1食で40~50g摂りたいんですけど、朝食は難しいのでプロテインで補っています。
また、野菜をしっかりと摂ることも意識しており、中でも色がしっかりとついた緑黄色野菜を摂るよう心掛けています。バランスを意識する中で、きのこもよく食べています。

食材としてのきのこについての印象を教えてください。また、きのこを使った定番メニューやお気に入りのメニューはありますか?

きのこは全般的に大好きですし、どんなメニューにも合わせやすい印象です。なかでも好きなのは、魚と一緒にホイル焼きにすることです。天ぷらも好きですね。
定番メニューはホイル焼きですけど、汁物にもきのこをよく入れています。栄養バランス・色見・味共にきのこが良い働きをして一層美味しく食べられると感じています。

きのこは低カロリーで栄養価の高い食材として注目されていますが、そういった栄養的な価値はご存じでしたか?

具体的な栄養素はあまり意識していませんが、身体にいいのは分かっているので、積極的に摂るようにしています。普段の食事では脂質を気にしているので、脂質が少なくて、栄養価の高いきのこは最高ですね。

2023年8月に行われたブダペスト世界陸上では悲願のファイナルに進出された泉谷選手。決勝は脚をつりながらも5位入賞の快挙と成し遂げましたね。

世界大会で初めて準決勝を突破しましたが、さすがに通過しないとやばいかと思っていたので、ホッとした気持ちです。決勝はスタート時に脚がつりかけて、思うように動かすことができませんでした。準決勝と決勝の間が1時間半しかなかったです。そういうレースは初めてだったので、まだまだ経験値が足りていなかったですね。

ダイヤモンドリーグの年間成績上位者で争うファイナルにも進出して4位。この結果をどのように感じていますか?

ダイヤモンドリーグに関しては、少しは勝負できたのかなと思います。ファイナルの前日に後輩の村竹ラシッド選手(順天堂大学)が日本タイ記録を出しました。動画で観ていたのですが、本当いいレースだったので、それを刺激にして頑張りました。今季は海外レースに多く参戦できたのが良かったと思います。

2024年はいよいよパリ五輪があります。これからの目標をお聞かせください。

2023年シーズンはメダルが近かったようで遠かった気もします。パリ五輪では決勝で13秒0台。良ければ、12秒台を狙って、メダルは獲得したいなと思っています。

では、ジュニアアスリートの皆さんに上達するために必要なマインド、競技への向き合い方などのアドバイスをお願いします。

僕の場合はその都度、好きな種目をやってきて、陸上競技を楽しくやってきました。陸上嫌いになりそうになったら、別の種目をやるのを優先してもいいと思いますね。種目を変更しなくても、たまには他の種目に挑戦するのもありですし、気分転換が大事かなと思います。

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最後に、ジュニアアスリートの皆さんに食事面でのアドバイスをお願いします。

僕は野菜が嫌いで、あまり食べなかったことを今は後悔しています。まずは体を大きくするためにも、子どものころから好き嫌いせずにしっかりと食べることを習慣にできたら良いのではないかなと思います。

泉谷選手の Do my best,GO!

■好きな言葉、座右の銘は?
座右の銘は特にありませんが、何事にも素直でいたいと思っています。

■これまでの競技人生で忘れられないシーン、大会は?
今年のブダペスト世界陸上の景色は忘れられないですね。やっと決勝に進出できて、自分の目指してきた舞台に立てたという気持ちがありました。

■リラックス方法、切り換え方法は?
好きなことをすることです。美味しいものを食べて、あとはスポーツをするのが結構好きなので、ボーリングなどでリフレッシュしています。

■これからの目標は?
2024年はパリ五輪があるので、ブダペスト世界陸上では届かなかったメダルを目標にしていきたいです。

■泉谷さんにとって陸上競技とは?
僕の人生そのものみたいな感じだと思っています。

泉谷選手が今食べたい菌勝メシ

コメント

日常的にバランスの良い食事を摂ることを心掛けていて、どの料理にもあうきのこは自炊する上で重宝しています。昔から豚汁が大好きなのですが、お肉、きのこ、野菜が入った具沢山の豚汁は栄養価が高く、手軽に作れるところも良いですね。

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profile

泉谷 駿介

(いずみや しゅんすけ)

2000年1月26日生まれ、神奈川県横浜市出身。
順天堂大学卒、住友電気工業株式会社所属
男子110mハードル日本記録保持者。緑が丘中学校・武相高校時代は混成競技の選手で、順天堂大学時代は跳躍ブロックに所属して、110mハードルの記録を伸ばしていく。2021年は日本選手権で初優勝を飾り、東京五輪は準決勝に進出した。2023年のブダペスト世界陸上は男子110mハードルで日本人初の決勝に進出して、5位入賞。現在は2024年のパリ五輪、2025年の東京世界陸上の「メダル」を目指して取り組んでいる。

協力:THE DIGEST

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