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菌活コラム

脱!夏の睡眠不足。菌活+運動で夏も元気に!

2024.07.15
脱!夏の睡眠不足。菌活+運動で夏も元気に!

いよいよ梅雨明けの時期となり、夏本番の暑さがピークを迎える今日この頃。夏特有の蒸し暑さから、睡眠不足に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
これから始まる夏本番を元気で健康に過ごすためにも、日々の睡眠に意識を向けることが大切です。今回は、夏を元気に過ごすために重要な睡眠と、睡眠の質を向上させる食事についてご紹介します。

INDEX

・夏になると睡眠の質が落ちるのはなぜ?
・睡眠の質を上げるポイント①「食事」
・良い睡眠をサポートするきのこの栄養とは?
・睡眠の質を上げるポイント②「運動」
・今月のおすすめ菌活レシピ

夏になると睡眠の質が落ちるのはなぜ?

そもそも、人はなぜ眠るのでしょうか。睡眠には下記のような役割があります。

・活動中に筋肉や神経細胞から発生した熱の放散
・覚醒時に働かせた脳の休息
・不必要な記憶の消去、精神性ストレスの消去
・記憶の整理と記憶の固定、記憶を引き出すための回路の作成
・集中的な成長ホルモン分泌による体の成長、修復、疲労回復
・生体防御や生体維持機能に関係する免疫系機能の維持
・生体リズムの調整 など

睡眠不足に陥ると頭がぼーっとしたり、風邪をひいたり、なんとなく身体が重いなど、不調を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。睡眠は、人間が脳を働かせ、身体を正しく機能させるために不可欠な活動なのです。

ではなぜ、夏になると睡眠の質が落ちるのでしょうか。それは、睡眠の役割の一つである「熱の放散」が関係しています。
人間の身体は、24時間周期で体の中心部の温度(深部温度)が変化しており、午前4〜5時頃に最も低く、午後7〜8時頃に最も高くなります。午後9時以降には体内の熱が徐々に放出され、深部温度が徐々に低下、これによって入眠が促進されると言われています。

しかし外気温が高い夏には、この深部温度が下がりにくくなります。加えて、寝ている間、暑さのために体温調節で汗をかくと交感神経が優位に働き覚醒状態となるため、睡眠の質がさらに低下してしまいます。

睡眠の質を上げるポイント①「食事」

夏の睡眠の質を高めるためには、暑さなどのストレスを感じた時に働く「交感神経」の働きを緩和させ、食事や運動によって副交感神経が優位になるように調整することが大切です。

まず、ストレス状態を緩和させるために食事で摂りたい栄養素は下記の通りです。

【オルニチン】

オルニチンは、血液に乗って全身を巡る特別なアミノ酸。遊離アミノ酸とも呼ばれ、肝臓での働きがよく知られていますが、実はストレスを感じた時に分泌されるストレスホルモンを抑制する働きがあります。オルニチンを摂取することで寝つきや目覚めが良くなると言われています。

【GABA】

主に脳や脊髄で抑制性の神経伝達物質として働く物質。GABAを摂取することにより交感神経の働きが抑制され、副交感神経が優位に作用します。ストレス緩和や血圧を下げる効果、さらに睡眠の質を上げる効果などが認められています。

【エルゴチオネイン】

きのこなどの菌類でしか作ることのできない希少なアミノ酸。強い抗酸化作用があり、脳、肝臓、腎臓、赤血球や皮膚などに蓄積して作用します。現代の生活環境では、ストレスや紫外線、喫煙、排気ガスなどによって、体内に過剰な活性酸素が発生しやすくなっています。過剰な活性酸素は細胞にダメージを与え、老化や疲労、生活習慣病を引き起こす原因に。エルゴチオネインの抗酸化作用は、この過剰な活性酸素を抑え、ストレスを抑えることで結果的に睡眠の質を改善する役割を果たします。

きのこは良い睡眠をサポートする栄養素の宝庫!

この3つの栄養素をすべて含むのが「きのこ」です。

「GABA」は野菜や果物も含みますが、「オルニチン」と「エルゴチオネイン」に関しては、きのこ以上に含有量が多い食材はほとんどありません。特に、きのこ類の中でも霜降りひらたけに「エルゴチオネイン」が、しいたけとブナシメジに「オルニチン」が多く含まれています。

きのこは野菜ではなく「菌類」のため、お肉などの動物性食品、野菜などの植物性食品どちらにも含まれていない菌類特有の栄養素を豊富に含みます。普段の食事に「プラスきのこ」をするだけで、ぐっと栄養バランスがよくなり、様々な栄養素を取り入れることができます。

睡眠の質を上げるポイント②「運動」

さらに、副交感神経が優位な状態を作り、睡眠の質を高めるためには「運動」を行うことも効果的です。その際、激しい運動よりも“適度な”運動がおすすめ。激しい運動を行うと、身体を興奮状態にする交感神経が優位に働き睡眠を妨げてしまいます。一方で、身体への負担が少ない「ウォーキング」や「軽いランニング」などの有酸素運動は、副交感神経を優位に働かせる効果や、日常の中で分泌される「ストレスホルモン」の量を抑制する効果があるため、睡眠の質の向上におすすめです。

特にウォーキングは、様々な年代の方が自分のペースで行いやすい運動です。運動を行う効果的なタイミングは、夕方から夜、特に就寝の3時間程度前が良いとされています。入眠は、体温が下がる時に起こりやすいため、就寝の数時間前に運動によって一度体温を上げることで、温度の下がり幅が大きくなり、結果的に睡眠の質向上につながると言われています。また、気温が落ち着く夕方は、運動にも適した時間帯です。ぜひ、定期的な運動を始めてみてはいかがでしょうか。

気温が高く、食欲も落ちがちな7月ですが、食事で栄養をしっかり摂り、運動習慣も上手に取り入れていきましょう。小さな工夫を重ねて生活や身体のリズムを整えることで、暑い夏でも「良い眠り」のある、元気で健康な毎日を送ることができるようになりますよ。

今月のおすすめ菌活レシピ

profile

池田 正典
医療法人雨宮病院 副院長 / 群馬大学医学部 卒業

渡邉 華帆
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士

志摩 龍之介
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士

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