菌活で“なんとなく不調”撃退!春の陽気を満喫しよう
2024.03.01春の陽気を感じる日が増え、新年度への期待に心が躍る3月。新しいことを始める人、新しい環境へ進む人、次のステップを迎える人、いつも通りの日常を歩む人、それぞれの方が新年度に向けて日々を過ごしていることと思います。
そんな中、花粉の飛散や急な気温変化に不調を感じている人も多いかもしれません。今月は、季節の変わり目の不調を乗り切り、笑顔で健康に新年度を迎えるための生活のヒントをお伝えします。
INDEX
・季節の変わり目は自律神経と腸のケアを意識しよう
・腸内環境を整えるには食物繊維が不可欠!
・腸内で作られる「短鎖脂肪酸」のすごい健康効果とは?
・腸内環境は肌状態にも直結!まずは春の肌悩みの原因をチェック
・春に起きやすい肌トラブルを防ぐポイントは?
季節の変わり目は自律神経と腸のケアを意識しよう
3月は花々が咲き始め、春らしい陽気が心地よい日もあれば、冬の寒さが戻る日もあり、気候が安定しない時期。東洋医学では、春分(3/21頃)から秋分(9/22頃)までを《発想力豊かで行動力も活発な「陽」》、秋分から春分までを《自分の時間をかけて磨く努力をする「陰」》の時期としていて、冬から春への変わり目は陰から陽へと大きく切り替わる時期のため、身体に負担がかかると言われています。また、環境変化による心の疲れも重なり、約80%の人が体調不良を感じるという調査もあるほどです。
植物・動物ともに生命エネルギーが活発に働き出す春は、人も同じく少しずつ活動的になり始めます。
ただ、冬の寒さで運動量が低下していた状態から急に動き始めるため、内臓に大きく負担がかかります。中でも「腸」は、運動量が少なくなる冬は動きが鈍くなる特徴があり、活動的になる春のはじめに負担がかかりやすい部位です。腸は自律神経とも密接につながっているため、腸に負担がかかることで不安、イライラなどネガティブな状態に陥りやすくなったり、肩こりやだるさ、疲れやすさなどの不調を引き起こしたりします。さらに、自律神経は体温調整機能を担っており、寒暖差が大きくなる春は自律神経への負担も大きくなるため、先述のような症状が起こりやすくなるのです。
腸への負担、そして自律神経への負担が大きくなる春は不調を感じやすくなるため、休息をとりながら食事面で腸を整える意識が大切です。
腸内環境を整えるには食物繊維が不可欠!
3月に限らず、健康管理を継続して行うためにはバランスの取れた食生活で十分に栄養を摂ることが一番。そこに加えて腸内環境を整えるためには、食物繊維を摂ることが欠かせません。
食物繊維は穀物や根菜類、海藻、フルーツ、そしてきのこに豊富に含まれており、腸の善玉菌を増やす、腸の老廃物を絡めとって排出させるなど様々な働きがあります。中でも「菌類」であるきのこは腸内フローラ(腸内細菌叢)を改善して腸を整える効果が実証されており、さらに、低カロリーかつうま味成分も豊富なため、ダイエット中の方や塩分が気になる方を含めたすべての方々に安心して取り入れていただくことができる食材です。
腸内で作られる「短鎖脂肪酸」のすごい健康効果とは?
また近年、善玉菌が食物繊維を取り込むことで作り出す「短鎖脂肪酸」に注目が集まっており、3月4日は「短鎖脂肪酸の日」にも制定されています。腸で作られた短鎖脂肪酸は腸内で作用する他、血液に乗って全身に運ばれ、全身の健康に役立つと言われています。
例えば、短鎖脂肪酸の一つ「酪酸」は大腸の第一のエネルギー源となって大腸が活発に働くのを助けるため、便秘の解消に役立ちます。また、「プロビオン酸」や「酢酸」は肝臓でのグルコース産生を助けるため、マラソンなどの持続的な運動パフォーマンスを向上させる可能性が報告されています。
他にも、短鎖脂肪酸は腸内で免疫細胞に作用し、免疫維持に重要な「IgA抗体」を増加させることがわかっています。IgA抗体は全身の粘膜に存在し、細菌やウイルスの侵入を防いだり、花粉症の症状を緩和したりするのにも役立つ物質です。
腸内の短鎖脂肪酸を増やすためには腸内環境を整えておくことが重要ですが、臨床試験の結果からきのこを毎日食べることで「短鎖脂肪酸」が増加することもわかっています。食物繊維を豊富に含むきのこは、季節の変わり目の体調管理にぴったりな食材なんです。
3月のおすすめ菌活レシピ
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きのこと春野菜のスープパスタ
【春の体調管理】
きのこに豊富な食物繊維は免疫機能を司る「腸」の調子を整えることで花粉や寒暖差による不調を撃退します。 -
きのことキャベツの鶏カレーマヨ炒め
【美容ケア】
きのこに含まれるビタミンB2は「美容ビタミン」とも呼ばれ、健やかな肌作りをサポートします。 -
きのこペーストのやみつきナムル
【腸を整える】
きのこに豊富な食物繊維は腸の老廃物の排出を助けたり善玉菌を増やしたりすることで腸を整えます。 -
霜降りひらたけと筍の炊き込みご飯
【腸を整える】
きのこや旬の筍に豊富な食物繊維は「健康の要」と呼ばれる腸の調子を整えることで、健康維持をサポートします。 -
霜降りひらたけと春キャベツのマリネ
【美容ケア】
霜降りひらたけに豊富な抗酸化成分「エルゴチオネイン」が季節の変わり目のお肌の健康を助けます。 -
生どんこの淡雪あんかけ
【自律神経を整える】
きのこには自律神経が多く集まる「腸」を整える食物繊維が豊富なため、腸を元気にすることで自律神経を整えます。
profile
群馬大学医学部 卒業
医療法人雨宮病院 副院長
理学療法士
雨宮病院リハビリテーション部
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