マラソンシーズン到来!! 実力を発揮するためのウォームアップルーティン
2021.10.0110月に入り、マラソンのベストシーズンになりました。全国的にもまだ大会を開催するのは難しい状況ですが、いざ本番、となったときに安定して実力を発揮できるよう、走りの中の自分のいい状態、悪い状態を知ることができるようにレース本番を想定した練習を行うことが大切です。何となく練習をスタートするのではなく、レース前と同様のウォーミングアップをルーティン化して、普段のトレーニングからレース本番の雰囲気を作りましょう。
Let’ Try
走るときのバネを最大化できるよう、自体重を使った下半身と体幹のトレーニングをご紹介します。リズミカルに行い、レース前の動的ウォーミングアップに取り入れていきましょう。
いよいよ走りやすい気候になります。今月からトレーニングとランニングを一緒に週に3~5回程度行い、走りながらカラダ作りを目指しましょう。
トレーニング1
下半身の強化「レッグスイング(前後、左右)」
【前後】
(方法)
① 壁に対して横向きに立ち、壁に手をつく。腰が開かないように気をつけながら、壁と反対側の脚を後ろに引き上げる。
※この時、強度をあげたい場合は両手を腰にあてて行いましょう。
② 股関節を大きく動かすことを意識して、後ろに引いた脚を前へと振り上げて、①の姿勢に戻し動作を繰り返す。
回数:それぞれの脚で10~15回を1セットとして、2~3セット行う。
【左右】
(方法)
① 壁に向かって立ち、肘が曲がらないように壁に手をつき、脚を肩幅程度に広げて立つ。
② 軸足でバランスをとりながら、腰をひねりすぎないように内側に脚を振り出す。
※振り出した脚側のお尻の横側が伸びるように意識しましょう。
③ バランスを崩さないように意識して、内側に振り出した脚を外側に振り上げて、②の動作と繰り返す。
回数:それぞれの脚で10~15回を1セットとして、2~3セット行う。
(ワンポイント)
リズミカルに素早く動作を止めずに行うとウォーミングアップにおすすめの動的ストレッチになりますが、呼吸を止めずにゆっくりと脚を動かし、振り出したところで1~2秒静止させて行うと筋力トレーニングにもなります。
トレーニング2
体幹の強化「ニー・トゥー・エルボー」
(方法)
① 脚は肩幅程度で開いて立つ。
② 片足をへそのあたりまで持ち上げ、同時に上げた脚と逆の腕の肘を膝に軽くタッチする。
※背中が曲がらないように意識し、上半身の軸を保つことを意識しながら大きくひねりましょう。
③ ①の姿勢に戻して②の動作を繰り返す。
回数:左右それぞれ10~15回を1セットとして、2~3セット行う。
(ワンポイント)
リズミカルに息を強く吐きだしながら肘と膝のタッチを素早く行うと動的ストレッチになりますが、呼吸を止めずにゆっくりと動き、脚と膝をタッチした状態で1~2秒静止させて行うと筋力トレーニングになります。
トレーニング3
下半身の強化「バウンディング」
(方法)
① 5~10m程度の助走をとり、片足で踏み切って、できるだけ高く、遠くにジャンプする。
※助走距離が取れない場合は、軸足の膝を軽く曲げた姿勢から反動をつけずに遠くにジャンプしましょう。
② 踏み切った脚とは逆の脚で着地する。バランスを保ったまま、着地した脚で再び踏み切り、できるだけ高く、遠くにジャンプする。
※連続して前進することが難しい場合は、着地後に後ろを振り返り、元の位置に戻るようにジャンプしましょう。
③ ②の動作を繰り返して、連続でジャンプする。
※1回ずつの動作を滞空時間が長く、大きな動作になるように意識しましょう。
回数:10~15回の連続ジャンプを1セットとして、2~3セット行う。
トレーニング4
ペースランニング(30分~)
ペースランニング(一般的な長距離走)は、ある程度長い距離を一定のペースで走ることによって、心肺機能(全身持久力)の向上を目指します。ペースは心拍数を基準に行うとともに、レース本番を想定して自分のいい状態、悪い状態を振り返ることができるように、日々の走行距離、時間、心拍数の記録をつけることがおすすめです。慣れるまではゆっくりとしたペースからはじめ、徐々にレースを意識して走行距離、時間を調整しましょう。
目標距離:心拍数を指標に一定のペースと決めた時間で走れる距離(10 kmを1つの目標に)
目標時間:30~60 分/回 *同じペースで走り切る力を養うことが目標 (60分を1つの目標に)
目標心拍数:疾走中の心拍数が(220-年齢)の70~80 %が目標
慣れたら目標の心拍数で、走り始めから終わりまでのペースを変えずに走りましょう。
トレーニング+α ~きのこの力でトレーニング効果を最大に~
レースでいい状態を作るためには、レースの数日前からエネルギー源となる炭水化物の補給が重要です。きのこに含まれるビタミンB群は、補給したエネルギー源をレースでうまく使えるようにエネルギー産生を助けてくれます。10月はレースや運動前に最適かつ摂取しやすいきのこ料理を紹介します。
厳選レシピ
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〜1日の始まり「朝食」〜
どっさりきのこのねぎ塩丼丼の具を作り置きして、本番前の忙しい朝でもしっかり食事をとりましょう。しっかり味のついたねぎ塩きのこでご飯がすすみ、エネルギー源の炭水化物ときのこに含まれるビタミンB群がたっぷりとれる1品です。
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〜午後への活力「昼食」〜
補食にぴったり!きのこと豚肉のおにぎらずきのこと豚肉のおにぎらずきのこと豚肉は、ビタミンB群補給のために最適な組み合わせです。おにぎらずは持ち運びしやすく、レース(運動)前のエネルギー源としても、レース(運動)後のリカバリーにも使える1品です。
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〜足りないものを補う「補食」〜
きのこのせトーストレース(運動)前のエネルギーとビタミンB群補給に適した1品です。レース前に食欲が出ない人も、食欲に合わせてパンの大きさを変えられるので、自分に合った量をとりやすい点もポイントです。
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〜疲れを癒す「夕食」〜
きのこと牛肉のスタミナトマトパスタ具沢山で、エネルギーだけでなく、ビタミン、ミネラル補給もできる1品です。きのこに豊富な食物繊維が腸内環境を整え、栄養素の吸収も高めます。レース前夜や日常の栄養補給にぴったりな料理です。
profile
松本大学人間健康学部健康栄養学科専任講師
管理栄養士/日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士
兵庫県加古川市出身。管理栄養士養成課程の四年制大学を卒業後、スポーツと栄養を科学的、研究的視点で学ぶため大阪体育大学大学院博士前期課程に入学。大学院を卒業後、民間フィットネスクラブでスイミングインストラクターの傍ら、栄養士として利用者や子供の栄養教育や健康づくりに関わる。大学院時代の先輩に導かれて文部科学省受託事業であるチームニッポンマルチサポート事業(栄養専門職員)に転職、男子体操競技をはじめとする日本代表選手などの栄養サポートに携わる。
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