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妊娠中は運動しても良い?睡眠の悩みの解消法は?マタニティ期に気になる生活のポイントをご紹介

2024.06.10
妊娠中は運動しても良い?睡眠の悩みの解消法は?マタニティ期に気になる生活のポイントをご紹介

妊活から妊娠、出産、産後までマタニティ期に大切なことを食とともにお届けする本コーナー。今回は、マタニティ期に多くの方が気にするという「妊娠中の運動と睡眠」をテーマにお届けします。

「妊娠中はどのくらい運動していいの?」「睡眠不足でイライラしてしまう……」といった悩みを持つ妊婦さんは少なくありません。
今回は、産婦人科医で浜松医科大学名誉教授の金山先生に、妊娠中におすすめの運動法や注意点、産前・産後に起こりやすい睡眠の悩みと対処法についてお聞きしました。

INDEX

・適度な運動によって良い胎盤が作られ、さまざまな病気の予防に
・妊娠後期に取り入れたい、“ながら”でできる「安産運動」とは
・有酸素運動や入浴で身体を温めることで睡眠の質が向上
・心身ともに不調な産後は周囲のサポートを頼って休息を
・腸を整えて睡眠ホルモンアップ!食事で睡眠の質を高めるには

適度な運動によって良い胎盤が作られ、さまざまな病気の予防に

そもそも、妊娠中の運動は問題ないのでしょうか?また、どんな運動を行えば良いのでしょうか。

妊娠初期・中期・後期いずれの時期も、特に病気がない方は積極的に運動することをおすすめします。妊娠中は、軽度から中程度の負荷をかけて行う有酸素運動が適しています。

例えばウォーキングや水泳、エアロビクスなどは怪我をするリスクが低く、妊娠中でも安心して行えます。最近は妊婦の方向けのマタニティエアロビクスやマタニティヨガなどを行っているサロンやジムも多くあります。

有酸素運動のなかでも、ウォーキングはスポーツ競技や運動経験が少ない人でも気軽に行えます。少し息が弾んで汗がにじむ程度のウォーキングを1日30~40分程度、週4日くらいを目安に行うのが良いですね。もちろん毎日でも構いません。

妊娠中に運動することで、どんなメリットが得られるのでしょうか?

有酸素運動をすると1~2時間程度手足が温かくなり、末梢循環(おもに毛細血管の血流)が良くなります。末梢循環が良くなると血圧が上がりにくくなり、免疫機能も高くなるため、さまざまな病気の予防につながります。

特に「胎盤形成期」と呼ばれる妊娠10週~20週ごろは、胎盤が形成される大切な時期です。妊娠中にかかる病気は胎盤が関連していることが多いため、胎盤形成期に末梢循環を良くする有酸素運動を取り入れることで良い胎盤が作られ、妊娠中の病気を予防できることがわかっています。

また、運動効果を上げるためには運動前のストレッチも大切です。簡単なストレッチを10分程度行ってから30~40分の有酸素運動をすれば、末梢循環がさらに良くなるといわれています。

妊娠後期に取り入れたい、“ながら”でできる「安産運動」とは

妊婦の方が、安産のためにできる運動はありますか?

妊娠後期(妊娠36週ごろから)はウォーキングなどの有酸素運動に加え、分娩を意識した安産運動も取り入れてみましょう。骨盤が開き、赤ちゃんが出てきやすい分娩体位が「蹲踞位(そんきょい)」です。和式トイレにしゃがむ体位、雑巾がけの体位、草むしりの体位にも例えられます。
このような体位を20分~30分維持できる方はお産が楽になりやすいので、和式トイレにしゃがむような姿勢を、テレビを見るとき、スマホを操作するときなどに取り入れてみるのがおすすめです。
しかし、洋式トイレの普及などライフスタイルが変化した現代は足首が硬い人が多く、「蹲踞位」の姿勢が苦手な女性も多く見受けられます。その場合、積極的に「あぐらを組む」ことをおすすめします。あぐらを組むことで骨盤の出口が広がり、お産が進みやすくなる効果が期待できます。

では、妊娠中に運動する際に気をつけるべきことはありますか?

筋トレのような、短時間で強い負荷をかける無酸素運動は子宮に影響を与えかねないため、控えたほうが良いですね。また、バスケットボール・サッカーなど相手と接触する運動、スキー・サーフィンなど転倒の危険性が高い運動、そのほか腹部に圧迫が加わる運動なども避けてください。

また、運動前はコップ1杯の水をしっかり飲み、運動中も十分に水分補給をすることが大切です。真夏の炎天下で運動すると脱水症を引き起こす可能性があるため、朝や夕方の涼しい時間帯を選びましょう。

その他にも、運動中はエネルギー消費が大きくなるため、エネルギー源となるごはん・パンなどの糖質と、それらをエネルギーに変えるビタミンB1の豊富な食材を摂りましょう。ビタミンB1は豚肉や雑穀、きのこ類に豊富に含まれています。
中でもきのこは低カロリーなうえ、妊婦の健康な身体作りや胎盤形成に役立つビタミンDも豊富に含まれているため、マタニティ期におすすめの食材です。

有酸素運動や入浴で身体を温めることで睡眠の質が向上

前半では運動について教えていただきましたが、妊娠中は「睡眠」についての悩みも多いと聞きます。次に、妊娠中に起こる睡眠の悩みと対処法を教えてください。

妊娠中は、妊娠を維持するために分泌されるホルモンの働きによって、眠くなったり、眠れなくなったりと睡眠が不安定になることが良くあります。
まず妊娠初期は「つわり」が始まる方が多いですが、症状は非常に個人差が大きく、眠気が強くなる方もいれば、吐き気が強くて眠れない方もいます。眠気が強い場合は、できるだけ我慢せずに睡眠をとりましょう。吐き気で眠れない場合は産婦人科で医師に相談し、内服や点滴などによるつわりの治療をおすすめします。

妊娠15週ごろにつわりが楽になると、すぐに仕事を再開し、ストレスを溜め込んで睡眠不足になってしまう方も多いので、決して無理をしないようにしましょう。

その後、妊娠中期~後期の胎盤形成期はつわりが終わってから1ヶ月から1か月半ほど続きますが、良い胎盤を作るためには、しっかり眠ることが大切です。適度な運動はもちろん、入浴で末梢循環を良くすることが大切で、就寝の2~3時間ほど前に入浴すると一時的に身体が温まり、布団に入るころにちょうど眠気がきて寝つきが良くなります。

妊娠後期になると、トイレが近くなる、足がつりやすい、寝返りが思うようにうてない、赤ちゃんの動きが激しくなることなどの理由で、なかなか寝つけなかったり、途中で何度も目が覚めてしまったりするようになります。生理的なことで仕方のない部分ではありますが、睡眠不足から疲れが溜まりやすくなりますので、家事をセーブしたり日中に休息をとったりして疲れを溜め込まないようにしましょう。

心身ともに不調な産後は周囲のサポートを頼って休息を

一方で、産後にはどんな睡眠の悩みが起こるのでしょうか?

妊娠中は女性ホルモンが胎盤から出ますが、その分泌量が妊娠前の約500~1,000倍に増加し、出産後は一気に減少します。この大きな変動によってホルモンバランスが大きく乱れ、眠りが浅くなるだけでなく、情緒不安定になり涙もろくなる・不安やイライラ感が募るといった症状も現れます。言うなれば「急性の更年期障害」のような状態ですね。

そのうえ、授乳のために夜中も3~4回起きなければならず、肉体的・精神的ストレスは計り知れません。産後の肥立ちが悪いと生涯にわたって体調不良が続くケースもあるため、身体が妊娠前の状態に戻るまでの産褥期(さんじょくき:産後6~8週間)の過ごし方は特に重要です。できれば週に1~2回程度は旦那さんなどに搾乳した母乳やミルクで夜間授乳を交代してもらい、睡眠時間を確保しましょう。また、お母さんと赤ちゃんが一緒に過ごせる宿泊型ケア施設「産後ケアセンター」を利用するのもおすすめです。産後ケアセンターでは夜間の赤ちゃんのお世話を助産師にお任せできるため、一人でぐっすり眠れるでしょう。

腸を整えて睡眠ホルモンアップ!食事で睡眠の質を高めるには

産前・産後ともに様々な理由で睡眠が不安定になるとわかりました。では、食事で解決できることはありますか?

睡眠の質を高めるには、睡眠ホルモンといわれる「メラトニン」を増やすことが大切です。メラトニンは「トリプトファン」が原料になって腸でつくられますが、トリプトファンは大豆製品、乳製品、バナナなどに多く含まれるため、これらの食材が役立ちます。さらにトリプトファンはセロトニンの原料になりますのでうつの原因となるセロトニン不足を解消するのでお勧めしたい栄養素です。またきのこなど食物繊維の豊富な食材を摂って腸内環境を整えておくことも欠かせません。
特に、きのこに豊富に含まれる食物繊維は菌類特有の性質があり、効率よく腸を整えるといわれています。更にきのこには睡眠の質を高める3つの成分「GABA」「オルニチン」「エルゴチオネイン」が含まれているため、寝つきが良くなる・深い眠りが続きやすくなるといった効果も期待できます。ぜひ、日々の食事に取り入れてみて下さい。

運動も睡眠も、マタニティ期の健康な心と体を維持するために欠かせない要素です。運動を行うことで程よい疲れが生まれたり気持ちがリフレッシュしたりすることで質の良い睡眠に繋がることもあるでしょう。マタニティ期を心身ともに前向きに過ごせるよう、生活習慣や食事の中で工夫できる点から取り入れていきましょう。

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