PAGETOP
子育てLabo

ストレスフルの12月を乗り切る!「新たな自分との出会い」で自己肯定感を高める&子どもの「苦手」の伸ばし方

2022.12.01
ストレスフルの12月を乗り切る!「新たな自分との出会い」で自己肯定感を高める&子どもの「苦手」の伸ばし方

12月になりました。ふと見ると遠くの山々は白く輝いており、商店街には、クリスマスのイルミネーションが飾られています。今年も残すところ一か月。12月は年末に向けて家や仕事が慌ただしくなるうえ、子どもは2学期が終わってテストや成績表が返却されるなど、気になることがたくさんあります。そんな中で、この時期は気持ち的にいっぱいになる保護者の方も多いようです。今回は、自己肯定感を高めるための「新しい自分との出会い」や、子どもの「苦手」との向き合い方について、この時期に多く聞かれる悩みとともにお話ししていきます。

■今月のTOPICS

●自分のことは自分が一番知っている?
●子どもの学習は「興味のあるもの」から深めていこう
●12月の食事 ワンポイントアドバイス~食事で、忙しい時期の体調とメンタルを整える~

自分のことは自分が一番知っている?

この時期は、やらなければならないことが多く、すべてを完璧にこなそうとするあまり、かえって「自分はダメだ…」と自信を失ってしまう保護者の方も多くいます。先日、こんな悩みがありました。

私は不器用で、お話も下手です。勉強もそう得意ではなく、私って駄目だなあと思ってしまいます。そのことをAさんに話したら、「あなたは真面目にみんなのことを考えてくれるし、人を差別しないから、私はそばにいると安心できるよ。」と言ってくれました。とても嬉しかったのですが、私のことは、私が一番知っていると思います。だめな私なのにAさんは、優しいから慰めてくれたのだと思います。Aさんにどのように反応したらよいでしょうか。

この話を聞いて、ポイントは2つあると思います。一つは、ご自分の自信のないことをAさんに話したことの素晴らしさ。もう一つは、Aさんからもらったフィードバックが「自分の知らない自分との出会い」になっていることです。
まず、Aさんにご自身のことを話したこと。これは、自己開示と言って、今まで見せていなかった自分のことをAさんに開いて見せたことになります。自己開示は信頼関係を築くのに欠かせない要素で、自分から自己開示すれば、相手も心を開いたり自己開示したりしやすくなり、お互いの距離が縮まります。
そして2つ目の、Aさんからのフィードバック。自己開示したことで、Aさんは普段思っていることを素直に伝えてくれたと思います。「自分のことは自分が一番知っている」と思ってしまいがちですが、そのせいで、自分はダメだ、と自信を無くしてしまうことも多いもの。しかし、他者からのフィードバックは、自分の知らない自分との出会いでもあります。そのため、Aさんが自分の知らない自分を教えてくれたことに感謝しながら、その言葉を受け取ればよいと、私は思います。

心理学で「ジョハリの窓」というものがあります。人には4つの面があると言われており、「自分も知っていて、他の人も知っている自分」「自分は知っているが、他の人には見せない自分」「自分は知らないが、他の人は知っている自分」「自分も他の人もまだ知らない自分」。
今回のAさんの言葉は、三つ目の自分です。このことは、他者との良い関係が築けていないと、知ることができない自分とも言えます。自己開示をし、Aさんと良い関係であったからこそ、自分で認識していない自分に出会うことができ、自分の知っている自分を大きくすることができます。そしてそのことが自信にもつながっていきます。

忙しさで気持ちがいっぱいになると、完璧にこなすことのできないことへの罪悪感や、頑張っている自分を誰も見てくれていないと孤独感を感じることがあります。それは「自分の知っている自分」がすべてに思えてしまうから。しかし、家族、友人、そして子どもへ自己開示をし、思っていることを口にすれば、きっとフィードバックがあります。特に子どもは、素直な目でよく見ているもので、自分の痛いところをつかれることもありますが、真摯に受け止めることで自分の新たな一面を知ることになります。ご自分の見えていない自分を知ることで、自分に自信をもてたり、一人ではないことを知ったりでき、気持ちの余裕が生まれるのではないでしょうか。ぜひ、良い関係を築きながら、自己理解を深めていていけるとよいですね。

子どもの学習は「興味のあるもの」から深めていこう

一方で、子どもに対してはどうでしょうか。成績表や学期末のテストの返却が行われ、結果が思い通りにいかないと、不安になりますよね。先日、このような相談がありました。

学期末を迎え学習のまとめのテストが返されてきました。私は毎日宿題の様子を見ているのですが、理科では、学校で学習したことをよく覚えてきていて、こちらが感心することもあるほどで、テストの点数も良かったです。しかし算数は、宿題で一緒に学習している時には解けているのですが、テストでは驚くほど低い点数でした。どうしたらよいのでしょうか。

お忙しい中でもお子さんと共に学習されていることは素晴らしいですね。ですから、お子さんの得意なこと、不得意なことが掴めているのです。今回の算数のように、宿題の時にできていたことがテストでは解けない、ということがあると、親は誰でも不安になります。しかし、テストという環境に緊張してしまったり、反復練習が足りずしっかり記憶に残っていなかったりと理由は様々ですが、小学校の算数についていえば、九九が言えて、分数少数の数概念の理解ができていれば十分で、じっくり考えれば解けるのでしたら、心配はいりません。

勿論、学校では、どの教科も十分に理解できることを求めますが、教科によって凸凹があってもよいのです。小学生の間は、興味をもった分野をより深く学べる時間を確保することの方が大切だと思います。子ども自身が興味を持って調べ、学んだことは、自分のものとして完全に身についていきます。また、さらに興味も広がり、さらに深めたい内容へと広がっていきます。そうすることによって、学びを深める力や調べる力を伸ばしていくことができます。これらの力は、必ずほかの教科の学習でも生かされていきます。一つの教科に自信を持てると、学びへの心構えが生まれ、他の教科へ波及していきます。そのため、苦手なところを何度も何度も学習させるよりも、好きなことを自由に学習させる方がより効果的なのです。

このことは、大人にもあてはまるように感じます。凸凹は誰にでもあるもので、大人になると、まして親になると、何でも完璧にこなさなければと考えがちです。特に子どもの前では、スーパーマンを演じたくなります。しかし、人には得意なところと不得意な所があるもので、不得意なことを嘆くより、得意なことを伸ばすことの方が建設的です。不得意なことは他者に助けてもらい、自分の得意な分野では、他者を助けてあげましょう。
私が教員だったころ、帰りの会で子どもたちに「明日の用意」を伝え忘れないように、クラスの子どもに「もし私が言わなかったら、「明日の用意は?」って聞いてね。」と頼んでいました。うっかりミスをクラスの子どもが助けてくれました。人は、苦手なことがあったら、自己開示をしながら、助けてもらえばよいのです。凹んだ部分は助けてもらって、凸の部分は支える側に回り、助け合いながら生きていくのが理想だと思います。

12月の食事 ワンポイントアドバイス~食事で、忙しい時期の体調とメンタルを整える~

忘年会やクリスマスなどで予定が埋まりやすい12月は、あっという間に時間が過ぎるように感じる方もいらっしゃると思います。忙しい時こそ、心と身体の健康を大切にしていきましょう。
身体の健康にはまず、この時期流行しやすい風邪やインフルエンザに負けないよう免疫力を保つことが大切です。腸には全身の免疫細胞の約7割が存在しているため、腸内環境を整えることが免疫維持への近道。きのこには腸を整えるのに欠かせない食物繊維が豊富で、腸に溜まった老廃物の排出を促すだけでなく、免疫機能に関わる酪酸菌という善玉菌を増やす効果も認められています。また、腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど自律神経が多く集まっているので、腸がキレイになることでメンタルヘルスもサポートします。
その他にも体調管理に役立つβグルカンや、ほっと一息つきたいときにオススメのGABAがきのこには豊富です。家族みんなでおいしい食事を楽しみながら、新しい年に向けて元気を蓄えていきましょう!
(監修:ホクト管理栄養士 德田美咲)

師走は一年の中でも特に忙しい時期ですが、短い時間の中でも、どうかご自分を癒す時間をもちながらお過ごしください。身体と心を温めて、新しい年を迎えましょう。

profile

望月 保美

(ガイダンスカウンセラー、上級教育カウンセラー、特別支援教育士)
東京都の元小学校教諭。
現在はカウンセラーとして小学校を訪問し、授業の様子や児童の活動を観察して子どもの特性やその対応方法、指導法を先生方に伝える活動を行っている。
また、高等学校では友人同士の関わり活動を通して、友人や自分を理解する方法について演習等も実施。
教育カウンセラーを目指す方への学習サポートも行っている。

きのこらぼに無料会員登録をしていただき、ログインした状態で記事をご覧いただくとポイントがもらえます。
貯まったポイントは、プレゼント応募にご利用いただけます。