疲れを癒す菌活術で、季節の変わり目も自分らしく
2023.09.01
季節の変わり目の体調管理にはきのこが活躍!
また、自律神経が乱れやすい季節の変わり目は「便秘」にも要注意。腸内環境と自律神経は相互に影響しあって身体の調子を整えており、通常、胃に食べ物が入ると脳からの指令がでて、腸のぜん動運動がおこって便を運び、そして便が直腸に達すると大脳に指令が送られ、便意を感じる、という流れがあります。しかし自律神経が乱れやすいこの時期は、これらの連携がうまくいかずに正常な腸のぜん動運動が起こらず、便が滞って便秘になりやすくなるのです。
食物繊維を豊富に含む「きのこ」はここでも活躍します。一般的に食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、1:2のバランスでとることが理想とされています。きのこは両方の食物繊維をバランスよく含んでいるため、効率よく腸を整えるのに役立ちます。

特に、不溶性食物繊維は便のカサを増やすのに役立ち、ぜん動運動を促す働きが期待できます。被験者の方にきのこを2週間毎日食べてもらう実験をしたところ、排便回数や便の状態が改善したというデータもあります。
腸は自律神経のほか、ホルモンの合成や免疫機能の調整にも関わっているため、腸を整えることは全身の健康に繋がります。低カロリーで食物繊維豊富なきのこは、季節の変わり目の体調管理に大活躍の食材なのです。
初秋に「むくみやすい」原因は?食事やマッサージでめぐりのいい身体作りを
さらに、初秋は「むくみ」が出やすい時期でもあります。夏の疲れに加えて、季節の変わり目の不安定な気候の影響により体内の「暑さ」や「寒さ」への対応力が低下し、身体がむくみやすくなるのです。
むくみは、血管や細胞の外側に水分が染み出して溜まることで起こります。血行不良や水分、塩分の過剰摂取によって体内の水分が増えることが原因。むくみは身体のどの部分でも起こりますが、心臓から遠く、重力の影響を受けやすい脚は特にむくみやすい傾向にあります。
むくみを解消するには「カリウム」を含む食材を積極的にとりましょう。カリウムはきのこや野菜、果物、海藻など植物性の食材に多く、中でもきのこはカリウムを豊富に含みます。カリウムは、心臓機能や筋肉機能の調節を行い、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し、体外への排出を助けます。そのため、カリウムをとるとむくみ予防だけでなく、血圧を下げる効果やだるさの解消にも繋がります。

むくみ対策には、マッサージやストレッチ、適度な運動もおすすめ。マッサージは、乳液やクリームを使って、滞っている血液を末端から心臓に向かって流すように行いましょう。マッサージの後にはストレッチをするとさらに効果的。凝り固まった筋肉や関節がほぐれ、血行が改善します。
筋肉の柔軟性が上がれば力も出しやすく、関節を大きく動かせるようになります。関節運動が改善されて動く量が増えると、エネルギー効率もアップ。心臓や胃、腸などの内臓の働きも活発化し、血液循環や腸内活動を促し、便秘やむくみが改善します。
身体の調子は生活習慣で変わります。3食のうち、1食でもいいので栄養面を意識した食事を心がけ、24時間のうち30分でもいいので運動やストレッチを取り入れてみてはいかがでしょうか。
生活習慣を少しだけ工夫することで、季節の変わり目の不調を緩和し、元気な毎日を送れるはずです。身体の内側と外側、両方から整えて夏のダメージをリセットし、秋を楽しむ準備をしていきましょう。
INDEX
・秋口の“なんとなく不調”は早めに対策を
・昼間の疲労感はプチ昼寝で改善しよう
・モヤモヤとした不調のリセットには運動も最適!
・自律神経は食事でも整えられる!腸を意識して不調を撃退
・季節の変わり目の体調管理にはきのこが活躍!
・初秋に「むくみやすい」原因は?食事やマッサージでめぐりのいい身体作りを
9月のおすすめ菌活レシピ
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きのことさつまいもの黒ごま炊き込みご飯
【腸を整える】
きのことさつまいもに豊富な食物繊維は腸の老廃物の排出や、腸の善玉菌を元気にして腸を整えます。 -
きのこと長芋のバターしょう油炒め
【季節の変り目対策】
きのこや長芋に豊富な食物繊維は自律神経の集まる腸を整えることで、季節の変わり目の不調を撃退します。 -
きのこペーストの野菜ディップ
【腸ケア】
きのこに豊富な食物繊維は、免疫機能に関わる腸の「酪酸菌」を増やすことで免疫維持を助けます。 -
霜降りひらたけとかぼちゃの甘辛炒め
【溜め込まないカラダ】
きのこやかぼちゃに豊富なカリウムは、体内の余分な水分や塩分の排出を促し、この時期の身体をケアします。 -
霜降りひらたけと里芋のポテトサラダ風
【ホッと一息】
きのこに豊富なGABAは交感神経の高ぶりを抑えることで気持ちを整えて心身の健康を応援します。 -
生どんこのピザ風
【疲れケア】
きのこのビタミンB 1が糖質の代謝を促し、にんにくのアリシンが働きを高めることで疲れケアをサポート。
profile
群馬大学医学部 卒業
医療法人雨宮病院 副院長
理学療法士
雨宮病院リハビリテーション部