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歌、絵、勉強・・子どもの「苦手」へのアプローチ方法は?

2021.11.01
歌、絵、勉強・・子どもの「苦手」へのアプローチ方法は?

北風が吹き、木の葉を散らせています。気が付くと垣根に山茶花の花が咲いています。
この花を見ると、小学校2年生の国語の教科書に登場する、平塚武二著の「ピューンの花」を思い出します。いたずらっ子の北風の精ピューンが、ありのまま天真爛漫に生きている子どものようで、大好きなお話です。そんな今月は、歌や絵、勉強など「芸術の秋」にちなんだ保護者の方のお声にお応えしていきたいとと思います。

■今月のTOPICS

・音程を取るのが苦手な子どもの特徴とアプローチ方法とは?
・落書きはするのに絵は苦手?その理由とは?
・テストの点が良くないからと、塾に行かせるのは正解?
・冬の入り口、決まって体調を崩す子どもの特徴と気をつけたいポイントは?
・11月の食事 ワンポイントアドバイス ~子どもも喜ぶ!身体を温める食事術~

Q.もうすぐ音楽会があります。うちの子は音程をとるのが苦手のようです。歌うのは好きで大きな声で歌っていますが、聴いている方は音が外れていて心配です。音楽を聴かせるなど小学生のうちに音程が取れるようになる方法はありますか?

A.低学年の子どもの中には、大きな声で歌っているけれども音程をとるのが苦手、という子どもがいます。音楽は楽しんで歌えるのが一番です。しかし、学年を追っていくと音が合っていないことに周りが気づき、注意され傷ついてしまうこともあります。
音程が正しく歌えているかどうかは、自分で自分の歌を聞くことが大切です。ですが、俯瞰して自分を見ることはまだ難しいもの。そこで、保護者の方にはぜひ、子どもが楽しく歌っている時に、正しい音程で一緒に歌ってあげてください。子どもにとっては、ピアノやそのほか楽器の音に合わせて正しい音を出すのは大変難しいものです。肉声の正しい歌があると、それを真似て正しい音程で歌えるようになります。

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今の子ども達は普段から多くの音楽に接する機会が多いので比較的すぐに音が採れるようになります。なので、様々なジャンルの音楽に触れることも大切ですね。
ただ、音が著しく外れていて練習しても改善が見られないときは、聴覚に機能的な問題がある場合もありますので、その時には一度検査してみるのも良いかもしれません。
一番大切なことは、音楽を楽しんで好きでいられることです。一緒に歌ったりしながら楽しい時間を一緒に過ごしてくださいね。

Q.図画工作の授業参観に行きました。絵について先生が説明した後、それぞれの子どもは描き始めましたが、うちの子どもは一向に描こうとしません。家では、暇があると自由に絵を描いていたので不安になりました。

A.お家で自由に描いているのであれば、描く力があり、本人のイメージの世界をもっていると思いますので、恐らく自分の絵の表現方法を考えていたのではないでしょうか。そのようなお子さんには、本人が描きたいものを聞き取ったうえで、構図であったり、描き方であったり、技術的なことのアドバイスするのがおすすめです。本人は、描くきっかけが掴めると集中して作業を始められると思います。
また、今回のお子さんとは違いますが、形が取れず、人の形が描けない、リンゴが描けない等のお子さんも多くいます。そのような時は、描く方法を教えるとよいです。例えば、顔は、丸の中に目鼻口がある、という構成や、頭より肩は外に出ているというバランスを、実際の人の写真と比較して描いてみましょう。
ただ、幼児や低学年の子どもは、バランスより今自分が描きたいものを大きく描くこともしばしば。例えば腕で鉄棒にぶら下がっている絵を描くときは、手に力を入れた体験から、手が顔くらい大きく描くこともありますので、アドバイスは高学年になってからでも良いかもしれません。

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また、色がうまく塗れなかったり、一気に線が描けなかったりするときは、手首が硬い可能性がありますので、クレパスで丸をぐるぐる描いたり、くねくねと曲がった線を描くことがおすすめです。手の運動練習をすることで手首がスムーズに動き、描きやすくなるので、遊びで模様づくりなどを時々してみても良いでしょう。
お子さんが楽しく描く気持ちを大切にしながら、高学年にかけては時々アドバイスをすることで、「絵が好き」になってくれるのではないでしょうか。

Q.真面目な子で、毎日宿題はしていますが、テストの点数が芳しくありません。塾に行かせた方が良いでしょうか?

A.勉強はお子さんによって解り方が異なるので、塾を検討する前に、その子に合った勉強方法(宿題のやり方)を見つけるとよいです。

例えば、漢字練習では、以下の4パターンの覚え方が多く見られます、
①一行ずつ丁寧に書いて覚えられる子
②先生のお手本など、筆順を追って覚える子
③漢字を分解して、偏(へん)、旁(つくり)、冠(かんむり)、脚(あし)、構(かまえ)、垂(たれ)、繞(にょう)に分けて覚える子
④たくさん書くと思うと集中できないが、三文字だけ書く、等、回数を少なくし一角一角気を付けて書くと覚えられる子
宿題はしているのにテストで点数が伸びない場合、やみくもに数を書かせるのでなく、どこに注目すれば覚えられるのかを見つけてください。見つけ出すまでは大変ですが、その方法が身に付くと、これから先様々な分野で習熟度を高められるようになります。

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これは、算数でも同じです。低学年の引き算「24-9」を例に考えましょう
①まず24を20と4に分ける。20から9を引いて11。11に4をたして15。
②まず24を20と4に分ける。9から4を引いて5 。20から5を引いて15。
たかが引き算ですが、どちらの方が分かり易いのかは人によって違います。お子さんの考え方の癖に合わせることでできるようになることもあります。
お子さんの解り方を見つけられれば、宿題だけで事足りることもありますし、解り方にあった塾を探すこともできます。お子さんを観察することで、解決策が見えてくると思いますよ。

Q.うちの子は、寒くなる時期はいつも体調を崩します。何か対処できる方法があるのでしょうか。大人になればよくなるのでしょうか。

A.季節、天候や気圧配置によって体調を崩すお子さんは少なくなく、アレルギーのある子は、春や秋の季節の変わり目に喘息の発作を起こしたり、アトピーの症状が悪化したりします。また、寒くなる季節は、空気が乾燥して気管を痛める事も少なくありません。
ぜひ、お子さんのことをよく観察して体調が悪くなる予兆を見つけてください。見つけられたら、悪く成る前に手を打ちましょう。
アレルギー対策としては、例えば、台風が発生したらアレルゲンになっている食物をとらないようにする、睡眠を十分にとる、水分を十分とって喉を荒らさないようにする、等。また、急に気温が下がる時には一枚上に羽織る、あたたかいものを食べる、などです。
大人になって体力がつくと改善されることもよくあるので、運動習慣などで体力をつけることも良いかもしれません。まずは規則正しく生活のリズムを整え、運動と、バランスの良い食事をとらせることを心がけましょう。

11月の食事 ワンポイントアドバイス ~子どもも喜ぶ!身体を温める食事術~

段々と冬らしく、肌寒い日が多くなってきました。“冷えは万病のもと”とも言われるように、身体を冷やすことは様々な不調を招くので、朝食をしっかり食べて1日の体温を上げることや、食事の内容を工夫して身体の内側から「温めること」を意識していきましょう。
身体を温めるためには、熱を生み出す筋肉を増やすことと、燃料となるエネルギーを十分に摂ることがポイントです。具体的には、筋肉やエネルギーの素となる「三大栄養素」を摂ること、そして、三大栄養素を代謝し、筋肉や熱に変える「ビタミンB群」を一緒に取り入れる必要があります。
三大栄養素はご飯やお肉から摂ることができますが、不足しがちなのがビタミンB群。ビタミンB群はきのこに豊富な栄養素であり、また水に溶けだしやすいという特徴があるため、スープやお鍋にきのこをいれることで、効率良い栄養摂取と身体温めにつながります。
さらに今が旬の根菜類は身体を温めるのに役立ちますよ♪
きのこを活用したうま味たっぷりのお料理で、体調管理の難しい季節の変わり目も元気に過ごしていきましょう!
(監修:ホクト管理栄養士 德田美咲)

秋の夜長です。お子さん方が寝た後、ぜひご自分の時間をつくり、ご身体を労わってください。就寝前に、お好きな本を読むのはいかがでしょうか。日々の生活に追われる日々だと思いますが、お子さんのためにも、まずはご自分を大切になさってくださいね。では、12月に。

profile

望月 保美

(ガイダンスカウンセラー、上級教育カウンセラー、特別支援教育士)
東京都の元小学校教諭。
現在はカウンセラーとして小学校を訪問し、授業の様子や児童の活動を観察して子どもの特性やその対応方法、指導法を先生方に伝える活動を行っている。
また、高等学校では友人同士の関わり活動を通して、友人や自分を理解する方法について演習等も実施。
教育カウンセラーを目指す方への学習サポートも行っている。

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