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子どもの成長への通過点!年末の成績表やテスト結果の活かし方

2021.12.01
子どもの成長への通過点!年末の成績表やテスト結果の活かし方

落葉した木々が、天に向かって一層高く伸びているように見えます。裸木の間を通ってくる北風に思わず襟を立てたくなる12月。さて、2学期も残り少なくなり、今学期の成績が気になるという保護者の方も多いのではないでしょうか。今月は、年末に多く寄せられる質問にお答えしていきます。

■今月のTOPICS

・テストの結果がイマイチだった時の考え方は?
・成績表を活かしてお子さんのモチベーションを高める方法は?
・保護者も忙しい年末、子どもにおすすめの過ごし方は?
・12月の食事 ワンポイントアドバイス ~運動不足による体重増加を防ぐ食事術~

Q.学期末になり、テストを持ち帰ってくることが多くなりました。褒めなくてはと思っているのですが、つい、×のついている問題を見ると「どうして間違えたの?」と思ってしまいます。宿題で一緒に勉強した内容ならなおさらで、自己嫌悪に陥ります。

A.点数は成績にも影響しますので、一生懸命に教えた結果がテストの点数に反映しないと、つい、子どもを責めてしまうという保護者の方は多いです。ですが、テストは何のためにあるのか、を考えたら少し心に余裕が生まれるのではないでしょうか。
それは、『学習内容がそれぞれの子どもにどれ位定着したかを知るため』です。また、『教師として学習内容を分かり易く教えられたのかを知るため』や『評価の資料にする』等もあります。

皆さんが小学生の時、授業中に先生の説明を聞いているときは“なるほど”と思っても、時間が経ってから解き直してみると、「あれ、これどうするんだったかな?」と考え込んでしまった経験はありませんか?授業ではよく分かったように感じるのですが、それは、巧みな先生の説明で分かったつもりになっているだけであって、本当の意味では理解したことにはなっていません。学習した内容が自分の中にしっかり落とし込めて、初めて理解したことになるのです。
点数も気になりますが、本来大切にしなくてはいけないのは、このような「理解すること」です。テストで間違えたところは学び直す場所だと捉えて、もう一度じっくり解き直して子ども自身の物にしていくことが、確かな学力になります。

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ただ、もし、何度教えても間違えてしまう場合、勉強の仕方がお子さんにあっていないのかもしれません。11月の記事でご紹介している内容もご参考にしながら、お子さんの考え方の癖を観察してみるのも良いかもしれません。

Q.いつも学期末に子どもが持ち帰る成績表について、学校の保護者会では「結果だけ見ずに、褒める材料にしてください。」と言われますが、褒める場所が見つかりません・・。どうしたらよいのでしょうか。

A.成績表が「子どもの学力を伝える絶対的なもの」のように感じ、将来を決められてしまうように感じる保護者の方もいらっしゃいます。でも、そうではありません。テストの点数のところでもお話しましたように、成績表は、現時点での学習の理解の様子を伝えるもので、もしも成績表の中で十分でないと評価されたら、学習し直したり、これから気をつけていけばよいのです。評価は、途中経過であって絶対的なものではないのです。そう思えると、少し気持ちが楽になりませんか。
また、先生の書いてくださる所見の中に褒めるヒントが隠れていると思います。お子さんと一緒に成績表を見ながら、「知らなかったけど、学校では、〇〇を頑張っているんだね。嬉しいな。」と、先生が褒めているところに対して気持ちを伝えてください。
保護者の方のポジティブな反応は、お子さんをやる気にさせます。

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ただ、学び直すことは大切なのですが、学習内容によっては、生まれ月や発達の速度に個人差があり、今学習するより、半年後等、少し先の方が理解しやすいもの(算数でいうと割合の問題や速度、単位量当たりの大きさなど)もあります。そのような時は、今でなくても十分に間に合います。少し様子を見て理解が難しいように感じる場合は、精神的に成長したなと感じられた時に一緒に復習してあげると良いでしょう。
また、これから冬休みが始まりますね。漢字やかけ算九九、都道府県名などは、長期休みに毎日少しずつ繰り返し唱えたり、分かり易い歌や言い方を考えたりすると案外すんなりと覚えられます。成績表の内容をもとに、長期休みをお子さんの成長に繋がる有意義な時間にしていただければと思います。

Q.冬休みのある年末年始、特に年末は仕事も忙しく、子どもをどのように過ごさせるのが良いか困っています。

A.年末は、一年の締めくくりの大掃除や、新年を迎える準備をする大切な時期ですね。この時期は、家族で大掃除の計画を立てて、実践するのがおすすめです。
例えば、親が仕事でいなくても、自分の机の整理はひとりでできるでしょう。低学年のお子さんの場合は、休みの日に片付けの手順や方法を教えておくのがおすすめです。

例えば、「2学期の学習プリントは、ピンクのファイルに挟む。」「お手紙は、緑のファイルに挟む。」「教科書は、本立てに教科ごとに並べる。」などを話して紙に図示するとよいです。独りで作業するときにその図を見ながら実行することができるようになります。

保護者の方が年末の休みに入ったら、お子さんと一緒に、窓ふきなどの大掃除をするのもよいですね。お子さんに仕事を割り振ることで、家族の一員としての責任が芽生え、成長のきっかけにもなると思います。また、片付けの他にも、お正月の準備に松を飾ったりおせちを作ったりされるお家では、お子さんと一緒に作ってみたり、身近な方へ年賀状を書くのもよいと思います。

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また、お正月になったら、初詣や書初めがありますね。学校の宿題で書初めすることも多いと思います。年が明けて心新たに書いたものを提出できるといいですね。その他にも、冬休みは、日本独特の文化を知る良い機会でもありますので、時間が許す方は、カルタ、凧揚げ、コマ回し、羽根つきなどのお正月遊びも体験してみることをおすすめします。

 

12月の食事 ワンポイントアドバイス ~運動不足による体重増加を防ぐ食事術~

 

冬休みにクリスマス、年末年始などイベントの多い12月は、いつもよりも少し、豪華な食事を食べる機会が多くなる時期。一方で寒くなるため運動量も減りやすく、太りやすい時期でもあります。そんな時はイベント料理にヘルシー要素を取り入れたり、イベント以外の食事内容を調整したりして、健康な身体を維持していきましょう。
ポイントは「食物繊維」をしっかりとること。食物繊維の多い食事は噛み応えを高め、お腹の中で膨らむことで満腹感アップに繋がる他、腸内環境を整えるのにも役立つので、お通じの改善や、体調管理にもピッタリです。その食物繊維は近年の日本人に不足しがちな栄養素といわれており、「きのこ」に豊富に含まれています。きのこなら食物繊維だけでなくビタミンやミネラルも摂れ、さらに、100g当たり約20kcal以下と低カロリーなのも嬉しいポイントです!
きのこの存在感を生かしたお料理で、忙しい年末も元気に過ごしていきましょう!
(監修:ホクト管理栄養士 德田美咲)

師走に入り、年末に向けて多忙な時期になりました。気温も下がり、体調を整えるのも難しい時です。世の中が、忙しく動き、心急く日々が続きます。心にゆとりをもってお過ごしください。

profile

望月 保美

(ガイダンスカウンセラー、上級教育カウンセラー、特別支援教育士)
東京都の元小学校教諭。
現在はカウンセラーとして小学校を訪問し、授業の様子や児童の活動を観察して子どもの特性やその対応方法、指導法を先生方に伝える活動を行っている。
また、高等学校では友人同士の関わり活動を通して、友人や自分を理解する方法について演習等も実施。
教育カウンセラーを目指す方への学習サポートも行っている。

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