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子どもの字が汚い、ゲーム時間が長い・・・保護者にできる解決策とは

2022.01.01
子どもの字が汚い、ゲーム時間が長い・・・保護者にできる解決策とは

新しい年を迎えました。いかがお過ごしでしょうか。元日の朝日を見て、すがすがしい気持ちになった方も多いことと思います。この2年間はコロナの流行で重苦しい我慢の日々でしたが、今年こそは、人と人が親しく交われ、のびのびと暮らしていけると良いですね。

■今月のTOPICS

・「書初め」をする理由&子どもの字が汚い時の原因と対策
・子どもの「ゲーム」との付き合い方&年始におすすめの伝承遊び
・冬の体育、服装はどうすればよい?
・1月の食事 ワンポイントアドバイス ~寒い時期の体調管理術~

Q.毎年、冬休みの課題に「書初め」があります。なぜ、書初めをするのでしょうか。また、うちの子は普段のノートの文字が汚く、家に帰ってからノートを見直しても何を書いてあるか読めません。子どもの文字をきれいにする方法はあるのでしょうか。

A.普段の文字をきれいに書かせたいと思ってもなかなか改善できないのに、冬休みには書初めがあり、文字も大きく、用紙も大きいため余計に字が気になる、という保護者の方も多くいらっしゃいます。書初めをする理由や、普段の文字が汚くなってしまう原因と対策についてお話しします。

「書初めをする理由」

「書初めとは何か」ご存知の方も多いと思いますが、書初めは、新しい年の初めにその年の抱負や決意を書く、日本の伝統的な行事です。思いを書き、貼り出すことで、決意の実行を促す働きがあります。

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 では、そのような書初めを学校で行う理由について。学校では、学年ごとに決められた文言を事前から練習して書きますが、日本の伝統では、個人の決意や、目標を書くのが書初めです。学校行う理由は、年の初めに心新たに書き初めるという文化を継承するという意味があります。また、決められた文言を書くのは、それまでに学習した毛筆のとめ、はね、はらい、曲がりなどの筆遣いや字形を整える学習の復習の意味も込められています。書く文字は地域によって異なっており、その土地の自然(山の名前、雪、など)を盛り込むものが多く見られます。

「文字が汚い場合の原因と対策」

文字が汚い背景には、書くのが面倒、短い時間で書かなければならない、バランスのとり方がわからない、など様々な原因があります。

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「書くのが面倒」という気持ちの面が原因の場合

この場合は、書くことへの動機づけが必要です。「丁寧に書かなかったら後で困る」といった経験をすると、自然と丁寧に書こうという意識が生まれます。また、「書くことで自分の考えがまとまる」経験をすることでも書こうという意識が高まります。考えをまとめるために書くということは、高学年になると自然とできるようになりますので、それまでは、思ったことをそのまま書くようにお家の方が声掛けしてください。

「短い時間で書かなければならない」という時間的な制約がある場合

この場合は、特に学年を追っていくと多くなります。社会科見学が始まれば、説明を聞き取って書く必要があります。また、高学年になるにつれ、学習内容が多くなる一方で、メモする時間は短くなります。説明は待ってくれないので、まずは、汚くても書くようにし、事後、書き直す習慣をつけることが大切です。また、すべてを書こうとするのではなく、要点を抜き出して書く習慣をつける、など、頭の中で一度変換するといった工夫が求められます。それを繰り返すうちに、効率よくメモを取れるようになり、短い時間でも丁寧に文字が書けるようになります。

「バランスのとり方が分からない」場合

この場合には、一つ一つの文字の書き始めの目印、曲がりの目印、とまりの目印が見つけられないことが原因としてあります。低学年の場合は、ノートのマスに十字のリード線がついていますので、それを目印にすると文字が整います。漢字ノートもリード線のついているものがありますので、丁寧に練習するときに使うと効果的です。
また、リード線がついていても、お手本と自身のノートを見比べながら書く時の視線移動がうまくいかずに、その文字をバランス良く書く目印が見つけられない場合があります。この場合は、どこを目印にするのかのコツを保護者の方が教えてあげてください。たとえは、「右上のますから真ん中の十字のところを通って左下のマスの左の下の角まで線を伸ばす。」というように、具体的に目印を教えます。そうすることで、文字を見たときにどこを目印にするとよいかが理解できるようになります。
しかし、子どもたちの様子を見ていると、気持ちの面と時間的な制約で文字が汚くなってしまう場合が多いようです。常に整った文字で書けるとよいですが、急ぐ気持ちが加わると難しくなります。文字が汚い、と思うのではなく、原因を把握したうえで、子どもにも「今は、丁寧に書いて練習するとき」、「今は、短い時間で多くの情報を書きとる時」を区別する意識を持たせ、訓練させてあげることが大切だと思います。

Q.冬になると暖かい部屋で遊ぶことが多くなり、今まで以上にゲームをする時間が増えているようです。このままで大丈夫でしょうか。

A.ゲームをしていると、子ども自身が思っているよりも時間があっという間に過ぎてしまうものです。また、独りで遊んでいると思っても、対戦相手がいてネットで繋がっていることもあります。まず大切なのは、時間を決めてゲームをさせることです。

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また、ゲームを長時間続けていると記憶や推論、意思決定、感情コントロールをする脳の前頭前野の活動が鈍ってくると言われています。そうなると、キレやすくなったり、人の気持ちをゆっくりと考えられなかったり、推測して考え問題を解く学習や覚える学習にも支障をきたすことがあります。寒い時期ではありますが、体を動かすことで、前頭前野の活動が戻ってきます。ぜひご一緒に、体を動かす遊びをしてみてください。
また、現代の子どもの多くは、ゲームの面白さは知っていますが、遊びを創造し、手順を考えてルールを作ったり、遊びのバリエーションを作ったりすることが少ないようです。学校でも低学年の生活科の授業では伝承遊びを教えていますが、家族と一緒にお家で実際に伝承遊びを経験するのもよいと思います。それが、遊びの発展の一助になります。

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お正月休みの間には、いろはかるたや百人一首などをしたり、すごろくや自作の福笑いをしたりすることで、家族で共に遊ぶ楽しさや、ことわざ、百人一首の歌を覚える楽しさを経験することに繋がります。また、体を動かす遊びとしては、凧揚げや、羽根つき、独楽回しも良いですね。凧揚げでは、凧を操る糸の微妙な指の感覚を体験したり、独楽にひもを巻く時の指の感覚を体験したりすることで、今まで眠っていた感覚を呼び覚まし、脳の発達を促すこともできます。
伝承遊びにはお子さんの成長に役立つメリットもたくさんありますので、年始となる1月、ぜひご家族で体験してみていただければと思います。

Q.朝、真っ白に霜が降り、氷が張ってとても寒くなりました。ですが体育の時間の服装は、今まで通りのようで、子どもも寒がっているようです。このままでよいのでしょうか。

A.1・2月は一年の中で寒い時期になるので、心配ですね。各学校での決まりがあるので学校に問い合わせるのも有効ですが、ここでは今できる対応方法をご紹介します。

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子どもは新陳代謝がよいので、授業が始まって少し動くと汗をかいてきます。ですが、授業が始まる前は身体が冷えており、冷えたまま運動をはじめるとケガにも繋がるので、授業の始まるまでは、体操服の上にトレーナーのようなものを着させておくのがおすすめです。ただ、フードや調節のひものついているものは、体育の準備や準備運動の際に引っ掛かり危険なことがあるのでフードのない、かぶって着られるタイプのものが良いですね。前開きの場合は、必ず前のファスナーを閉めて着るようにします。
ケガなく、しっかりと運動をさせるためにも、お子さんの声も聴きながら、対策をとってもらえればと思います。

1月の食事 ワンポイントアドバイス ~寒い時期の体調管理術~

寒さが厳しくなる1月は、空気が乾燥するため、風邪やインフルエンザなどの不調予防が欠かせません。また、年末年始の休みで生活リズムが崩れてしまうと免疫力の低下にも繋がるため、一年の始まりを元気に過ごすためにも、健康的な生活習慣の一歩として、食事から丈夫な身体づくりを行いましょう!
体調管理には、「健康の要」や「第二の脳」とも呼ばれる“腸”を整えることが重要です。腸は脳の次に多くの神経が集まっているうえ、全身の約7割もの免疫細胞が存在しており、腸を整えるのに欠かせないのが食物繊維です。
きのこには食物繊維は豊富に含まれており、善玉菌を増やしたりお通じを整えたりすることで体調管理をサポートします。また、きのこを食べることで免疫機能に関わる善玉菌(酪酸菌)が増えるという結果も出ています。さらにきのこは菌100%の唯一の食材なので、効果的に腸を整えるのに役立ちますよ!
いつものお料理にプラスきのこで、元気よく一年のスタートを切りましょう♪
(監修:ホクト管理栄養士 德田美咲)

新しい年が始まりました。これからもご自分のペースを大切に、子育てしていただければと思います。では、2月にお会いしましょう。

profile

望月 保美

(ガイダンスカウンセラー、上級教育カウンセラー、特別支援教育士)
東京都の元小学校教諭。
現在はカウンセラーとして小学校を訪問し、授業の様子や児童の活動を観察して子どもの特性やその対応方法、指導法を先生方に伝える活動を行っている。
また、高等学校では友人同士の関わり活動を通して、友人や自分を理解する方法について演習等も実施。
教育カウンセラーを目指す方への学習サポートも行っている。

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