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HOP,STEP!Child Body Make School ─運動能力向上塾─

犬、熊、ペンギン!全身を使う「動物歩き」で、身体発達と有能感を育もう

2024.08.19
犬、熊、ペンギン!全身を使う「動物歩き」で、身体発達と有能感を育もう

夏休みも終盤を迎える8月下旬、残暑が厳しくまだまだ暑い日が続きそうですね。今年開催された「パリオリンピック」では、日本選手団の活躍を見て、夢を持ったり、胸を躍らせたりした子どもも多いのではないでしょうか。選手が一生懸命に競技に臨む姿を見て、自分も身体を動かしたいと、ポジティブな気持ちが芽生えてくれたら嬉しいですね。

遊びや運動は、身体の成長や発達を促すことに加えて、自分ならできるという感覚、そのように自分自身を意識することができる「自己有能感」を養うことや、社会性を養うことにつながります。

運動や身体的活動は、すぐに「できる、できない」が分かります。「できる」ことを褒められたり、頑張ったことを認められることは、子どもにとって嬉しく、自信になります。自分ならできると感じる「自己有能感」は、挑戦する気持ちを生み出し、その結果、自発的、積極的な行動を起こします。行動を起こすと、さらに色々なことが上手にできるようになり、能力が高まるという良い循環につながります。

また、他者との人間関係についても同様です。人は、認められたい、褒められたいという承認欲求を持っています。子どもは褒められ、認められることにより、他者との関わりに対して前向き・積極的になります。ロバート・フルガムの名著に「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」という本がありますが、「遊び」は他者との関係づくりを学び、集団、社会におけるルールを学び、社会性を養う機会になります。

「遊び」で健やかな発達を!
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Let’s Play!
「食事」で健やかな発育を!
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Let’s Eat!

Let’s Play!

今までのコラムでは、幼少期の運動の基本となる様々な「バランス遊び」を紹介してきましたが、今回からは、「移動」に焦点をあてた様々な遊びをご紹介します。

身体を「移動」させる方法は、単に「歩く」だけでなく、走る、跳ねる、跳ぶ、登る、下りる、這う、よける、すべるなど、様々な動きがあります。どれも全身を使う動きですが、それぞれ四肢を巧みに使うことで成り立っています。移動遊びを行うことで、骨格形成や筋力アップ、身体をバランスよく使う力などを育むことができます。

今月は中でも基本となる「歩く」ことに焦点をあて、色々な動物の歩き方を真似した、全身を使った遊びをご紹介します。

犬歩き

[POINT] 幼児期の初期からできる動きで、この動作がしっかりとできることで「胸郭」という内臓を包む外枠がしっかりと形成されると共に、上肢の発達も促されます。

  1. 手と膝を床に付けて、四つん這いになります。
  2. 顔をあげてそのまま手と膝を順番に前に出しながら小さな歩幅で歩きます。そのまま少しずつスピードを上げていきます。 
  3. 慣れてきたら、犬のように上にジャンプしてみましょう。

熊歩き

[POINT] 犬歩きより上肢に対する強度が増した運動で、バランス感覚や筋力も養うことができます。特に、四つ足歩行で後ろに下がる動作は日常にない動きのため、身体を巧みに使いこなせる能力である「巧緻性(こうちせい)」を高めるのにも役立ちます。

  1. 膝をつかずに、手とつま先を床につけ、お尻を高く上げます。
  2. のっし、のっしと熊のように手と足を挙げながら前進します。 
  3. 慣れてきたら、スピードを上げて移動します。
  4. 次に、両手、両足を床につけた状態で後ろへ下がるように移動します。
  5. 時々、熊の様に両手をあげて「ガオー」のポーズをとってみましょう。
  • お友達と熊歩きで鬼ごっこをしてみましょう。

ペンギン歩き

[POINT] 「つま先で歩く」ことで、バランス感覚と筋力の両方を養うことができます。

  1. まず、膝を曲げて、つま先で立ちます。
  2. 次に腕をピンと伸ばして、体の横につけます。
  3. その姿勢のまま前進します。慣れてきたら、足を速く動かして、スピードを上げてみましょう。
  • ご家族、お友達でペンギン鬼ごっこを楽しみましょう。暑い夏は、浅いプールで行うと、もっとペンギンのようになれて楽しいかもしれません!

カニ歩き

[POINT] 「つま先で立ちながら横に移動する」という、バランス感覚と巧緻性が養われる運動です。

  1. 膝を曲げて、つま先で立ちます。
  2. 人差し指と中指でハサミを作って、顔の横に構えます。
  3. その姿勢で、横に歩きます。慣れてきたらスピードを上げてみましょう。

ワニ歩き

[POINT] 上肢と下肢のバランス感覚と筋力が養われることに加えて、巧緻性が育まれる難易度の高い運動です。

  1. 両手、両足を床に付けます。
  2. 膝と肘を曲げて、身体を床ぎりぎりまで落とします。
  3. 両手と両足の4点のうち、3点で体を支え、一歩、手もしくは、足を前に出します。
  4. 前進するのに慣れたら、後ろへも歩いてみましょう。
  • ワニさんが、動かないときは、お腹を地面につけて休んでいる理由がわかると思います。

アザラシ歩き

[POINT] 特に上肢の筋力とバランス感覚が養われる難易度の高い運動です。胸郭の発達を促すことにもつながります。

  1. 手と、足の甲を床に付けて体を支えます。
  2. この状態で、手を少しずつ前に出して前進します。
  3. 慣れてきたらスピードを上げてみましょう。

*お友達、または家族で、ペンギン、熊、アザラシ、カニなどと鬼が指定しながら(指定されたものに全員がなって移動する)、鬼ごっこをするのもきっと楽しいでしょう。

*お父さん、お母さん、周りの方は、「出来ている、出来ている」「頑張ったね」「似てる、似てる」「すごい速い」「上手」などと、良いところを見つけて、認め、褒めてあげて下さいね。挑戦していること、実施していること自体が素晴らしいことです。実践していること、そのプロセスにも目を向け、承認し、褒めてあげましょう。

Let’s Eat! きのこの力で子ども健やかな成長をサポート

残暑の時期とはいえまだまだ暑さが続くこの時期は、子どもたちも食欲が低下し、無意識のうちに口当たりのよい甘いものや、好きな食べ物ばかりを食べたがるかもしれません。

しかし、そういった食事では日々のエネルギーや、身体発達に必要な栄養素が不足してしまいます。子どもの成長を促すためは、食事で必要なエネルギーや栄養素を補うことが大切です。そこで今月は残暑の時期でも食欲をそそる、栄養満点の「きのこ」レシピをご紹介します。

<厳選レシピ>

profile

監修 長谷川 尋之

松本大学人間健康学部健康栄養学科専任講師
兵庫大学を卒業後、管理栄養士を取得し、運動と栄養の両面から研究する運動栄養学を大阪体育大学大学院で学ぶ。大学院卒業後は、スポーツクラブアクトス、チームニッポン・マルチサポート事業(栄養)で健康づくりの運動指導やトップアスリート栄養サポートに従事して現職に就く。現在は、運 動栄養学の教育・研究とともに、県内・外のアスリートの栄養サポートを行う。
【資格】
管理栄養士、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士、スポーツ科学修士

監修 中島 弘毅

松本大学人間健康学部スポーツ健康学科教授
日本体育大学卒業後、日本体育大学大学院在学中に中国北京体育学院へ交換留学。聖徳大学短期大学部、聖徳大学専任講師を経て、2002年度より松本大学に着任。信州大学大学院 医学系研究科 加齢適応医科学専攻で医学博士を取得。現在は、幼児の運動能力に関する研究などに取組み、レクリエーション関連科目や運動と遺伝子などの講義を担当する。
【資格】
レクリエーション・コーディネーター、体育学修士、医学博士

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