正しい水分補給で夏のトレーニング!下半身強化メソッド&ランニングスタート!
12か月でハーフマラソン完全走破!走れるカラダづくりメソッド
2021.07.01これまでの3か月間は、走るのに必要な筋肉の強化や持久力アップにつながるトレーニングをご紹介してきました。今回からは、実際に走ることについてご紹介していきます。
走るためには、アキレス腱のバネとその周囲にあるふくらはぎの筋力のバランスが非常に重要です。今回は、実際の走り方と共に、アキレス腱の可動域を広げ、その周囲の筋肉に刺激を与える筋力トレーニングをご紹介します。また、暑い季節のトレーニングに欠かせない、熱中症予防と水分補給についても解説します。
トレーニング中の熱中症を予防するには
暑さが厳しい日々、屋外の運動で気になるのが熱中症です。トレーニング中の熱中症リスクを軽減するために、人体には「暑熱順化」という生理機能が備わっています。暑熱順化すると ① 発汗量の増加、② 汗に含まれる塩分濃度の低下、③ 皮膚血管の拡張、④ 循環血液量の増加 が起こり、体内から適切に熱を逃がすことで熱中症予防を助けます。
ただ、発汗量の増加や循環血液量の増加の効果を得るには、体内に十分な水分があることが前提となるため、体内の水分喪失をいかに予防するかが鍵となります。トレーニング中はもちろん、トレーニング前から十分に水分補給をするようにしましょう。
Let’ Try
今回は、正しい走り方と共に、早く走るのに必要な筋発揮を支える“大筋群”である大腿部のトレーニング、アキレス腱の可動域を拡げるふくらはぎのトレーニング、そして体幹を鍛えるトレーニング方法をご紹介します。
ランニングを週に4~5回に加えて、その中に下半身強化を週に1~2回程度行うことが目標となります。筋力トレーニングのみを行う場合は、週に3~4回程度行うとよいでしょう。
トレーニング1
大腿部の強化「片足スクワット」
① 脚は肩幅くらいに開いて腰に手をあてて立ち、片足を上げる。
② 上体を股関節から前に倒すようにし、膝を曲げて、深くしゃがんだ姿勢で3秒キープ。
※難しい場合は椅子や壁で補助をすると正しい動作が行いやすくなります。
注意点:支持足の膝の角度は90度程度が目安、ふくらはぎと背中の角度が平行になるのがポイント
③ 上体と曲げていた支持足をゆっくり延ばして①の姿勢に戻り、反対の足も同様に行う。
回数:左右交互に15回、2~3セット
トレーニング2
ふくらはぎの強化「シーテッドカーフレイズ」
① 背もたれにつかない程度で椅子に座り、背筋を伸ばして膝は90度程度に曲げて座る。つま先は足元の台(高さは10cm程度が目安)におき、できる範囲で足首は深くまげておく。
注意点:足元の台がない場合は、踵をつけてつま先をうかせた状態からスタートしましょう。
② 踵を真っすぐ高く持ち上げ、つま先立ちにして、3秒キープ。
注意点:ダンベルやペットボトル、本など身近なものでおもりをもつと強度がアップ。
③ 踵をゆっくり下げて①の姿勢に戻して、動きを繰り返す。
回数:15回、2~3セット
階段などの段差につま先をかけて立った姿勢で行うこともできます。足首の曲げ伸ばしを深くすることで強度が上がります。
トレーニング3
体幹の強化「レッグレイズ」
① 床に仰向けに寝転がり、両手を身体の横につく。両足を揃えた状態で持ち上げ、膝、股関節をそれぞれ90度くらいに曲げる。
② 股関節をさらに深く曲げ、太ももを胸元へ引き寄せるようにしてお尻を持ち上げる。3秒キープ。
注意点:背中はしっかりとつけたままで、足よりお尻を持ち上げるように意識する。
③ ゆっくり①の仰向けの姿勢にもどす。
トレーニング4
有酸素運動「ジョギング20分~」
① 走る前のチェックとして、頭は上に引っ張られるようにし、肩は下げて胸を張る。
※ただし、ランニングは前へ進む力が必要になるので、猫背防止のためにも上半身を真っすぐにしつつ、その状態から上半身をごくわずかに前傾姿勢させた状態がベスト
② ①の状態に腕を合わせる。肘を90度程度に曲げ、肘から後ろへ振る。
※この時、肩甲骨周りの筋肉をしっかりと動かし、リズミカルに、力まないよう腕を動かす。
③ ②の状態に足を合わせる。踵に重心が偏らないように意識し、着地は足の裏全体で接地するように意識する。
※踵のみで着地すると、つま先の蹴り上げる動作が大きくなり、アキレス腱、ふくらはぎ周辺への負担になります。ひざ下が地面と垂直になるよう着地することを意識することがポイントです。
トレーニング+α ~きのこの力でトレーニング効果を最大に~
熱中症予防のために「ナトリウム(塩分)」をとっていれば良いと考えていませんか?汗を沢山かいたとき、ナトリウムは大切ですが、ナトリウムだけを摂取していると、細胞内外のミネラルバランスが崩れてしまいます。そこで、きのこに含まれる「カリウム」も積極的に摂取することが重要です。カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄する働きもあります。暑い夏、汁気があり水分も一緒に摂れるきのこ料理を食べて、熱中症対策を行いましょう。
厳選レシピ
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〜1日の始まり「朝食」〜
レンジで作るきのこキッシュ忙しい朝にぴったりなレンジで作る時短レシピです。きのこや卵、牛乳にツナとミネラルだけでなく、たんぱく質も豊富に含まれ、カラダづくりにぴったりな一品です。切り分ければ、お弁当にも使えます。
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〜午後への活力「昼食」〜
きのこのつけ麺暑い日は食欲が落ちてなかなか箸が進みません。汁気がある麺類は喉どおりが良く、水分も摂取できて、食欲がない日も食べやすい一品です。具沢山のつけ汁なので、1品でも1食分に必要な栄養素がしっかり摂取できます。
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〜足りないものを補う「補食」〜
夏の水分補給にぴったり!きのこスポドリトレーニング後の発汗で失われたビタミン、ミネラルを回復するのに適したドリンクです。また、トレーニング後のほか、入浴後や寝起きなど、多量に汗をかいたタイミングで摂取するのもおすすめです。
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〜疲れを癒す「夕食」〜
きのこ冷製味噌シチューたっぷりのきのこでカラダの調子を整える微量栄養素が豊富に摂れる副菜ですが、ウインナーや牛乳を使うことで筋肉のリカバリーに必要なたんぱく質も補えます。冷製シチューにしたことで、カラダを内側から冷やし、水分摂取もできて熱中症予防に最適です。
profile
松本大学人間健康学部健康栄養学科専任講師
管理栄養士/日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士
兵庫県加古川市出身。管理栄養士養成課程の四年制大学を卒業後、スポーツと栄養を科学的、研究的視点で学ぶため大阪体育大学大学院博士前期課程に入学。大学院を卒業後、民間フィットネスクラブでスイミングインストラクターの傍ら、栄養士として利用者や子供の栄養教育や健康づくりに関わる。大学院時代の先輩に導かれて文部科学省受託事業であるチームニッポンマルチサポート事業(栄養専門職員)に転職、男子体操競技をはじめとする日本代表選手などの栄養サポートに携わる。
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