子育てLabo

見守りながら、導きながら。子どもの自立に向けた準備をしよう!

2022.05.01
見守りながら、導きながら。子どもの自立に向けた準備をしよう!

大空に鯉のぼりが泳ぐ5月。過ごしやすい季節になりました。
新年度が始まって一ヶ月、お子さんは新しい環境に少しずつ慣れてくる頃です。保護者の皆さんも、生活に慣れて少し心の余裕ができてくる頃ではないでしょうか。そこで今月は、お子さんの1年間を前に、自立に向けての『自己決定、自己責任』についてお話したいと思います。

■今月のTOPICS

・助けてくれる親が良い親?子育てのゴールとは
・自立できないまま大人になったら?
・“自分で決められない”お子さんはここから始めよう
  ─ 未就学児の場合
  ─ 小学生の場合
・5月の食事ワンポイントアドバイス~心と体を癒すリラックスレシピ~

助けてくれる親が良い親?子育てのゴールとは

子育てをしている保護者の声を聞くと、多くの方は心のどこかで「完璧でなくてはいけない。」「失敗してはいけない。」「良い親にならなくては。」と思ってしまっています。しかし、親は子どもを永遠に助けたり、後をついていったりできるものではありませんので、大切なのは『先回りして助ける』ことではなく、『見守り、導いていく』ことです。
私の考える子育てのゴールは、子どもが人として社会に出る時に必要なスキルを自ら身に付け、自分の責任で行動できるようになることだと思います。
子どもには、育っていく力、伸びていく力があります。それを信じ見守ることが何より大切です。手を懸けないことは、手を懸けるよりも大変なことかもしれません。しかし、子どもの一生を考えた時、幼少期にしっかりと自立心を育ててあげることが大切だと思います。

自立できないまま大人になったら?

では、自立心はなぜ必要なのでしょうか。
自立心とは、自分の責任で行動していこうとする心だと思います。その心がなければ、何歳になっても、自分で判断ができなかったり、人に流されてしまったり、自分の間違いを認められなかったりという弊害が起こり、人生でつまずきやすくなってしまいます。

しかし現代は、一家庭の子どもの人数が減少しており、学校でも家でも、子ども一人に多くの大人が関わる傾向にあります。多くの目で見守られながら大切に育てられ、こんな幸せなことはないように思いますが、手が多いために、子ども自身がすべきことを大人が先回りしてしまったり、口が多いために、自分で決められなくなったりしているようにも思います。
社会に出るということは、一人の人間として任されたことを、自分の力で解決し切り開いていくことです。教えてもらっていないからと困ってしまうのではなく、そこから一歩踏み出せる力が「自立」なのではないでしょうか。

保護者のサポートで“自分で決められる”子どもになる

未就学児の場合

はじめは、「どっちがいい?」の二者択一から始めると良いと思います。
しかし、幼い子どもですと「選ぶこととはどのようなことか」を理解できなかったり、「どっち?」と指差しを促してもどこを指してよいかわからなかったりする子もいます。その場合は、まずは物のどこを指させばよいかを教え、指さす練習を繰り返します。
指差しができるようになったら、選ぶ練習をはじめます。「チョコレートとおせんべいどっちがいい?」「運動靴とサンダルどっちがいい?」「今日の服装はピンクのシャツと水色のシャツどっちがいい?」など日常のおやつや服装を決める時に選ぶ練習をするとよいです。
生活を重ねていくうちに自然と学習するのですが、選ぶとはどういうことなのかを繰り返し練習することも大切です。このようにして、選ぶことから自己決定が始まります。

小学生の場合

小学生になると学校生活の中でも様々な選択を繰り返すようになりますが、家での時間、特に「宿題」と向き合う中で「自分で決める」習慣を育むことができると思います。
勉強する時間は「学校から帰ってすぐするか、友だちと遊んだ後にするか」、宿題は「漢字からするか計算練習からするか」等々。大人になれば、選ぶときには双方の利点と欠点を挙げて後のことまで考えて決定できますが、子どもの多くは好き嫌いで決めたり、その時の気分で決めたりします。結果、宿題が終わらなかった、と失敗を経験します。
親としては、つい「宿題は早くしないと終わらないから、遊ぶ前にしなさい。」と声をかけたくなりますが、失敗も学習になるのでまずは見守りましょう。宿題をする時間が遅くなり、眠くなりながらも宿題をする姿を見れば、「眠くなったのなら、今夜は寝なさい。」と言いたくなりますが、じっと見守り、やり終えたら最後までやり切ったことを褒めてください。そして、次からは失敗しないためにどうするかを、一緒に考えてあげてください。失敗は、自分で決めた結果なので自分の責任だ、という意識が芽生えたり、失敗から次を考えたりする習慣が身につきます。

大人になってからではできない試行錯誤を、子どもの内に色々と経験させてあげてください。もし子どもが考えあぐねていたら、アドバイスするのは良いですが、あくまでも、決定は子ども自身にさせることが大切です。

また、自分一人で決定していけるよう、道筋を立てて会話をしてあげることも効果的です。
一例をご紹介します。

【避けたい例】
親「あなたは、算数が得意でしょう。短時間で算数をしたら、漢字の時間が十分とれると思うよ。」

【おすすめの例】
親「宿題をする時間は、どのくらいあるの?」
子「30分かな?」
親「じゃあ、漢字は、どのくらいの時間でできるかな?」
子「わかんないよ。」
親「じゃあ、いつもは、何分くらいかな?」
子「15分でできたかな。じゃあ、漢字からするよ。」

子どもは自分自身のことでもよく分かっていないことがあります。どこから考えていけばよいのかが会話から身につくよう、順序だてて会話をしてあげると良いですね。また、決定をするために利点と欠点をあげさせることも重要。その場合には、十分に時間を与え、考えさせてください。「これには、どんないいところがあるかな?」「あれには、どんな欠点があるかな?」等々。
大変にまだるっこしく時間がかかるように思いますが、ここで、付き合って具体化していくと、後に自分でできるようになり、自分で考え決定していけるようになります。

最後に

例えば、将来を見通して親が転ばぬ先の杖と思って助言したことが、子どもにとっては「親に決められた」と感じることがあります。しかし、自分で決めて、決めたことに責任をもつ練習を幼いうちからすることで、親の助言も自分で選んだことだと思える子どもになりますし、人のせいにしない=自立に向けて、大きな意味を持ちます。
些細なことですが、例えばおやつを「チョコレートか、おせんべいか」と問われておせんべいを選んだ後に、兄弟姉妹がチョコレートをおいしそうに食べているのを見て、「しまった、食べたいなあ。」と思ったことも自己責任。お手伝いを頼まれて、面倒と断った後に、他の人が手伝いをしてご褒美をもらって、しまったと思うことも、自己責任です。こんなことから、自己決定の練習は始まっています。
些細なことの繰り返しですが、自己決定をして、その結果は自分で責任を持つことの練習をしておくと、学年が進み、中学、高校、大人になっても自分で決めて、その責任を自分で負っていける人になるのです。

【幼少期に行う自己決定の一例】
おやつの内容や遊びの内容・服装(洋服、履物、持ち物等)・学習の順番・生活時間の使い方・読書の本・自由研究の内容(夏休みや自主学習など)・習い事の選択 等々

物事を身に付けさせるときは、「今日はいいよ。」のように決めたことを変更したり、やらないことを許したりと例外をつくると身に付かなくなります。子どもの自立を考えるうえで親の我慢は大変なものですが、ぜひ、お子さんが自分で考え、決定していけるよう、状況を見ながら“見守る心”で自己決定の練習をしてもらえればと思います。

5月の食事
ワンポイントアドバイス~心と体を癒すリラックスレシピ~

日差しも段々と強くなり、季節の移ろいを肌で感じている方も多いのではないでしょうか。5月は疲れも出やすい時期。身体を労わりながら元気に過ごしたいですね。
近年、特に注目を集める “腸”は「健康の要」とも呼ばれており、全身の約7割もの免疫細胞や自律神経が集まるため、心と身体の健康には欠かせないポイントです。
きのこには腸を整える食物繊維が豊富なため、免疫維持やメンタルケアに欠かせません。また、菌100%の菌食材なので、腸の善玉菌を増やして腸を整えるのに役立ちます。
また、きのこにはエネルギー代謝に関わるビタミンB群も豊富なため、疲れが出やすいこの時期の心強い味方です!心と身体のエネルギーチャージになるようなきのこメニューを摂り入れて、5月も元気に過ごしましょう!
(監修:ホクト管理栄養士 德田美咲)

日が長くなり、体も心も伸びやかに過ごせるときです。

世界が大きく変化している今は、高学年の子どもたちは、世の中の出来事に興味を持ち、多方面からの情報を得て自分の考えをもつ練習ができる時です。自分の考えを多くの人と交換し、多くの考え方に出会うとよいですね。出会った考えから影響を受けて、自分の考えが変化していく楽しさを味わうことにも繋がりますので、まずは、お家の中でそのような会話をしてみるのもおすすめです。

では、また6月にお会いしましょう。

profile

望月 保美

(ガイダンスカウンセラー、上級教育カウンセラー、特別支援教育士)
東京都の元小学校教諭。
現在はカウンセラーとして小学校を訪問し、授業の様子や児童の活動を観察して子どもの特性やその対応方法、指導法を先生方に伝える活動を行っている。
また、高等学校では友人同士の関わり活動を通して、友人や自分を理解する方法について演習等も実施。
教育カウンセラーを目指す方への学習サポートも行っている。

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