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子育てLabo

子どもとの関係や子育ての悩みを解消!『親のネットワーク』活用

2022.04.01
子どもとの関係や子育ての悩みを解消!『親のネットワーク』活用

令和4年度の始まりです。今年度の子育てLaboでは、保護者の方が子どもとの関係を築いたり、学校との関係を築いていく中で迷ったり悩んだりしやすいポイントを解説していきたいと思います。心新たに、本年度もよろしくお願いします。

1年間の始まりとなる4月は、子どもだけでなく保護者同士も新たな関係を結ぶ時です。そこで今月は、親のネットワークづくりについてお話したいと思います。

■今月のTOPICS

・親のネットワークとは?
・ネットワークで何をするの?
・ネットワークをつくるメリット~実際の例を元に~
・より良いネットワークの築き方
・4月の食事 ワンポイントアドバイス~エネルギーチャージを応援する時短ご飯~

親のネットワークとは?

子どもをよりよく育てたいと思うのは、保護者の方も学校の教職員も同じです。保育園、子ども園、幼稚園などに上がる前はいつでも子どもの様子を見ていられますが、外に出て活動することが多くなると、外ではどうしているのだろう、困っていないか、いじめられていないか、友達に意地悪していないか、等の心配を、誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。そこで、みんなでタッグを組んで育てられると理想的ですよね。

保育園、子ども園、幼稚園から小学校へ、小学校から中学校へと環境が変わると、子どもが接する人はどんどん増え、経験することも多くなります。一方で、保護者の方の対応は子どもが成長するに従って、手を十分にかけることから、目と心はかけるが、手はかけないように変化してきます。学校の様子は、子どもに直接聞くのも悪いことではありませんが、自立や心の成長のためにも、時には教職員や周りの保護者から情報を仕入れられると良いです。
また、学校関係や子育てに関する悩みを持つのは皆さん同じなので、保護者のネットワークを築くことで、悩みが相談できて心理的な不安が減ったり、お子さんとのより良い関係づくりに繋がったりもします。

ネットワークで何をするの?

情報の共有もですが、おすすめしたいことが「子どもの見守り」です。放課後の時間や休日など、時間に余裕がある時には、同じ学区内の子どもの様子にも注目してみましょう。そこで見たことを共有することで、保護者同士、自分の気づいていない子どもの一面を発見することに繋がります。

例えば、おとなしくていつも親の傍にいると思っていた子どもが、公園で遊んでいるときはリーダーシップをとってみんなを仲間に入れ遊んでいた、や、普段は元気で粗暴の面もある子だと思っていたのに、学校帰りに一年生が泣いていたら声をかけて一緒に帰っていた、等々、思いがけない良い面を教えてくれることがあります。一方で、子どもはグループになるといたずらをすることもあります。そういった情報も共有し、時間のある人同士で人を変えて見守ったり、度の過ぎたいたずらは注意したりもします。
ぜひ、同じ年代の子どものいる保護者として、一緒に成長していく気持ちをもっていただけると良いですね。そして、ここで築いた人間関係は、保護者の方にとってもずっと続いていきます。環境が変わり、近くで見守る関係でなくなっても、質を変えて、本音の語る場所として続いていくように思います。

ネットワークをつくるメリット~実際の例を元に~

子どもの進学やクラス替えなどがあると、新しい方と知り合う機会も増えますよね。そういう時には、それまでの関係を大切にしながら、さらに関係を広げてネットワークをつくっていけるといいですね。今ある関係は、宝物です。
しかし、当然人には、気の合う人・合わない人がいます。人によっては、人間関係は面倒に思われるかもしれません。
ですが、一人で収集できる情報は限られていますし、子どもからの情報も、子どもの興味関心や都合に大きく左右されるので伝わってくる事柄が限られます。一方で、同じ学年の子どもを持つ保護者の方は、個人差はありますが、同じことで不安になったり悩みを抱えたりする場合が多く見受けられます。ネットワークがあることで、広く、学校関係や子育てに有益な情報を手に入れられたり、不安を解消したりすることに繋がります。

先日こんな話がありました。
「コロナ禍になってから、久しぶりに開催された保護者会に出席しました。時差登校となり、自分の子どもと過ごす時間が長く、子どもの学校生活への心配ばかり膨らんでいました。子どもの苦手なことが目につき、この子の能力の限界なのだろうかとも考えました。しかし、保護者会で会ったクラスの保護者の方たちと話して、課題に戸惑っていたのは自分の子どもばかりでなかったことや、自分の子どもが学校で、算数の問題が解けないと言っている友だちに何度も根気良く教えていたことを聞き、安心しました。」

当たり前の話のようにも思われますが、コロナ禍もあり、保護者同士の情報共有の機会も減り、悩みを抱えやすくなっているようです。保護者の方が一人で抱え込まないよう、ネットワークをうまく活用できると良いですね。

自分の子どものことは、自分が一番わかっているように感じます。しかし、学校での様子は教員や、周りの子どもの方が良く知っていますよね。保護者の中には、子どもを伝って自分の知らない子どもの姿を知っている人もいます。独りの目では見きれないことを、多くの人の目で見ると考えると良いと思います。ただ、仕事などそれぞれの方に都合がありますので、無理に人に合わせる必要はありません。必要な時に活かせるネットワークと考えてもらえればと思います。

より良いネットワークの築き方

お伝えしてきたように、ネットワークがあることで、心理的な負担が軽減したり、お子さんをよりよく知るきっかけになったりします。ネットワークの基本は「情報共有」なので、ネットワークができ始めたら、ぜひ、自分の知っている情報、特に初めは、子どもから聞いた良いことを伝えあうといいですね。情報交換をし合ううちに、「子どもはこう言っていたけど、違ったのね。」というような発見も出てくると思います。
保護者の方の中には、関係を築くことが得意な方、苦手な方がいらっしゃると思います。そこで、ここでは関係づくりについてご紹介します。

関係を築くのには、4月の初めての保護者会がチャンスです。初回の保護者会は、担任との初顔合わせになり、1年間の学習や学校生活の予定を聞いたり、PTAの委員さんを決めたりする会でもあります。
もしその時に自己紹介の時間があったら、ぜひ、少しご自分のことを語ってみてください。その時に、「△△幼稚園(元2組)から来ました、〇〇の保護者です。」だけでなく、『これからの学校生活への希望や自分の思いなど』も話してみましょう。こうするだけで、周りの方々は、親近感をもってくれ、関わりづくりの元ができます。公式の場ではなくても、隣の席に座られた方に少しご自分のことを付け加えた自己紹介をするのもおすすめです。
自分を開くことは相手のガードを低くすることになり、相手も知りたいと思うことを質問しやすくなります。また、聞き合うことで相手への理解が深まり、良い循環が生まれます。小さなネットワークをつくり、徐々に学級全体に広げていくことで、より多くの情報が交換できるようになります。コロナ禍ではなかなか難しいですが、コロナが終息したら、関係を深められるよう、対面で楽しく話せる場をつくるのも良いですね。

4月の食事 ワンポイントアドバイス~エネルギーチャージを応援する時短ご飯~

年度初めとなり、忙しい日々をお過ごしの方も多いことと思いますが、1年間の良い流れをつくるためにも、4月はエネルギッシュに乗り切りたいですよね。
新しい環境になると、気づかないうちにストレスを溜め込んだり、体力の消耗が大きくなったりするため、エネルギーとなる糖質やタンパク質、脂質といった三大栄養素と、その代謝に欠かせないビタミンやミネラルを合わせて、効率よくエネルギー補給をすることが大切です。また、現代の日本人が不足しがちな食物繊維は、自律神経が集まる「腸」を整えるので、気持ちを落ち着かせたい時などに役立ちます。
きのこには三大栄養素の代謝に関わるビタミンB群、腸を整えることで身心の健康をサポートする食物繊維や、神経の伝達に関わるカリウムなどが豊富なので、この時期にもぴったり。また、きのこは火が通りやすいので、時短調理に向いているのもポイントです。
きのこを使った時短メニューで、心と身体のエネルギーチャージをしていきましょう♪
(監修:ホクト管理栄養士 德田美咲)

新しい年度の始まり、学年が変わりスタートの時期に作り始められるとよいネットワークづくりについてお話していきました。新しい生活は、慣れるまでは保護者も、もちろん子ども達も大変疲れます。おいしく栄養のあるものを食べて、十分睡眠をとってくださいね。
また来月お会いしましょう。

profile

望月 保美

(ガイダンスカウンセラー、上級教育カウンセラー、特別支援教育士)
東京都の元小学校教諭。
現在はカウンセラーとして小学校を訪問し、授業の様子や児童の活動を観察して子どもの特性やその対応方法、指導法を先生方に伝える活動を行っている。
また、高等学校では友人同士の関わり活動を通して、友人や自分を理解する方法について演習等も実施。
教育カウンセラーを目指す方への学習サポートも行っている。

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