人と菌の物語
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歴史が育んだ、きのこの効果と人体の秘密
第8回 腸を整え、病から守る。きのこは健康のパートナー

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食物繊維が豊富なきのこで生活習慣病を撃退!

私たちの最も身近にあって、脂肪分が低く、食物繊維が豊富な食べ物——。
そこでまず思い浮かぶのは、きのこですよね。

第6回で紹介したように、きのこには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が豊富に含まれています。

水溶性食物繊維には、水に溶けてトロトロになり、食べ物を胃から腸へゆっくり移動させる働きがあります。その過程で、一部の脂肪や糖の吸収を穏やかにすることで血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。

また、水に溶けない不溶性食物繊維は水分を吸収して膨らむことから、満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぎます。さらに便のかさを増やし、腸管を刺激することでぜん動運動が活性化。それによって排便が促進される働きが期待できます。

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そういった腸内環境を整える食物繊維が豊富なきのこの中でも、特に注目したいのが、脂肪分の吸収を抑制したり、体脂肪の低減効果があるとされるエリンギです。

体に取り込んだ中性脂肪は、小腸で「リパーゼ」という酵素によって体内に吸収されます。エリンギの抽出物は、そのリパーゼの働きを弱め、中性脂肪の体内への吸収を抑制することが分かっています。さらに、体に蓄えられる脂肪である体脂肪の低減が期待できるという研究結果も出ています。

さらにエリンギにはビタミンB、Dを含んでいるため、骨形成や免疫機能を維持するために取り入れていきたい食材です。

つまりエリンギをはじめとするきのこは、健康的に脂肪の吸収を抑制し、生活習慣病を予防する上で欠かせない食べ物の一つなのです。

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生活習慣病は、かつては成人病と呼ばれ、加齢とともに発症・進行すると考えられていましたが、現代では加齢だけではなく個人の生活習慣が大きく関与していることが明らかとなっており、子どもも含めて一生にわたって気をつけなければいけない病気と言われています。自分自身、そして家族がいつまでも健康で笑顔でいられるために、その中でも“毎日の食習慣”は最も気をつけるべきところです。美味しいだけでなく生活習慣病予防に大きな役割を果たしてくれるきのこは、私たちの身近な食材であるとともに心強いパートナーのような存在と言えるでしょう。

監修:川村郁子(かわむら いくこ)
福岡県出身。管理栄養士、Ikofood代表。中村学園大学栄養科学部栄養科学科卒業。病院の管理栄養士として臨床栄養に携わったのち、独立後は“食育子”として栄養専門学校講師やラジオパーソナリティ、コラム連載、お料理教室や食育セミナーなどを開催。幅広く活動している。
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