大流行中のインフルエンザ。年末に向けて今始めたい“免疫ケア”のコツとは
2025.12.01
12月に入り、いよいよ冬本番の寒さが到来。今年は例年になくインフルエンザが早期流行していますが、この時期は忘年会やクリスマス、大晦日など年末に向けて楽しいイベントが多くなる時期でもありますね。
寒さや忙しさが増すことで免疫力が下がりやすくなる年末を走り切り、今年一年をしっかりと締めくくるためにも、“免疫力”を意識した食生活を取り入れて、体調管理を続けていきましょう。
INDEX
- 冬の体調管理のカギ「免疫力」とは
- 腸は、免疫の約7割が集まる最大の免疫器官
- 免疫力向上を助ける「短鎖脂肪酸」とは?
- 免疫維持には「ビタミンD」・「ビタミンC」も効果的
- 冬を元気に乗り切る!“身体を温める”4つの習慣
冬の体調管理のカギ「免疫力」とは
体調管理において重要になるのが「免疫力」です。免疫力は、私たちの身体を病原体から守るための防衛機能です。
冬は、自律神経の乱れや寒さによるストレス、食生活の偏り、運動不足など、様々な要因によって身体への負担が大きくなりやすく、それに伴い免疫力が低下しやすくなります。特に年末は忙しさが増し、気づかないうちにストレスが溜まってしまうことも。また、寒さの影響で身体を動かす機会が減ったり、室内外の寒暖差が大きくなったりすることでも自律神経が乱れ、免疫細胞の働きが弱まりやすくなります。
免疫力を高めるためには、普段の食事と生活習慣を整えることが大切です。特に食事の面では、免疫細胞の働きを助ける栄養素を取り入れること、そして「腸内環境を整えること」が重要です。
腸は、免疫の約7割が集まる最大の免疫器官
腸には全身の免疫細胞の約7割が存在しています。その理由は、病原体やウイルスは口から侵入し、栄養素の入り口でもある「腸」から体内に侵入するため、腸には異物と戦う免疫機能が備わっているといわれています。
そのため、腸内環境を整えることで免疫細胞を活性化させることが、風邪やインフルエンザなどの感染症対策に効果的です。腸内環境が整っている状態とは、腸内に生息する細菌のバランスがよい状態のこと。腸内細菌には「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」の3種類があり、現代人の腸は善玉菌が不足しやすいと言われているため、善玉菌のエサとなる「食物繊維」を積極的に摂るように意識しましょう。
食物繊維が豊富な食材といえば、「きのこ」です。きのこには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランス良く含まれているため、効率よく腸を整えることができます。また、きのこには、食物繊維の一種であり腸内の免疫細胞に直接働きかけ、免疫機能向上をサポートしてくれる「βグルカン」も豊富に含まれています。
免疫力向上を助ける「短鎖脂肪酸」とは?
「短鎖脂肪酸」とは、善玉菌が食物繊維をエサにして生み出す物質で、免疫力向上をサポートする栄養素として近年注目を集めています。免疫維持の他にも代謝の改善や太りにくい身体づくりなど、全身の体調を整える効果があるため“ミラクル物質”とも呼ばれています。この短鎖脂肪酸は、きのこを定期的に食べることで増えることが分かっているため、毎日の食事にきのこをとり入れることが全身の健康維持にもつながるのです。
さらに、きのこには気持ちを落ち着かせる効果のあるGABAや、ストレスケアに役立つオルニチン、抗酸化作用のあるエルゴチオネインなど、様々な栄養素も豊富。そのため、免疫力低下の原因でもあるストレスや自律神経のケアにも役立ち、冬の体調管理を支えてくれます。
免疫維持には「ビタミンD」・「ビタミンC」も効果的
食物繊維で腸を整えることに加えて、免疫維持に役立つ以下の栄養素も積極的に摂ると、更に効果が高まります。
ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けて骨の健康を保つ栄養素ですが、最近では、免疫力を助ける効果も注目されています。日光を浴びることで体内で生成されるビタミンDですが、冬は日照時間が短くなるため、不足傾向にあると言われています。さらにビタミンDは限られた食材にしか含まれませんが、きのこには豊富に含まれるため、日常的に食事から取り入れるといいでしょう。
ビタミンC
ビタミンCは、ウイルスから身体を守るために必要な粘膜の健康を助けたり、白血球の機能をサポートしたりする働きがあるため、免疫維持を助けてくれる栄養素です。しかし、ビタミンCは水溶性のため、熱に弱く、茹でるとお湯に溶け出てしまうことから、調理する際は電子レンジや蒸し器などを使うのがおすすめです。ビタミンCは野菜や果物に含まれています。
冬を元気に乗り切る!“身体を温める”4つの習慣
食事による“内側”からの免疫維持と合わせて行いたいのが、生活習慣による“外側”からのケア。中でも効果的なのが、「身体を温めること」です。人の身体は、体温が下がると免疫力も低下するといわれています。体温が下がると血流が滞り、血中で免疫機能を担う白血球の働きも弱まるため、日頃から身体を冷やさない工夫が大切です。
そこで身体を温めるために、以下の4つのポイントを意識してみましょう。
1.入浴では41℃以下のぬるめのお湯にゆっくりと浸かる
2.温かい食事や飲み物を摂取する
3.「首・手首・足首」を冷やさない
4.ウォーキングやランニング、ヨガやピラティスなど、全身を使う運動で血流を促す
食事に加えてこれらの習慣を日常に少しずつ取り入れて、冬場の免疫力低下を防いでいきましょう。
免疫力を保つためには、バランスの良い食事と規則正しい生活習慣が大切です。中でも免疫維持に役立つ「きのこ」を毎日の食事にとり入れたり、「身体を温める」ことを習慣化したりすることが大切です。
年末に向けて徐々に忙しくなる時期ですが、無理なく取り組めるセルフケアを丁寧に行って、12月も元気に楽しんでいきましょう!
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