『秋バテ』予防のカギは“腸”を整えること!酷暑のダメージから身体を守るきのこのチカラ
2025.09.15
9月も後半に入り、朝晩は少しずつ涼しさを感じられるようになってきました。一方、暑さのピークが過ぎたのにも関わらず、身体のだるさや食欲の低下、体調不良など不調を感じている方も多いのではないでしょうか。
それは『秋バテ』かもしれません。秋バテの原因の一つに、夏の間冷たいものを頻繁にとったり、食欲低下による栄養不足による「腸」の疲弊があります。腸は身体の免疫細胞の約7割が集まる最大の免疫器官のため、腸の不調は全身の不調につながります。
そのため、季節の変わり目の今こそ「腸のケア」を行い、秋本番に備えて免疫力を高め、体調を整えていきましょう。
INDEX
初秋に多い「秋バテ」を防ぐ「まごわやさしい」食事の工夫とは?
「秋バテ」を予防するには、免疫細胞の集まる『腸』の環境を整えることによる免疫ケアが欠かせません。日々の生活に密接に関わる腸は、“健康の要”とも呼ばれる重要な臓器です。その腸内環境が乱れると栄養の吸収率が落ちるだけでなく、免疫細胞の働きも低下し、体調を崩しやすくなります。
腸ケアの基本はやはり食事です。腸に良いとされる食材を摂り入れ、バランスの良い食事を心がけることが大切です。健康に良いとされる食材の頭文字をとった「まごわやさしい」という言葉を耳にしたことがある方も多いかもしれません。これらは全身の健康はもちろん腸にも良い食材となりますので、はじめに、「まごわやさしい」が意味する食材をご紹介します。
【ま:豆類】
大豆をはじめ、納豆や豆腐、油揚げといった大豆製品が代表的です。身体の組織や細胞をつくるタンパク質のほかに食物繊維も豊富に含まれています。
【ご:ごま(ナッツ類も含む)】
ごまやナッツには良質な脂質や、骨づくりに欠かせないカルシウム、食物繊維などが豊富に含まれています。
【わ:わかめ(海藻類全般)】
わかめをはじめ、ひじきやもずく、昆布などの海藻類全般が含まれます。海藻類には食物繊維の中でも水溶性食物繊維が豊富です。
【や:野菜】
レタスやキャベツなどの葉物野菜から、ごぼうやれんこんなどの根菜類も含まれます。野菜にはビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれています。
【さ:魚(特に青魚)】
魚には、良質なタンパク質が豊富に含まれています。特にイワシやサバなどの青魚には、タンパク質に加えDHA・EPAといった良質な脂質も含まれています。
【し:しいたけ(きのこ類全般)】
しいたけをはじめ、きのこ類全般が含まれます。きのこ類には、不溶性・水溶性食物繊維の両方がバランスよく含まれており、さらに免疫細胞に働きかけるβグルカンも豊富です。
【い:いも類】
さつまいもやじゃがいも、里芋などをはじめとするいも類は、消化されにくく腸を整える働きのあるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)や、食物繊維が豊富に含まれています。

上記の食材には、ほぼすべてに共通して「食物繊維」が含まれています。食物繊維には腸の善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維と、便のカサを増やし老廃物の排出を助ける不溶性食物繊維があり、それらをバランスよく摂ることが腸ケアには有効です。
特にきのこは、この2つの食物繊維がバランスよく豊富に含まれています。そのため、腸内の善玉菌のエサとなったり、腸の老廃物の排出を促したりすることで、体調管理をサポートします。さらに、腸には様々な種類の腸内細菌が生息しており、それぞれエサにする食物繊維が異なりますが、きのこは菌類であるため食物繊維の種類も多く、より効率よく腸を整えてくれます。また、きのこを定期的に食べることで増える短鎖脂肪酸は、食物繊維をエサとして代謝の改善や免疫維持を助ける働きがあると言われているため、全身の体調管理にも役立ちます。
きのこをはじめとしたこれらの「まごわやさしい」食材をバランスよく取り入れて、腸ケアをして元気な身体をつくっていきましょう。

運動が腸によい理由とは?食事と共に行いたい運動のススメ
食事以外に、もう一つ大切な「秋バテ」予防策があります。腸の働きは自律神経と密接に関わっているため、ストレスや不規則な生活は自律神経の乱れにつながり、腸の働きを鈍らせてしまいます。
これを防ぐには、日頃から適度な運動を取り入れることがおすすめです。
運動をすることで代謝が高まり、血流が良くなることで老廃物が促され、腸の動きが整うと共に、睡眠の質の向上もサポートします。そうすることで、自律神経のバランスが整い、疲労回復にも効果的。さらに、運動により発生する脳内物質は多幸感を高め、集中力やモチベーションを維持することにもつながると言われています。
習慣的な運動は自分の身体と向き合う機会となり、腸を整えることに加えて、疲れた心と身体を労わる意識を高めることにもつながります。

始めの一歩としては、例えば、ウォーキングなどの軽く汗をかく程度の有酸素運動や軽いストレッチなど、無理のない範囲で身体を動かすといいでしょう。無理なく続けられる運動から始めて、習慣的に身体を動かすことができるようになれば、自然と腸の働きが活発化し、自律神経が整ってストレス解消、疲労回復を促進することができます。
食生活や生活習慣の見直しなど、普段からこうした腸ケアを意識した習慣が根付けば、秋バテ予防をはじめとする全身の健康管理も継続的に行うことができます。食事では「まごわやさしい」食材を意識的に摂りながら、日常的に適度な運動を取り入れる工夫をして、季節の変わり目も内側から健康な身体を作っていきましょう。
今月のおすすめ菌活レシピ
-
きのことさつまいもの中華風おこわ
腸ケア
きのこの食物繊維は“健康の要”の腸を整えて、季節の変わり目の体調管理に役立ちます。 -
きのこと秋鮭の包み蒸し
健やかな肌と髪
きのこのビタミンB2は「美容ビタミン」とも呼ばれ、皮膚や頭皮の健康を保ちます。 -
きのこのスタミナ味噌汁
運動サポート
きのこや豚肉に豊富なビタミンB群は、エネルギーの素となる三大栄養素の代謝を促します。 -
霜降りひらたけの根菜汁
腸ケア
きのこには腸の老廃物の排出を促したり、善玉菌のエサとなったりする食物繊維が豊富です。 -
霜降りひらたけとさつまいもの甘酢炒め
肌ケア
きのこのエルゴチオネインは抗酸化作用を持ち、シミやシワの原因となる活性酸素を抑えます。 -
生どんこの肉詰め
睡眠ケア
きのこに豊富なオルニチンは、ストレスホルモンを抑制して睡眠ケアをサポートします。
profile