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菌活コラム

免疫力が最も低下するのは「夏」!?夏の免疫維持は菌活で叶える!

2025.07.01
免疫力が最も低下するのは「夏」!?夏の免疫維持は菌活で叶える!

西日本では統計を始めてから最も早い梅雨明けとなり、早くも厳しい暑さが続いていますね。レジャーやイベントなど夏の楽しい計画を立てている方も多いのではないでしょうか。
一方、一年のうちで最も免疫力が低下する季節が「夏」ということをご存知ですか?実は夏を楽しむためには「免疫力」の維持を心がけることが不可欠なのです。そこで今回は、夏を元気に過ごすために知っておきたい「免疫維持」の工夫や食事術をご紹介します。

INDEX

夏は「発散」「消費」の季節。低下しやすい免疫力を維持するには?

皆さんは、なぜ夏になると免疫力が低下すると思いますか?
四季のある地域に生きる動物や私たち人間は、秋に免疫力が最も高くなり、冬、春と過ごし、夏に免疫力が最も低くなります。秋は冬の寒さに備えるため、栄養を体内に貯め込みます。そのため身体にたくさんの栄養が満ち、免疫細胞の働きを維持・活性化させることができるため、最も免疫力が高くなるといわれています。
一方、春から夏にかけては、それまで体内に貯めていたエネルギーを外へ発散させる時期。エネルギーも免疫力も、身体の中に蓄えられていたものは消費されていく一方となり、体内機能も低下しやすい状態に。

さらに、年々気温が上昇している現代の日本では、屋内外の気温差によって体温を調節する自律神経のバランスが崩れ、免疫力の低下につながります。免疫力は睡眠中に回復しますが、寝苦しい夏の夜は睡眠不足になりやすいため、免疫力は回復し切らずに下がる一方です。加えて、暑さによる食欲不振も栄養不足を招き、免疫力の低下に拍車をかけてしまいます。

夏の免疫維持のカギを握るのは「腸の健康」

ではこの時期、免疫力を効率よく高めるにはどうすればいいのでしょうか。
それは自律神経とも深く関わり、免疫細胞の約70%が存在する「腸」を活発にすることです。腸内環境を整えるのに食物繊維が効果的なことは有名ですが、その食物繊維が腸内細菌に代謝されて生み出される「短鎖脂肪酸」も腸の健康に役立つと近年注目を集めています。
短鎖脂肪酸は腸の蠕動運動のエネルギーとなり、免疫システムを調整し、アレルギー反応の軽減にも関与します。「きのこ」は食物繊維が豊富なことでも有名ですが、実はきのこを定期的に食べることで、腸の短鎖脂肪酸が増加したという臨床データもあるため、夏の免疫維持にはぜひきのこを取り入れてみましょう。

きのこに豊富な抗酸化成分も免疫維持に効果的!

夏の間、免疫力を維持するためのもう一つのポイントは「活性酸素の除去」です。活性酸素は、夏の強い日差しを浴びることで発生し、間接的に免疫システムの機能低下を引き起こします。体内に発生した活性酸素を除去し、免疫力の低下を防ぐには抗酸化作用のある栄養素を摂ることも効果的です。抗酸化作用を持つ栄養素の代表格は、ピーマンなどに含まれるβカロテン、トマトのリコピン、ナスのアントシアニンなどがありますが、きのこには菌類特有の強い抗酸化作用のある「エルゴチオネイン」が豊富に含まれています。

それ以外にもきのこに含まれるβグルカンは免疫細胞自体を強化することが知られていて、シイタケやヤマブシタケのβグルカンは抗がん剤としても実用化されています。
きのこは菌類だからこそ食物繊維やエルゴチオネイン、βグルカンといった免疫維持に役立つ栄養素も豊富。夏の時期は、毎日暑くて料理をすることが億劫になったり、食欲も落ちやすくなったりしますが、きのこは電子レンジで加熱ができ、うま味と食感があり、取り入れやすい食材でもあるので、例えば夏野菜と一緒にサラダや浅漬けにしたり、きのこをマリネにするなど常備菜としていただくのもおすすめです。

四季の中でも免疫力が低下する夏は、食事の内容に意識を向けて免疫力を維持することが健康管理に役立ちます。免疫維持に役立つきのこや夏野菜を毎日の食事に積極的に取り入れ、健康的な身体を作り夏本番もアクティブに楽しんでいきましょう。

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profile

池田 正典
医療法人雨宮病院 副院長 / 群馬大学医学部 卒業

石井 華帆
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士