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菌活コラム

「快眠」はキレイのカギ!夜のぐっすりを叶えるきのこのチカラ

2025.06.09
「快眠」はキレイのカギ!夜のぐっすりを叶えるきのこのチカラ

本格的な夏の到来を前に、ダイエットや美容ケアへの意識が高まる時期。一方、どんよりとした天気に気持ちが沈んだり、睡眠の質の低下やむくみを感じやすくなったりする季節でもあります。そんな時は食事でケアをして、心も身体も前向きな自分でいられるよう、生活習慣を整えていきましょう。

INDEX

内側から“キレイ”を作るには睡眠の質が重要!

梅雨特有のジメジメとした暑さに寝苦しさを感じやすい時期ですが、良質な睡眠は美容ケアにとって欠かせない要素です。
睡眠と美容が深く関わる理由の一つとして、睡眠中には肌ケアやダイエットに役立つ「成長ホルモン」が分泌されることが挙げられます。成長ホルモンとは、肌のターンオーバーを促したり脂肪細胞を分解したりする働きを持つ美容ケアに欠かせないホルモン。就寝してから約3時間までのノンレム睡眠(深い睡眠)の時に多く分泌されるため、就寝後最初の数時間の間に深い眠りを確保することが大切です。さらに、成長ホルモンの分泌量は、ピークである成長期と比べると30代で約50%、60代で約30%と、年齢とともに減少すると言われているため、内側からの“キレイ”作りを叶えるには睡眠の質を高めて成長ホルモンの分泌を促すことが重要になってきます。

また、睡眠の質を高めるためには『睡眠ホルモン』とも呼ばれ、睡眠のリズムを調整する働きがある「メラトニン」が深く関係しています。メラトニンは眠気を催すとともに成長ホルモンの分泌を促す働きもあるため、体内のメラトニン量が増えることで睡眠の質が高まり、健やかな肌づくりやダイエットにも繋がります。

美容の敵!むくみの原因の一つ「湿邪」にご注意!

6月中旬は不安定な気候が続く梅雨の真っ最中。【前回のコラム】でもご紹介しましたが、この時期に陥りやすい身体の状態を東洋医学では「湿邪」と呼び、体内に余分な水分が溜まりやすい時期と考えられています。

体内に溜まった「湿邪」が「冷え」を引き起こし、代謝が悪くなることでむくみが起こりやすくなります。また、寒暖差や気圧差から体内調整を担う自律神経が乱れやすいことも、むくみを引き起こす原因の一つです。むくみを解消するためには、食事や生活習慣から身体を温めたり、利尿作用のある食材を食べたり、自律神経を整えることを意識したりすることが大切です。

睡眠の質を高める栄養素と食事のコツとは?

睡眠の質向上やむくみ予防を叶えるためには、身体の内側からケアすることが大切です。

睡眠の質を高めるためには、ストレスのケア、そして自律神経を整えることが重要です。きのこにはストレスケアや自律神経を整えるのに役立つ栄養素が豊富に含まれており、特にオルニチン・GABAは、ストレスや疲労の緩和を助けて睡眠ケアをサポートしてくれます。また、GABAは自律神経に働きかける作用があり、リラックス効果も期待できます。

さらに、きのこに含まれるエルゴチオネインは、強い抗酸化作用を持ち、肌の老化や疲労、肥満・糖尿病など生活習慣病の要因となり得る活性酸素が体内で過剰発生するのを抑え、傷ついた細胞を修復する働きが期待できます。そのため、睡眠の質を改善し、美肌効果もアップする健康長寿効果が期待できる栄養素なのです。

また、食事では「朝食」にタンパク質と、その代謝を行うビタミンB6をしっかり摂ることを心がけることもポイントです。睡眠ホルモンの「メラトニン」はタンパク質から合成されますが、タンパク質がメラトニンに変化するまでにおよそ15時間かかると言われているため、「朝食」でしっかりタンパク質を摂ることで睡眠の質向上に繋がります。ビタミンB6は肉類や卵、穀類、きのこ類などに含まれているので、タンパク質の豊富な目玉焼きや納豆と組み合わせて朝食の献立を考えるのもおすすめです。

きのこに豊富なカリウムがむくみ対策に役立つ!

きのこにはむくみを予防する「カリウム」も豊富に含まれています。カリウムは、体内の余分な水分を排出したり、筋肉の正常な働きに関わったりする栄養素。利尿作用を促してむくみの原因となる余分な塩分・水分を排出する働きがあるため、むくみケアには欠かせない栄養素なのです。
また、むくみを予防するためには日々の塩分を抑えることも大切。そのためにはきのこなどの「うま味成分」の豊富な食材を使うことが有効です。きのこには「グアニル酸」と「グルタミン酸」といううま味成分が豊富に含まれており、うま味成分を活用することで料理の味を濃く感じるようになるため、塩分を抑えた食生活を無理なく続けることができます。

梅雨時期の美容ケアは、睡眠の質を高めることが何よりの近道です。日々の食事に「きのこ」を取り入れることは、「良い睡眠」に加えてむくみのケアにも効果的。どんよりとした天気も多い季節ですが、身体の中はめぐり良く、キレイな状態をキープして、本格的な夏の到来に備えていきましょう!

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profile

池田 正典
医療法人雨宮病院 副院長 / 群馬大学医学部 卒業

石井 華帆
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士