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菌活コラム

6月の“どんより感” は「朝の菌活」で元気に乗り切る!

2025.06.01
6月の“どんより感” は「朝の菌活」で元気に乗り切る!

6月は雨のしっとりとした情景や紫陽花が咲き誇り、日本ならではの美しさを感じる季節。一方、雨の日が増えて肌寒い日が続いたり、かと思えば夏のような暑い日があったりと天候が不安定になり、心身ともに疲れを感じやすくもなります。この時期、頭痛や倦怠感などの不調を感じている女性はなんと6割にものぼると言われています。
そこで今回は、梅雨の季節も健康に過ごせるよう、だるさを感じてしまう原因と対策方法をご紹介します。

INDEX

だるさの原因①不安定な天候

梅雨にだるさを感じる一番の要因は、不安定な気候にあります。
梅雨時期は、低気圧の日が多くなり、低気圧になると身体は副交感神経が優位に働くようになります。副交感神経とは、緊張をほぐして身体を休ませる神経で、身体がお休みモードになって「だるい」「やる気が出ない」と感じやすくなるのです。
また、低気圧が続くと「ヒスタミン」という炎症物質(発痛物質)が分泌され、肩こり、偏頭痛などが悪化しやすくなります。そして、不安定な天候に加えて寒暖差も悪影響を及ぼします。6月は雨で冷え込む日もあれば、真夏のように暑い日もあり、そうした不安定な天候や寒暖差が身体にストレスやダメージを与えて疲労を蓄積させるのです。

だるさの原因②湿度の上昇

また、雨で湿度が高くなるのも身体に不調を与える要因の一つ。東洋医学では、体内の余分な水分が引き金となって消化器系に影響を及ぼし、だるさや食欲不振、消化不良、下痢や便秘を引き起こすと考えられており、これらの体調不良のことを「湿邪(水の邪気)」と言うそうです。体内に溜まった「湿邪」が「冷え」を引き起こし、血液の循環が滞って代謝が悪くなったり、むくみを引き起こしたりするとされています。

その他にも、偏頭痛、めまい、耳鳴り、自律神経のバランスが崩れやすくなるため、イライラしたり、ストレスを感じたりしやすくなります。

朝食に「タンパク質」「ビタミンB群」を取り入れて不調を解消!

6月に身体の不調となって表れやすいだるさや偏頭痛、自律神経の乱れ。これらを予防するためには、起きている時には交感神経が、休んでいる時には副交感神経が優位に働くよう生活リズムを整えることが大切です。そのためのポイントとなるのが以下の5つです。

① 朝食をとってリズムを作る&内臓を活動させる。
② 朝起きて日光を浴びて体内時計をリセットさせる。
③ ウォーキングやジョギング、ストレッチなど軽めの運動を習慣化する。
④ 夜はお風呂でリラックス。
⑤ 十分な睡眠時間を確保する。

中でも重要な「①朝食をとる」ですが、特に朝食では、タンパク質と、その代謝を助けるビタミンB6を摂ることが大切です。
日本人の高齢者、特に中年以降の女性はタンパク質が不足傾向にあると言われており、1日を通して十分な量のタンパク質を摂るためには、朝食から積極的にタンパク質を摂ることが推奨されています。加齢とともに筋肉からタンパク質が溶けて、サルコペニア(加齢によって筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下した状態)やフレイル(心身の虚弱状態)になりやすくなるため、タンパク質は非常に大切なのです。

また、朝食時に摂るタンパク質が夜にも効果を発揮するとも言われています。それは、タンパク質に含まれるアミノ酸の一種であるトリプトファンが日中にセロトニンになり、睡眠時にメラトニンに変化して、良質な睡眠につながると考えられているからです。

以上のことから、朝食はタンパク質を主役に、そのタンパク質の代謝を促すビタミンB6の豊富な穀物や芋、きのこ類を合わせて摂ることを意識しましょう。中でも「きのこ」はビタミンB6の他にも糖質の代謝を促してエネルギーを作り出すビタミンB1や、肝臓の働きを助けて疲労物質の分解を促すオルニチンが豊富に含まれているため、しっかりと摂ることで疲労回復やだるさの軽減にも役立ちます。

また、ビタミンB1はエネルギーと共に熱も産生するため、「湿邪」が引き起こす冷えの対策にも効果的。さらに、きのこは体内の余分な水分の排出してくれる「カリウム」も豊富なため、体内の水はけを良くして湿邪対策をするのにも最適な食材と言えるでしょう。寒暖差による身体の冷えの解消に、長ネギや生姜を加えても良いかもしれません。

雨が続き憂鬱な気持ちになりやすいこの時期は、生活リズムを整えたり食事で身体の内側からケアしたりすることが大切です。梅雨時期を元気に乗り越え、これから来る暑い夏に備えましょう!

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profile

池田 正典
医療法人雨宮病院 副院長 / 群馬大学医学部 卒業

石井 華帆
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士