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菌活コラム

皮膚がんに免疫力低下も。菌活で叶える初夏の紫外線対策

2025.05.19
皮膚がんに免疫力低下も。菌活で叶える初夏の紫外線対策

初夏の気候となり過ごしやすい一方、紫外線が本格的に強くなり、肌への影響が気になる時期。紫外線は年々強くなっており、肌が老化する原因の約8割は「日光」にあると言われています。
また、紫外線を浴びることは美容の敵となるだけでなく、皮膚がんや免疫力低下など、様々な健康トラブルにも繋がってしまいます。初夏の紫外線量は夏に匹敵するほどの強さがあり、注意が必要。そこで今回は、この時期覚えておきたい紫外線の身体への影響や、今すぐに始められる紫外線対策についてご紹介します。

INDEX

紫外線が与える影響 その① 肌の老化と皮膚トラブル

紫外線を浴びることで身体が受ける影響は、大きくわけて3つあります。
まず1つは、皮膚への影響です。皮膚が紫外線を浴びると、メラノサイトと呼ばれる色素細胞からメラニンが生成されます。

メラニンは、紫外線や可視光線、赤外線を吸収してDNAへのダメージを軽減する作用のある成分。通常メラニンは肌の新陳代謝により消えてなくなりますが、肌ダメージにより新陳代謝が悪くなると、大量に増えたメラニンが皮膚に留まり、シミやくすみを引き起こします。

また、紫外線を浴びることで皮膚の炎症である「日焼け」が起きたり、皮膚の免疫力が低下することで単純ヘルペスなどの皮膚疾患を発症したりするケースもあります。

紫外線が与える影響 その② 病気のリスク増加

2つ目は、疾病リスクが高まることです。紫外線によって皮膚の免疫力が低下することで、皮膚がんや日光アレルギー、白内障、良性腫瘍などが起こりやすくなります。さらに、全身の皮膚・血管・筋肉・関節などに炎症を起こす膠原病の症状が悪化する可能性もあります。

紫外線が与える影響 その③ 免疫力の低下

3つ目は全身の免疫力が低下して雑菌やウイルスへの抵抗力が落ち、感染症や疾患に罹患しやすくなることです。紫外線を浴びると、DNAに損傷を与える「活性酸素」が大量に生成されます。身体はDNAの損傷を防ぐためにメラニンを生成して対抗しますが、紫外線を多く浴びていると活性酸素によるダメージを抑えきれず、DNAが傷ついて免疫機能がうまく働かなくなってしまいます。

紫外線ダメージケアの鍵は「ビタミンB2」と「エルゴチオネイン」

上記のような紫外線による様々なリスクを回避するためには、早めの対策が大切です。そこで、まず意識したいのが、「食事」による内側からのケアです。
身体の内側からできるケアで一番重要なのは、バランスの良い食事をとること。具体的には、三大栄養素である糖質・タンパク質・脂質と、三大栄養素を体内で働かせるビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることです。

加えて、きのこやうなぎ、レバー、青魚、アーモンドなどに含まれるビタミンB2も意識したい栄養素です。ビタミンB2は別名「美容ビタミン」とも呼ばれ、皮膚の健康を保ち、肌の新陳代謝のサポートをする働きを持ちます。また、きのこにはアミノ酸の一種で、強い抗酸化作用のあるエルゴチオネインも豊富。「抗酸化成分」とは、活性酸素を除去する成分で、活性酸素がDNAに損傷を与えるのを防ぎ、皮膚がんや免疫力低下を防ぐ効果が期待できます。

臨床試験では、エルゴチオネインの豊富なきのこを継続して食べることで、肌のうるおいが維持・改善したというデータもあります。エルゴチオネインは、うるおい維持や肌のたるみ改善などの美肌ケアに良いとされている今注目の成分。肌老化の原因は酸化とも言われますので、エルゴチオネインの抗酸化作用によって、活性酸素によるDNAの損傷や過酸化脂質の生成を防ぐ効果が期待でき、肌のハリを維持することにもつながります。

保湿で肌をいたわる!洗髪や洗顔も「ぬるま湯」で優しく洗おう

最後に、食事で身体の内側から整えることに加えて、身体の外側からのケアとして意識したいのが「保湿」を心がけることと「日焼け止めを塗ること」です。紫外線を浴びた肌は保湿力が低下していますので、クリームなどで外側から膜を作ってあげることも大切です。
また、髪を洗う際も、ぬるま湯で髪と頭皮をしっかり濡らし、シャンプーを手で泡立ててから指の腹を使って優しくマッサージし、しっかりとすすぐことが大切です。洗顔や身体を洗う時もゴシゴシ洗うと皮膚を痛めてしまうので気をつけましょう。

健康被害にもつながる現代の「紫外線」。まずは日々栄養バランスに配慮しつつ美容効果のある栄養を豊富に含む「きのこ」を食事にとりいれたり、保湿や日焼け止め、肌に負担のない洗顔や洗髪を心がけながら、初夏の紫外線に負けない健康な肌を維持していきましょう。

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profile

池田 正典
医療法人雨宮病院 副院長 / 群馬大学医学部 卒業

石井 華帆
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士