菌活コラム

大切な時を、大切にする食卓~節目の時期を健康に過ごす菌活術~

2022.03.01
大切な時を、大切にする食卓~節目の時期を健康に過ごす菌活術~

暖かい日がずいぶんと増えて、春の到来にホッと気持ちが和む3月。そんな3月は、季節と呼応するように心温まる行事が多い季節でもあります。今月は、知っておくと3月がもっと楽しくなる食にまつわるトピックスをお届けします。

3月の行事といえば「ひな祭り」。現在は、雛人形を飾り、雛あられや甘酒を供えたり、ちらし寿司やハマグリのお吸い物を食べたりするのが一般的ですが、その起源は意外にも「厄祓い」から来ているのだそう。旧暦3月3日は中国から伝わる五節句の一つ「上巳(じょうし)の節句」にあたり、平安時代には無病息災を願って自分の代わりに災厄を受けてくれる人形(ひとがた)を川へ流して邪気払いをするという行事が行われていました。この風習は、現在でも鳥取県や奈良県などで行われている「流し雛」のルーツであると言われています。もともと“川へ流す”ものであった人形を“飾って鑑賞する”ようになったのは江戸時代以降のこと。町人文化が花開いた江戸時代には人形の製作技術も発展し、それによって雛人形は立派に、そして豪華に進化。ひな祭り自体も女の子の健やかな成長を願う行事へと変化していったのだそうです。

菌活コラム3月

また、ひな祭りに食べる行事食にもそれぞれ意味があります。緑、白、桃色と三色重なった菱餅は、「雪の下から新芽が芽吹いて桃の花を咲かせる姿」を表すとされ、緑は健康、白は清純、桃色は魔よけというように色にもそれぞれ意味がある食べ物。雛あられは、菱餅を外出先でも食べられるようにと菱餅を砕いて作ったもので、菱餅と同じく厄除けや女の子の成長を願って食べられるようになったそうです。

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またハマグリは、対の貝殻でなければぴったり合わないことから仲のいい夫婦の象徴とされ、「良縁に恵まれるように」との願いが込められる縁起物。ただ、ハマグリは結婚式などにも登場するなど、お祝いの席にも欠かせない行事食。同様に、ちらし寿司もひな祭り限定の行事食というよりは海老(長寿)や錦糸卵(お金に困らない)、レンコン(先が見通せる)など、縁起のいい食材がたくさん入っているため、女の子の幸せを願う意味合いからひな祭りに食べる定番になったようです。最近では、形式にとらわれず行事を楽しむ人も増えているかもしれませんが、今年は行事食それぞれの意味をご家族でシェアしてみるのもおすすめです。食材に込められた願いや由来を話すことで、いつもと違った会話も楽しめそうですよね。

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3月の行事といえばもう一つ、春のお彼岸があります。八月のお盆は、ご先祖様の霊をあの世からこの世界へ迎え入れるために行う行事ですが、お彼岸はあの世(彼岸)とこの世(此岸)が最も近づき、ご先祖様へ思いが通じやすくなる時期とされています。春分の日を挟んで前後3日間をお彼岸と言い、お墓詣りをしてご先祖様を供養したり、ぼた餅をお供えたりするのが一般的。
ぼた餅は、もち米やうるち米で作ったお餅をあんこで包んだお菓子で、五穀豊穣(お餅)や邪気払い(小豆の赤色)の意味が込められています。お餅と小豆という二つの食材を合わせるため、「ご先祖様と気持ちを合わせる」という意味も込められているのだとか。秋のお彼岸にはおはぎを食べますが、実はぼた餅とは名前が異なるだけで同じ食べ物。名前が違うのは、春のお彼岸の頃に牡丹の花が、秋のお彼岸の頃には萩の花がそれぞれ咲くことが由来となっています。

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また、このお彼岸という行事は日本独自のもので、他の仏教国でもお彼岸に合わせてお墓参りをしたり、行事を行うことはないのだとか。それゆえ、お彼岸は日本人ならではの真心のこもった行事と言えるのかもしれません。祝日でもある春分の日は、彼岸と此岸が近づく日として過ごすのはなかなか難しいかもしれませんが、ぼた餅を食べてみるなど、少しでも日本らしい食文化や伝統に触れる機会を作ってみてはいかがでしょうか。

さらに、春は卒業や進級を祝う節目の時期でもあります。家族や親戚で食卓を囲むこともあるでしょう。ひな祭りやお彼岸に行事食が欠かせないように、“食事”には願いや思いを伝えたり、お互いの絆を確認したりする役目もあるように思います。春への期待が膨らむ3月は、ぜひ食を通して人を思ったり、大切にする時間を作ってみてください。縁起のいい食材を使った料理などで食卓を盛り上げるのもいいアイデア。お祝いやサプライズを楽しんで、心温まる3月をお過ごしください。また、季節の変わり目で体調も崩しやすいため、食事でしっかり体調管理をして、新しい季節に向けた健康づくりも意識していきましょう!

菌活ポイント

暖かい日も増えてきて、徐々に活動的になる時期。冬眠状態の身体のモードを切り替えるためにも、「第二の脳」や「健康の要」とも呼ばれる「腸」のスイッチを入れたいところです。食物繊維豊富なきのこで腸内環境を整え、溜まった老廃物をデトックスして春に向けて身体をリセットしましょう。また腸には免疫細胞の約7割が集まっているため、腸を整えることは免疫維持にも重要。この時期気になる花粉症症状はアレルギーの過剰反応が原因のため、腸を整えることは花粉による目や鼻のかゆみが気になる方にもオススメです。
また、三大栄養素の代謝に欠かせないビタミンB群を豊富に含むきのこは、身体にエネルギーを補給し、体内機能をアクティブにチェンジするのにも欠かせない食材。しっかり食べて内側から活力が湧く身体作りを実践しましょう。「きのこで菌活」を通して、春を健康的に楽しむためのポジティブな心身を作っていきましょう。

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