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悩みが増える夏休みシーズン。子どもとの関係を見つめ、今を楽しむ

2022.08.01
悩みが増える夏休みシーズン。子どもとの関係を見つめ、今を楽しむ

暑い日が続いていますが、皆様お元気でしょうか。子どもは夏休み。子どもが家にいると、「朝昼晩の食事は何を食べさせようか?」「今日は、どんな遊びを一緒にしようか?」「お出かけも考えなくてならないかな?」「宿題を計画的にさせないと・・」など悩みも多いことと思います。また、子どもと過ごす時間が増えると、口のきき方や態度など、普段気にならないことが目に付くこともあります。ゆっくりお子さんと一緒に共に過ごしたいと思いますが、長期の休業中も時間は、あるようでないもの。子育てに疲れやすいこの時期を、子どもとの関係を見つめなおすことで楽しい時間にしていただければと思い、今月は「子どもとの関係を楽しむ」という話題でお話していきたいと思います。

■今月のTOPICS

・成長段階ごとの会話の特徴を知って、子どもとの関係を楽しもう
 ─ ストレートに自分の思いを言う時期(小学校低学年~中学年頃)
 ─ 反対の表現で自分の欲求を伝える時期(小学校高学年~中学生前半頃)
 ─ 会話を通して自分を見つけていく時期(中学生後半~高校生以降)
・子育てに追われず「今を楽しむ」。考え方や、子どもの過ごし方を工夫してみよう
 ─ 同じことをするならプラスに考える
 ─ 子どもは、一人の人と考える
・8月の食事 ワンポイントアドバイス~子どもと作る食事で、夏のエネルギーチャージ~

子どものサインをキャッチ!成長段階ごとの会話の特徴を知って、子どもとの関係を楽しもう

よく親は、子どもと共に育っていくと言います。初めて自分の子どもを抱いた時、どんなことを思ったでしょうか。壊れてしまいそうで怖く感じた方も、可愛いと思いそっと抱いた方もいると思います。そこからスタートして、たくさんの時間を子どもと過ごす中で、親として成長していきます。
例えば泣き方ひとつで、親は、おむつが汚れているのか、お腹が空いているのか、眠いのかがわかるようになります。様子を観察し、導き出してきた賜物であって、育児書には載っていません。子どもが成長するのに従って子育ての課題は変わりますが、親の皆さんは、こんなふうに子どもとの時間を過ごし、我が子のサインをキャッチしながら“専門家”として過ごしてきたのです。

しかし、言葉を話せない赤ちゃんのうちは、子どものサインをキャッチしながら子育てをしますが、言葉を話すようになると言葉の内容が気になり、「サイン」をキャッチするより言語に反応してしまうことが多くなります。「サイン」の代わりに言語を大切にしてしまい、子どもを注意深く観察して非言語の反応をキャッチすることが少なくなり、そのことが悩みの元となることが増えてくるようです。

成長段階によって、ストレートに自分の思いを言う時期、反対の表現で自分の欲求を伝える時期、会話を通して自分を見つけていく時期など内容が変わりますが、それぞれの時期の特徴を捉えつつ、子どもの“専門家”として築いてきた知識を踏まえると、子どもとの関係をもっと気軽に楽しむ事ができると思います。
そこで、年代ごとの会話の特徴と、接し方のポイントをご紹介します。

□ストレートに自分の思いを言う時期(小学校低学年~中学年頃)
この時期の子どもは、ストレートに自分の要求を表現します。言葉だけでなく行動もそうで、甘えたいサイン、一人で頑張りたいサインを出すようになりますので、一人の人格を持つ人間として尊重することを意識して接するとよいです。
子どもは自分の思いを表現してくるので、観察していれば子どもの思いがよくわかると思います。子どもの専門家として今までキャッチしてきた情報を頼りに、子どもの成長を感じながら接しましょう。

今まで素直だった子どもが急に自己主張するようになり戸惑うこともあると思いますが、赤ちゃんのようにすべて手を貸すのでなく、自分でやらせて見守るようにすると、困ったときは相談し、解決すると自分で動くようになります。そのような接し方をしていくと、自然と子どもの気持ちがよりわかるようになり、子育てへの自信もわいてくると思います。

□反対の表現で自分の欲求を伝える時期(小学校高学年~中学生前半頃)
この時期の子どもは第二次性徴期に入り、体が大人に近づくと同時に、心の面でも自立への準備が始まり、自己の考えを主張するようになります。いわゆる第二反抗期の時期です。
この時期は、本音を隠して自分の気持ちを表現するようになりますので、わが子の専門家としての本領が発揮される時です。これまでキャッチしてきた子どもの考えの癖や、気持ちの表し方などを感じ取りながら「本当は何が言いたいのか」、一人の人として向き合ってあげてください。

例えば、この時期の子どもは、自分のしたことが間違っていたとわかっていても、理屈を言って正当化します。親は、子どものことが分かっているがゆえに叱ってしまい、さらに反発されることがよくあります。この時期は、子どもの言葉の内容よりも、本当はどう思っているのか、子どもを丸ごと受け止める気持ちで、一呼吸置いて接することが有効です。
またこの時期から、子どもへの見方を「保護する対象」から、「一人の人」として見て接していくことも大切になります。自分と同化せず、未熟ではあっても考えをもつ一人の人として距離を保ちながら接すると関係が良くなります。

□会話を通して自分を見つけていく時期(中学生後半~高校生以降)
この時期は、子どもが自分探しをしはじめる時期です。自分の考えをしっかりと言葉で表現できるようになりますので、親の皆さんは、人生の先輩として子どもの話を十分に聞き、自分の思いもしっかりと伝え、対等な関係で会話をするとよいです。子どもは会話を続けていくうちに自分の進路、生き方、交友関係等々を話すことができ、会話の中から答えを見つけることができると思います。「〇〇は、~と考えているんだね。」「私もそう思うよ。」「私は、いつもこう考えるよ。」等、子どもをまずは肯定し、人として対等な会話をしましょう。このような時間を通して、子どもも自分の将来について考えたり、自分とは何者なのかを考えたりして、大人になっていきます。

小学校中学年以降、徐々に直接目をかけられない時間も増えますが、そんな時は子どもとの関係を改めて考える機会でもあります。不安に感じることもあると思いますが、子どもの専門家として今まで見て来た自分の“子どもへの信頼”を信じ、近すぎず遠すぎない距離で接していきましょう。
子どもと共に過ごす時間は短いものです。成長段階に応じ、それぞれの時期で“専門家”としてのありかたを変えながら子どもと接し、子どもの成長を感じながら関係を楽しんでいきましょう。そうする中で、一人の人を育てながら、人生の先輩である親も人として成長していくのです。

子育てに追われず「今を楽しむ」。考え方や、子どもの過ごし方を工夫してみよう

子どもの世話に追われ忙しくしていると、つい自分の時間を楽しむことを忘れてしまいがちですが、実は、生き生き生活している親を見ると子どもは嬉しく自慢に思うものです。今に埋もれず、心に余裕をもって子育てに向き合えるといいですね。
心に余裕がないと、子育てもノルマに感じてしまい、やみくもにノルマを果たそうとします。そのような状態から自己嫌悪を感じ苦しくなってしまう人も多いので、ここでは、子育ての時間をノルマと感じないアイデアをご紹介します。

□同じことをするならプラスに考える
当たり前のことかもしれませんが、考え方ひとつで心の余裕が変わるものです。現実が変わらないのであれば、考え方をプラスにしてみませんか。また、責任感のある人ほど、すべて自分でやらなければと抱え込んでしまいますが、上手に子どもにも責任を持たせて、子どもを巻き込みながら行うと、心にも、時間にも余裕が生まれやすくなります。

(例)
(△)夏休みが残り20日もある。→(○)夏休みが半分終わった
(△)全部自分で管理しなくてはいけない。→(○)子どもに任せてみて、時折修正する。
(△)食事の準備、大変だ。→(○)子どもと一緒に準備をしよう。バイキング方式で食材をとりながら子どもにオープンサンドを作らせるのもいいな。私は食材を切るだけ。

子どもは、頼りにされることを嬉しく思うものです。ご家庭の状況はさまざまにあると思いますが、いつも頑張っている親の皆さんが、少しでも肩の力を抜いて、心に余裕が持てる考え方で子育てに臨んでいただければと思います。

□子どもは、一人の人と考える
責任感のある人ほど、子どもを大切に思うあまり、子育てが苦しくなってしまう場合があります。しかし、子どもには生きる力があり、一人の人として自分の人生を歩んでいくものです。保護しなくてはいけないのは、何もできない乳幼児の時。意思をもち、自分で考え決めて行動できるようになったら、ぜひ、人として尊重し、任せるようにしてみてください。そうするだけでも、子育ての重圧が少し軽くなるのではないでしょうか。
親も一人の人です。自分の時間の全てを子どもにささげて生きる必要はなく、ご自分の人としての人生を生きることが、大切だと思います。忙しい今を自分一人で抱え込まないで、子どもにも手伝ってもらいつつ、一緒にできることを楽しみ、自分の時間も持てるように工夫できるとよいですね。

8月の食事 ワンポイントアドバイス~子どもと作る食事で、夏のエネルギーチャージ~

真夏日や猛暑日が毎日のように続く8月。お子様の夏休みも折り返しとなり、保護者の方はいつもと生活スタイルが変わり、体力を消耗しやすい時期です。しっかりと休息をとりながら、日々の食事づくりや内容も工夫して効率よく疲れのケアとエネルギーチャージをしましょう。
室内外の寒暖差や暑さによる睡眠不足、食欲不振等が続くと、自律神経の乱れによる不調や栄養不足から夏バテを引き起こします。そこで、大切なのはきのこなどに豊富な食物繊維で腸を整えること。腸は自律神経が多く集まるため、自律神経を整えたり、栄養の入り口のため、栄養素の吸収を助けたりすることに繋がります。さらに、きのこは食物繊維の一種で体調管理に役立つβグルカンも豊富です。
普段から身体を労わる食事を取り入れて、お子様との楽しい夏の思い出を更に増やしていけるよう、元気をチャージしましょう!
(監修:ホクト管理栄養士 德田美咲)

今年の夏は、猛暑のようです。お子さんとの時間を楽しみつつ、ご自分も楽しい時を過ごしてくださいね。

profile

望月 保美

(ガイダンスカウンセラー、上級教育カウンセラー、特別支援教育士)
東京都の元小学校教諭。
現在はカウンセラーとして小学校を訪問し、授業の様子や児童の活動を観察して子どもの特性やその対応方法、指導法を先生方に伝える活動を行っている。
また、高等学校では友人同士の関わり活動を通して、友人や自分を理解する方法について演習等も実施。
教育カウンセラーを目指す方への学習サポートも行っている。

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