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一人何役もこなす子育てパパママの「頑張る自分をみつめ、自分を生きる」考え方

2022.09.01
一人何役もこなす子育てパパママの「頑張る自分をみつめ、自分を生きる」考え方

暑さが落ち着き、徐々に秋の風を感じる9月。夜になると、虫の声も聞こえるようになりました。子どもの世話に追われた夏休みが過ぎ、疲れが出てくるこの時期には、子育てに対して疲れたり心が重くなってしまったりしやすい時期です。
以前、こんな悩みを耳にしました。子育てをする方の多くが、多かれ少なかれ、一度は同じ感情を持ったことがあるのではないでしょうか。

私だけがいつも我慢しなくてはいけないのでしょうか?
子どもが生まれてから、自分の用事で出掛けることも、読みたい本を読むことも、趣味を持つことも全て我慢して、子どもが大きくなってからと考えていました。子育てに生きがいを感じていると思っていました。ところが最近、子どもが幼稚園への登園を渋ったり、お弁当のおかずに不平を言ったりすることがあり、私の表情はいつも眉を八の字にしていることに気づきました。自分のしたいことがわからず、閉塞感があり、なんだか自分も育児も嫌になってしまいます。

子育ては子どもの成長を見ることができて楽しい一方で、やらないといけないことが多かったり、褒めてくれたり共感してくれる人も少なかったりと、孤独感や閉塞感を感じやすいものでもあります。
今月は、そんな毎日の子育てを頑張る皆さんの心が少しでも軽くなればと思い、ぜひ実践していただきたい「自分を肯定し、自分を見つめる」ことについてお話ししたいと思います。

■今月のTOPICS

【ステップ1】一人何役もこなす自分を知る
【ステップ2】時間を区切って、自分の時間を生み出す
【ステップ3】「私は何がしたいのか」を考え、自分を生きる
9月の食事 ワンポイントアドバイス ~残暑の疲れを癒す、身体労わりレシピ~

【ステップ1】一人何役もこなす自分を知る

「私は、〇〇〇〇です。」「私は、〇〇の娘です。」「私は、〇〇の妻です。」「私は、〇〇の母です。」「私は、✕✕の社員です。」「私は、~小学校のPTAの役員です。」「私は、〇〇合唱団の団員です。」等々、皆さんは、いったいどれくらいの役割を担っているでしょうか?ぜひ一度、ご自分の役割を書き出してみてください。そうすると、思ったよりも多くの役割を担っていることに気が付きます。
大人になって振り返ってみると、自分が中心でいた時期は子どもの時期くらいです。社会人になり、結婚し、子育てをするようになると、人生の段階ごとに「様々な役割」が出てきて、そのそれぞれにエネルギーを割かなければならなくなります。当然、自分だけに割けるエネルギーは減っていきます。
皆さんは無意識のうちに、それぞれの役割ごとにバランスを調整しながら日々過ごされていますが、子育て中は子どもに手がかかる分、特に多くのエネルギーを周りに使わなければならず、つい、一番大事にしたい「自分」へのエネルギーを後回しにしてしまいます。そうすると、自分らしく生きられていない感覚が芽生えてきて、常に自己不全感を感じるようになってしまいます。

ここで大切にしていただきたいことは、まずは「様々な役割を担っている」自分を認めてあげることと、自分で選択し、自分が主人公になって役割を行うことです。“やらされている”状態から、自分で選択し、折り合いをつけていきます。選択する基準は人それぞれ変わってくると思いますが、「自分を大切にすること」を忘れないでください。

例えば、今日は自分の合唱の練習日だとします。一方で、子どもの保護者会もあります。
こんな時には、「今回は、学校での子どもの様子を知りたいので、お母さんを優先しよう」あるいは、「保護者会のことは友だちに聞くとして、演奏会が近いので今日は合唱団員の私を優先しよう」というように、自分の意志でその日やることを決めていきましょう。「人に言われたからこうしないと」や、「親としてこうするのが普通だから」、といった周りの意見は抜きにして考えることが大切です。
自分で決めることで、後からネガティブな気持ちが起こりにくくなりますし、決定したことへの満足感も高まります。

【ステップ2】時間を区切って、自分の時間を生み出す

一人何役もこなしている皆さんは、1日の中だけではどうしても時間が足りなくなり、自分の時間を犠牲にするしかなくなる、そんな方も多いと思います。しかし、その状態が続くと不自由さや不全感を感じやすくなってしまいます。1日のうち30分でも、時間を区切って“自分だけの時間”をとるようにしてみてください。

時間がとれるとつい、「子どものプリントを整理しないと」「ワイシャツのアイロンがけをしないと」などタスクが浮かびますが、この時間は自分のためだけに使い、タスクは後回しにします。友達と連絡をとる、好きな手芸や読書をする、英語の勉強をする・・・普段からやりたいと思っていたことに時間を使いましょう。
時間は、10分でも、30分でも、1時間でも構いません。「自分のためにエネルギーを100%使える、自分のための時間」を持つことで、少しずつ心の余裕が生まれやすくなり、満足感も高まります。

たとえ10分しか時間がとれなかったとしても、その時は「10分もある」と思うようにしましょう。10分しかないと思うと、そう思っただけで、何もできないうちに時間が経ってしまいます。一方で、10分もあると思うとそれだけで心に余裕ができ、その時間で行ったことに満足感を得ることができます。
「~しかない」と考えるか「~もある」と考えるか、些細な違いですが、それだけで心の持ちようが変わります。

【ステップ3】「私は何がしたいのか」を考え、自分を生きる

先の記事でも書きましたが、“やらされている”と思うと子育ては辛く、苦しいものになってしまうものです。「私は、何がしたいのか。」を考え、自分で選択し、自分の人生を生きる気持ちを大切にしてください。皆さんは多くの役割をもっていますが、その役割の主体は「皆さん」です。母親として、妻として、家族の一員として、社会の一員として、全てを鑑みたときに、「私は何がしたいのか。」をしっかりと選んでいきましょう。

子育てをしていると、初めは何も話せなかった赤ちゃんが、言葉を話すようになり、意思表示をするようになる様子を目の当たりにすると思います。また、兄弟姉妹がいるご家庭では、同じ育て方をしても全く違う性格になることを感じられることでしょう。人間は小さいころから個性があり、自分の意思をもっています。それは、保護者の皆さんでも同じことです。一人の人間として生きていくことが大切であり、自分で決めたことを、納得のいくように行っていきたいですね。

私利私欲を我慢して家族や社会に尽くすことが、良いのではありません。自分の楽しみの時間をもつことは、心に余裕が生まれる素晴らしいことです。親も一人の人ですので、子育てを楽しみつつ生活できる方法を見つけていきましょう。自分を大切にできれば、子どもや家族のための時間もより大切にできるようになりますし、そうすることが、家族全員にとって、社会にとっても素敵なことだと思います。

9月の食事 ワンポイントアドバイス
~残暑の疲れを癒す、身体労わりレシピ~

少しずつ涼しくなり、過ごしやすくなるこの時期は、疲れが表面化しやすい時期でもありますので、しっかりと日々の食事から疲れを癒していきましょう。
ポイントは、“健康の要”“第二の脳”とも呼ばれる「腸」を整える食物繊維と、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB1をしっかりととること。きのこには、この両方が含まれています。
食物繊維は、腸の老廃物の排出を助けたり、善玉菌の餌となったりすることで腸の調子を整えます。腸は自律神経が多く集まっていたり、免疫の要でもあるので、腸の状態をよくすることが心身ともに健康でいるための近道です。また、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるのを促すため、効率の良いエネルギーチャージを助けます。
きのこはヘルシーなうえ、うま味が豊富なのでどんな食材とも相性が良いのもポイントです。旬の食材と合わせて取ることで、心身ともに元気に過ごしましょう♪

(監修:ホクト管理栄養士 德田美咲)

だんだんと天が高くなり、来月には実りの秋を迎えます。心と体に栄養を補給して、日々を楽しんでいきましょう。
次は、10月にお会いしましょう。

profile

望月 保美

(ガイダンスカウンセラー、上級教育カウンセラー、特別支援教育士)
東京都の元小学校教諭。
現在はカウンセラーとして小学校を訪問し、授業の様子や児童の活動を観察して子どもの特性やその対応方法、指導法を先生方に伝える活動を行っている。
また、高等学校では友人同士の関わり活動を通して、友人や自分を理解する方法について演習等も実施。
教育カウンセラーを目指す方への学習サポートも行っている。

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