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菌活コラム

「菌活」で早めの冬支度♪カギはきのこの温活効果

2025.11.01
「菌活」で早めの冬支度♪カギはきのこの温活効果

気温が下がり、秋から冬へと季節が移り変わる11月。11月7日には「立冬」を迎え、暦の上では冬が始まる頃とされています。実際にはまだまだ秋本番の地域も多くありますが、この時期に冬に向けて身体の準備を行うことが、冬本番を元気に過ごすための秘訣でもあります。

そこで今回は、冬本番に向けた“身体の冬支度”をテーマにお届けします。朝晩と日中の寒暖差や空気の乾燥などにより、体調を崩しやすくなるこの時期。日々の食事や生活習慣を意識的に整え、本格的な冬の到来に備えていきましょう。

INDEX

11月の体調管理で意識すべき3つのポイント

空気が冷え始めるこの時期は、室内で暖房を使う機会が増え、室内外の「寒暖差」が大きくなります。この寒暖差によって自律神経が乱れ、疲労感や身体の不調を感じやすくなることも。こうした寒暖差対策のためにも次の3つのポイントを意識して、体調を整えていきましょう。

① 体温調節しやすい服装を選ぶ

11月は気温が下がり寒さが増す時期ですが、日中は地域によっては気温が上がり汗ばむほど暖かいことも。そんな朝晩と日中での寒暖差に対応するには、気温に応じて脱ぎ着しやすい「重ね着」をすると体温調節が手軽にできます。
インナーには保温性の高い素材を選び、アウターは脱ぎ着しやすい薄手のカーディガンやさっと羽織れる上着などが便利でおすすめです。また、防寒用に「首・手首・足首」の“3首”を温めるアイテムを持ち歩くことで、冷え対策にもつながります。
体温が下がると免疫力も低下しやすくなるため、自分にとって快適な温度を保てる服装を心がけましょう。

② 湿度と温度の調節をする

寒暖差が大きくなるこの時期は、室内の温度と湿度の管理も重要です。寒いとつい暖房に頼ることが多くなりますが、暖房による空気の乾燥には注意が必要です。快適な室内環境を保つために、以下のポイントを意識してみましょう。

・暖房器具の温度設定は18〜20度程度に保つ
・加湿器を利用して湿度を50〜60%程度に保つ
・1時間に1回を目安に換気をし、新鮮な空気を取り入れる

これらを意識することで、寒さと乾燥の両方にしっかり対応でき、体調管理にもつながります。

インフルエンザが流行する時期でもありますので、冷えすぎず、乾燥しにくい快適な室内環境を維持することを心がけましょう。

③ 身体を温める栄養素を取り入れる

身体を外側から温めることに加えて、食事から“身体を温める食材・栄養素”を取り入れることで、さらに冷えにくい身体を作ることができます。
中でも冷え対策に役立つ栄養素が「ビタミンB群」です。特に「ナイアシン(ビタミンB3)」は、血行を促す働きがあるため、寒さに負けない身体づくりに役立ちます。また、エネルギー代謝や抗酸化作用などにも関与し、生命活動や免疫維持にも不可欠な栄養素です。
さらに、「ビタミンB1」は、糖質の代謝を促して、エネルギーと共に熱を作り出す働きがあるため、身体を温める効果が期待できます。さらに、血行を促すためには血液の原料となる「葉酸(ビタミンB9)」や「ビタミンB12」も重要で、これらの栄養素をまんべんなく摂ることで冷えにくい身体づくりに役立ちます。

きのこの栄養×身体を温める習慣で「寒暖差」に負けない身体へ

先程ご紹介した、身体を温める栄養素である「ビタミンB群」を豊富に含む食材が『きのこ』です。
きのこにはビタミンB1やナイアシンが豊富に含まれているほか、「葉酸」など限られた食材にしか含まれない栄養素も豊富に含まれています。
また、きのこは「自律神経」が集まっていたり、免疫機能を担ったりしている「腸」を整える食物繊維も豊富なため、寒暖差で自律神経が乱れたり、冷えや乾燥で免疫力が低下したりしやすいこの時期に、ぜひ積極的に食事に取り入れたい食材です。
さらに、きのこはクセが少なくどんな食材とも相性が良いため、主食・主菜・副菜など、さまざまな料理に気軽に使うことができるのも魅力のひとつです。

秋の終わりから冬の入り口にかけては、旬の食材が多く出回る時期。栄養とうま味が豊富な旬の食材と、身体を温める効果のあるきのこと組み合わせることで、効率的に体調管理をサポートできます。
例えば、きのこご飯やきのこ汁、根菜の炒め物、きのこと野菜の鍋など、ヘルシーで栄養たっぷりな料理をぜひ食卓に取り入れてみてください。

また、食事のほかにも、身体を温める習慣を意識的に取り入れるのも効果的。例えば、朝はラジオ体操や深呼吸、ヨガなど軽い運動を行うことで血行が促され、身体が温まって翌朝スッキリと目覚めることができます。
そして、1日の終わりに入浴で身体を芯から温め、お風呂上がりにはストレッチなどで筋肉の緊張をほぐすことで疲れをやわらげ、心身のリフレッシュを図りましょう。これを日々のルーティンとして取り入れることで免疫力の維持、自律神経の調整、寒さ対策など様々な効果が期待でき、寒暖差に負けない身体づくりに役立ちます。

冷え込む日が増えてくる11月は、外からの寒さ対策と合わせて、インナーケアも体調管理のカギとなります。食事では身体を温める効果のある「きのこ」を食事に取り入れ、生活リズムや生活習慣を整えながら寒さや不調に負けない身体を継続的につくっていきましょう。
これから本格的に寒さが増していきますが、今の時期からしっかりと冬の身体をつくることで、ウィンターシーズンもめぐりの良い身体を維持して、心地よく元気に過ごしていきましょう。

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profile

池田 正典
医療法人雨宮病院 副院長 / 群馬大学医学部 卒業

石井 華帆
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士