人と菌の物語
歴史が育んだ、きのこの効果と人体の秘密
2020.09.18
歴史が育んだ、きのこの効果と人体の秘密
第6回 免疫を呼び起こす腸内細菌と秘められたきのこの驚くべきチカラ
2020.09.18

腸を整えるために食物繊維が欠かせないワケとは?
人の健康を司る腸内環境を整えるのに、最も有効なのは食品です。
食物繊維やオリゴ糖など、有用な善玉菌の成長を促す食品成分を「プレバイオティクス」と言います。きのこは食物繊維が豊富なため、プレバイオティクスとして、腸内細菌を活性化する効果が期待できます。
また、健康を維持する生きた微生物は「プロバイオティクス」と呼び、代表的なものはビフィズス菌や乳酸菌、麹菌などの発酵食品が挙げられます。
プロバイオティクスは2〜3日で体内から排出されるため、既に腸内に存在している善玉菌に働きかけたり、腸内バランスを整えるためには、プレバイオティクスである食物繊維を摂ることで効果が出ることが期待できます。

食物繊維は大きく分けて2種類あります。「不溶性食物繊維」は、水に溶けにくい繊維を指します。大腸内で水分を吸収し、腸を刺激して便通を促進。一方で「水溶性食物繊維」は水に溶けやすい繊維で、ヌルヌルとしているため、大便をスムーズに出す働きをします。
さらに食物繊維は、腸内で酪酸産生菌のエサとなることで酪酸濃度を高めて腸内環境を整え、免疫機能向上に役立ちます。
料理の主役にも名脇役になるきのこの多様なチカラが、人知れず私たちの体をサポートしているのです。