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ライフアップコラム

お正月の意味や歴史とは。日本の伝統と心に触れ、新しい年を迎える準備を

2025.12.10
お正月の意味や歴史とは。日本の伝統と心に触れ、新しい年を迎える準備を

年の瀬が近づくにつれ、街に少しずつ新年の気配が漂い、お正月の準備を意識し始めている方も多いのではないでしょうか。
お正月は、新しい年の幸せを願う大切な行事。慌ただしい年の瀬ですが、今年一年の感謝を込めて大掃除をしたり、新しい年への願いを込めてお正月を迎える飾り付けを通したりして、気持ちを新たに新年を迎えてみてはいかがでしょうか。

そこで今回は、お正月の歴史や正月飾りに込められた願いなど、お正月の意味や準備のポイントをご紹介します。
あわせて、忙しいこの時期にピッタリの、心をほっと落ち着かせる食事のポイントもご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

INDEX

お正月の意味と役割とは?

お正月は、一年の幸せをもたらす「歳神様(としがみさま)」をお迎えするための行事です。
新しい年の豊作や家族の健康を祈り、清らかな気持ちで神様を迎える準備をする――それが、古くから続く日本ならではの風習です。ここではまず、お正月の歴史や文化をご紹介します。

お正月は「歳神様」を迎える日

お正月は、古くから「歳神様をお迎えするための行事」として受け継がれてきました。歳神様とは、その年の豊作や幸せをもたらす神様であり、祖霊とも深くつながる存在とされています。日本人にとってお正月は、一年の始まりに「年の神様」をお迎えする大切な節目の行事として考えられてきました。

かつて日本では、稲作文化が生活の中心にあったため、秋に収穫した新米は神様からの恵みとして尊ばれてきました。そこから、恵みをもたらす歳神様を新年に迎えるという考え方が人々の暮らしの中に深く根付いていったといわれています。

一方、歳神様を迎える文化の背景には、「年魂(としだま)」という古い風習があります。人々は新しい年のはじめに神様の御魂が宿ることで、その一年を健やかに生きる「力」を授かると考えられていました。この「年魂」を子どもに分け与える風習が現在の「お年玉」の起源ともされており、お年玉にはお金そのものではなく「新しい一年を元気に過ごせるように」という願いが込められ始まったといわれています。

また、歳神様を迎えるための大切な行いのひとつに「年取り(年迎え)」があります。地域によって呼び方や形は異なりますが、多くの地域では、歳神様に一年間の無病息災を感謝して新たな歳神様をお迎えするために、大晦日の夜に「年取り膳(としとりぜん)」を囲み、お供えした膳と同じものをいただいていたとされています。鮭や数の子、黒豆、酢の物などを食べる地域が多く、この年取り膳が現在のおせち料理へと変わっていったそうです。

このように、お正月は単なる年の節目ではなく、神様を迎えて一年の力をいただくという、日本人が長い年月をかけて育んできた文化が息づく特別な行事です。歳神様を迎えるという視点からお正月を見つめると、年末のひとつひとつの行事にも、改めてあたたかい意味が感じられるのではないでしょうか。

一年の締めくくりと新たな始まりを祝う習わし

日本では古くから、12月13日を「正月事始め」とし、歳神様を迎える準備を始める日とされてきました。門松に使う松を採りに行ったり、しめ縄や餅の支度を進めたりと、新年に向けたさまざまな行いがこの日を境に少しずつ始まっていきます。

また、暮らしを清めるための大掃除も重要な習わしのひとつ。歳神様をお迎えする準備として、平安時代では「すす払い」といわれる宮中行事が行われていました。やがて江戸時代では一般家庭でも「大掃除」としてとり入れられるようになり、その文化が今でも根強く残っているといわれています。
大掃除の由来や効率よく進めるポイントなど、詳しくは過去の記事でもご紹介しています。
【過去の記事はこちら】

空間を整えることは、心の切り替えにもつながります。
年末のひとつひとつの準備を通して一年を振り返り、気持ちを軽やかにしながら、新しい年を迎える準備を行っていきましょう。

飾り付けで暮らしに伝統を取り入れ、文化を感じる

正月飾りは、歳神様を家に迎えるための目印や依り代(よりしろ)として作られたとされています。
しめ縄や門松、鏡餅といった正月飾りは、それぞれが歳神様をお迎えするための大切な意味を持ち、いずれも新しい年を迎えるための大切な準備のひとつです。これらの意味を知ることで、年末の飾り付けが単なる習慣ではなく、「新しい一年を迎える心の準備」であることが、より身近に感じられるようになります。

近年では、現代の住まいに合わせて気軽に楽しめるものも増えてきているため、飾り付けを通して、日本の文化に触れながら、新しい年を迎える準備を整えていきましょう。

しめ縄・門松・鏡餅 それぞれの意味と飾り方

お正月の飾りには、それぞれに歳神様をお迎えするための大切な意味があります。由来を知ることで、毎年何気なく飾ってきた正月飾りも、より身近に感じられるようになるでしょう。

<しめ縄>
しめ縄は「清め」を表し、家の内と外を分ける結界の役割を持ちます。玄関や神棚に飾ることで、その場所が清らかな場であることを示し、歳神様をお迎えする準備が整っていることを表します。

<門松>
門松は、松や竹を神様の依り代とし、歳神様が迷わず家へ降りてこられるようにするための“目印”です。新しい年のはじまりに、神様を迎え入れるための大切な役割があります。

<鏡餅>
鏡餅は、丸い形に円満の願いを込めた歳神様の居場所とされる飾りです。歳神様の「御魂」が宿った鏡餅を食べることで、歳神様の力を身体に取り込んでいたといわれています。

正月飾りの準備をする時期は、一般的に12月28日までがよいとされ、29日や31日は避けるのが習わしです。早めに準備を済ませ、大晦日はゆっくりと歳神様を迎えるのが良いでしょう。

暮らしになじむ様々な工夫。今どきのお正月飾りのアイデア

近年では、伝統的な正月飾りを現代の暮らしに合わせて楽しむ人が増えています。
たとえば、しめ縄をリースのようにアレンジした「しめ縄リース」は、玄関や室内にも飾りやすく、ナチュラルな雰囲気が人気です。稲わらや水引にドライフラワーを組み合わせたデザインは、和洋どちらのインテリアにもなじみます。

また、松や南天をシンプルな花器に生けたり、テーブルにランナーを敷いて紅白の小物を並べたりと、季節感をやさしく取り入れる工夫もおすすめです。
華やかすぎない「暮らしになじむお正月飾り」は、空間をすっきりと見せてくれるだけでなく、新年を心地よく迎えるための雰囲気づくりにもつながります。

伝統を大切にしながら、自分らしいスタイルの正月飾りで、年の初めを晴れやかに演出してみてはいかがでしょうか。

きのこの力を味方に!食物繊維で冬のカラダを整える

年末年始に向けて気持ちが高まる一方で、忙しさが増すこの時期は、気づかないうちに疲れがたまりやすくなることも。さらに、冬は寒さも増し、身体が冷えることで腸の働きが鈍くなり、便秘や肌荒れ、免疫力の低下など、全身の不調につながってしまいます。

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、自律神経が多く集まる場所。忙しさやストレスで自律神経が乱れると、腸の働きも影響を受けやすくなります。そのため、慌ただしい時期こそ、食事で腸を整えることが冬を健やかに過ごすための大切なポイントになります。

そこで取り入れたいのが、腸を整えるのに欠かせない「食物繊維」を豊富に含む『きのこ』です。食物繊維は、善玉菌のエサとなったり、体内の老廃物の排出を促したりして腸を整えます。さらに、腸には自律神経が多く集まっているため、腸を健康に保つことが自律神経を整えることにもつながります。

ほかにも、きのこには自律神経に働きかけてリラックスを促すGABAや、ストレスホルモンを抑えてストレスや疲労の緩和を助けるオルニチンも豊富に含まれているため、忙しいこの時期にピッタリの食材です。

また、きのこはスープや炒め物、炊き込みごはんなど、食卓に気軽に加えられるのも魅力のひとつ。
ほっと一息つける温かい料理や冬の体調管理に役立つきのこをとり入れて、健康に新しい年を迎える準備をしていきましょう。