編み物からはじまる冬支度。手づくりの時間が、日々をやさしく包みこむ。
2025.11.11
朝の空気に冷たさを感じはじめ、やわらかなニットの洋服や毛糸の小物の温もりが恋しい季節がやってきました。
お店に並ぶカラフルな毛糸を眺めていると、「自分でも編んでみたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
近年人気が高まっている「編み物」は、特別な道具や技術がなくても、ひと目ひと目にあたたかさを込められる“手しごと”。完成した時の達成感のほか、心を整えるのにもよい効果があると注目を集めています。
この冬は編み物で、暮らしに手づくりのぬくもりを添え、日常に彩りを加えてみてはいかがでしょうか。
前編では、編み物が今ブームとなっている理由やおすすめのファッション小物とともに、冷えを感じやすくなるこの時期に役立つきのこを使った菌活レシピをご紹介します。
INDEX
今流行りの「編み物」。その理由は?

ここ数年編み物の人気が急激に高まっていますが、きっかけはコロナ禍によるおうち時間の増加。外出が制限されるなかで、「家の中でも心を満たせる趣味」として、徐々に手づくりを楽しむ人が増えているようです。
近年は、YouTubeやSNSで作り方を丁寧に解説する無料動画も増え、初心者の方でも挑戦しやすいため、女性を中心にさらに人気が高まっています。
また、100円ショップや手芸店では、質の高い毛糸や道具が手に入るようになり、少ない道具で始められるという「手軽さ」もブームを後押しする要因となっています。
編み物は、完成までの過程そのものを楽しめるのも魅力のひとつ。
中でも、マフラーや帽子、アームウォーマーなどのファッション小物が人気で、ネットで何でも買える時代だからこそ、「自分の手でつくる」ことに価値を感じる人が増えているそうです。
世界にひとつだけの作品を自分の手で生み出す喜びが、いま幅広い世代の心をつかんでいるのです。
編み物がもたらす癒しと充実感で、冬の日々をあたたかく
毛糸のやわらかな手ざわりや、編むときのゆったりとしたリズムは、心を穏やかに整えてくれる効果も期待できます。また、少しずつ形になっていく過程には達成感があり、完成した瞬間には温もりと自信が残るという声も。
ここでは、編み物が暮らしに与えるメリットをご紹介します。
毛糸にふれるぬくもりが、心をやわらかくほぐしてくれる
ふんわりとした毛糸の手ざわりは、手に取った瞬間から心をやさしく包み込みます。肩の力がふっと抜け、緊張やこわばりがゆるむように感じる方も多いそう。
編み物は、毛糸を通じて「ぬくもり」を感じられるほか、ゆっくりと編み目を重ねていくリズムには、自律神経を整えて心を落ち着かせる力があります。
また、静かに流れる時間の中で手作業に没頭することは、呼吸を整え、副交感神経を優位にすることでリラックスさせてくれる効果も期待できます。そんな穏やかなひとときが、忙しい冬の日々にやすらぎをもたらしてくれるのではないでしょうか。
手を動かすひとときが、気持ちのリセットにも

情報が溢れるデジタル中心の暮らしの中で、編み物は自分と向き合い、心を整える貴重な時間をくれます。
例えば、リズミカルな単純作業を繰り返すことは、瞑想のように心を落ち着かせることができ、心拍数を下げ、血圧を安定させる効果が期待できます。
また、目の前の作業に集中することは、ストレスホルモンの分泌を抑えることに繋がり、心を整えるのに役立ちます。
少しずつ形ができあがっていく過程には、大きな達成感も生まれます。
たとえ編み図や解説どおりにいかなくても、静かな創造のエネルギーがわき、新しい発想やひらめきが生まれる瞬間を楽しむこともできます。
冬のファッションをもっと楽しむ♪おすすめファッション小物
これまでご紹介したように、物理的な温かさをくれるだけでなく、心を整えるのにもぴったりの“編み物”。では、どのようなものを作るのがよいのでしょうか?
冬の街を歩くと、あたたかみのある小物を上手に取り入れたファッションが目を引きます。
そこで次に、手作りするのにもぴったりの冬のアイテムをご紹介します。今年は自分で作ったファッション小物をとり入れて、自分らしさを添えたコーディネートを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
自分流にアレンジも!毛糸で編める小物の種類

この冬は、かぎ針1本で作れる手づくり小物が人気を集めています。
毛糸と針さえあれば、マフラーやストール、帽子、アームウォーマー、レッグウォーマーなど、あたたかく実用的なアイテムを編むことができます。また、基本の編み方でも、糸の素材や色、編み目の大きさを変えるだけで印象ががらりと変わるため、自分の好きな色や雰囲気で作れるのも手作りならではの魅力です。
最近では雑誌や動画でもデザイン例が多く紹介されているため、参考にしながら自分だけのアイテムを作ってみるのもおすすめです。
ひと目ひと目に思いを込めながら、冬の装いを自分らしく彩ってみてはいかがでしょうか。
ファッション小物のおすすめの組み合わせ方

出来上がった小物は、冬の装いを引き立てる大切なアクセントになります。
シンプルなコートには、差し色のマフラーやニット帽を合わせて色合いをプラスしたり、同系色で上品にまとめたりするのもおすすめです。さらに、反対色を合わせれば華やかな印象に変えることもできます。
また、素材や編み方を変えるだけでも雰囲気がガラッと変わります。
ざっくりと編んだマフラーに、細やかな編み模様の手袋を組み合わせると、手づくりならではの温かみが際立ちます。さらに、バッグや靴下に同じトーンの小物を合わせると、全体に統一感が生まれ洗練された印象に。
一方、「手づくりに挑戦するのはちょっと大変…」という方には、ハンドメイドマルシェや手づくり雑貨のお店で、お気に入りの一点を探してみるのもおすすめです。
今年の冬は手づくりの温もりを取り入れて、自分だけの“冬のスタイル”を楽しんでみてはいかがでしょうか。
きのこのビタミンB群で、身体の内側からもあたためて
冬の冷たい空気の中では、血液の流れが悪くなり、手足の冷えが気になる方も多いのではないでしょうか。そんな季節におすすめしたいのが、身体の内側からあたためてくれる食材「きのこ」です。
きのこには、冷え対策に役立つ「葉酸(ビタミンB9)」と「ナイアシン(ビタミンB3)」が豊富に含まれています。
葉酸は、赤血球の生成を助ける“造血ビタミン”として知られ、血液の材料となり、血液の流れをスムーズに整える働きがあります。そのため、血流が促されることで体温が保たれやすくなり、冬の身体を内側からサポートしてくれます。
一方、ナイアシンには血行を促す働きがあるため、冷えにくい身体づくりを助けます。ほかにもナイアシンには、全身に酸素や栄養を届ける働きがあるため、冷えや寒暖差で感じやすい疲れのケアにも効果的です。
また、きのこの香り成分である1-オクテン-3-オールなどにはリラックス効果もあり、心身の不調ケアにも役立ちます。
食卓に取り入れるときは、温かいシチューや鍋、炊き込みご飯など、身体を温める料理に加えるのがおすすめです。
寒さが増すこの時期は、外側からの防寒に加えて内側からも「温活」を意識することで、冬の一日をより心地よく過ごせます。
毛糸のぬくもりときのこの栄養で、心も身体もぽかぽかに、冬を楽しんでいきましょう。






