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ライフアップコラム

コツは“光に役割を持たせる”こと。自然光や照明を暮らしに活かすヒント

2025.09.29
コツは“光に役割を持たせる”こと。自然光や照明を暮らしに活かすヒント

秋が深まるにつれ、日照時間が短くなり、気持ちや体調のリズムが乱れやすくなる時期。そんな季節に意識したいのが、「光」の取り入れ方です。光は、気分や睡眠の質、体内リズムに深く関わり、私たちの心と身体を健やかに保つ大切な役割を果たしています。
前編では、自然光や照明の特性、暮らしの中で無理なく光を取り入れるための工夫をご紹介しました。

【前回の記事はこちら】

そこで今回は、実際の暮らしの中での光の活かし方をご紹介します。自然光と照明の違いを知り、朝・昼・夜のそれぞれの時間帯に合わせた光の工夫を取り入れることで、心地よいリズムを整えることができます。また、リビングや寝室などシーンに合わせた照明の工夫をご紹介し、空間そのものをより豊かに彩るヒントもお届けします。

さらに、季節の変わり目には「食事」からのサポートも欠かせません。免疫力を支えるきのこの力も取り入れながら、心と身体をバランスよく整え、秋の時間をより充実させていきましょう。

INDEX

暮らしのリズムをつくる光の取り入れ方

前編でもご紹介したように、私たちの心身のリズムは光の影響を大きく受けています。自然光と照明、それぞれの特性を理解し、朝・昼・夜の時間帯に合わせて光を使い分けることで、生活リズムを整え、心地よい毎日を過ごすことに繋がります。

自然光と照明、それぞれの違いを知って暮らしに活かすコツ

私たちの生活を照らす光には、大きく分けて自然光と人工照明の2種類があります。

自然光は太陽から届く光で、赤外線・可視光線・紫外線といった幅広い波長を含み、時間帯や天候によって色や明るさが変化します。その移ろいは体内時計を整える働きがあり、心身のリズムにも深く影響します。

一方、人工照明は蛍光灯やLEDなどによる光で、一定の明るさと色を保つのが特徴です。自然光のような変化はありませんが、空間や目的に合わせて自在に調整できる利点があります。
こうした両者の特性を理解し、シーンごとに使い分けることが、日々の暮らしをより快適にする鍵となります。

朝・昼・夜で使い分け。時間帯に合わせて“光の色”を変える

1日の中で光の使い方を工夫することは、生活リズムを整えるうえで大切なポイントです。

<朝>
カーテンを開け、窓辺に差し込む朝日を浴びて体内時計をリセットしましょう。前編でもご紹介したように、朝日を浴びることは生活リズムを整えることに加えて心身の健康にも関わるため、起きてすぐにカーテンを開けて朝日を浴びる習慣をつけることが大切です。

<日中>
白色系の明るい光を取り入れることで集中力が高まり、仕事や家事の効率をサポートします。青みが強いと脳を刺激し覚醒させる働きがありますが、目の疲労にもつながってしまうため、長時間過ごす場所では自然光に近い光(色温度5,000K前後の青白い光)がおすすめです。

<夕方~夜>
光のトーンを徐々に落としていくのが理想的です。特に寝室では強い光を避け、間接照明や暖色系の柔らかな灯りを取り入れると、心地よい眠りへと誘われます。

照明は暮らしの快適性だけでなく、心身の健康にもつながる重要な要素です。色温度と明るさを時間帯に応じて工夫することで、暮らしのリズムも自然に整えていきましょう。

シーン別に光を選んで、心と身体を整える

暮らしの中での光は、時間帯だけでなくシーンによっても変わります。家族や友人と食卓を囲むひととき、リビングでくつろぐ時間、眠りにつく前の静かな夜……光をどう選び、どんな色や明るさで灯すかによって、空間の雰囲気は大きく変わります。シーンに合わせた光を取り入れて、より快適な空間を作っていきましょう。

選び方のコツは“光に役割を持たせる”こと

光は空間ごとに役割を持たせることで、暮らしの心地よさをぐっと高めてくれます。
ここでは、それぞれの空間ごとにおすすめの光についてご紹介します。

<ダイニング>
食卓を明るく照らすスポットライトがおすすめです。また、温かみのあるオレンジがかった暖色系の光は、料理の彩りを引き立ててくれます。ときにはキャンドルの灯りを添えることで、普段の食事が特別なひとときへと変わります。

<リビング>
家族が集まる場所のため、全体を明るく照らすことに加えて、ソファや読書コーナーなど人が過ごす場所をピンポイントで照らすと、落ち着きと温かみのある空間が生まれます。また、読書など手元を照らすときには集中力が高まる効果のある青みがかった色の光がおすすめです。

<玄関>
家の第一印象を決める大切な場所のため、柔らかい光で迎えることで安心感が広がります。特にLED照明は紫外線をほとんど出さないため、虫が寄りにくいのも嬉しいポイントです。

このように心地よい空間を作るためには、シーンに合わせて光を選ぶことが大切です。照明は毎日使うからこそ、少し工夫をすることで空間がより豊かに彩られていきます。

心地よい眠りを誘う、寝室の光の選び方

一日の終わりを過ごす寝室では、光の選び方が眠りの質を大きく左右します。
夜はできるだけ光のトーンを落とすことで、「そろそろ休む時間だ」という情報が脳へと伝わります。明るい光を浴び続けると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が妨げられ、眠りが浅くなってしまいます。

そこで役立つのが、間接照明や暖色系の柔らかい光です。こうした穏やかな光は副交感神経を優位にし、自然に眠りへと導いてくれます。
また、就寝前はPCやスマートフォンのブルーライトをできるだけ控えるようにしましょう。眠りにつくまで強い光に触れず、静かな暗がりをつくることで、身体は自然と休息モードに切り替わっていきます。寝室の光を少し工夫するだけで睡眠の質が高まり、翌朝の目覚めもより心地よいものになるでしょう。

季節の変わり目に。きのこの力で心と身体をサポート

光が暮らしのリズムを整えてくれるように、食事の面からも心と身体の健康を意識することが大切です。特に毎日のリズムを整えるためには、質の良い睡眠をとることを意識していきましょう。

睡眠の質を高めるうえで欠かせないのが、ホルモンの一種である「メラトニン」。そのメラトニンの材料となるセロトニンは腸で合成されるため、腸内環境を整えることが心地よい眠りへとつながります。きのこに豊富に含まれる食物繊維は、善玉菌のエサとなったり体内の老廃物の排出を促したりして腸を整えるのに役立ちます。また、腸には自律神経が多く集まっているため、腸を整えることで気持ちを落ち着かせたりリラックスさせたりすることにもつながります。

さらに、きのこには自律神経に働きかけてストレスや疲労の緩和を助けるGABAや、ストレスホルモンを抑えて目覚めや寝付きを助けるオルニチンなど、リラックスや睡眠ケアをサポートする栄養素も豊富に含まれています。

また、きのこは調理法を工夫することで、うま味も栄養もぐっと引き出せます。たとえば、炒める前に軽く塩をふると水分が飛んで香りが立ち、電子レンジで加熱するとうま味が凝縮されます。様々な種類のきのこを組み合わせれば、風味や食感の違いが食卓を豊かに彩ってくれます。

日照時間が短くなる秋は睡眠の質を高めやすい時期でもあります。シーンごとに合わせた光や良眠をサポートするきのこの力を取り入れて、秋を健やかにそして心豊かに過ごしていきましょう。