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Do My Best, GO! 〜アスリートインタビュー

プロアスリートを支える食事に迫る。第19回 バスケットボール・林 咲希選手インタビュー

2022.06.01
プロアスリートを支える食事に迫る。第19回 バスケットボール・林 咲希選手インタビュー

明日への一歩を応援する「Do My Best, Go!」。第19回は東京オリンピックで銀メダル獲得に貢献した林咲希選手。高校の部活動では食べて体を鍛え、大学では栄養学を専攻して自己管理の大切さを学んだという林選手に、食生活を通してのこれまでの歩みについてお伺いしました。

まずは昨年の、東京オリンピックでの銀メダル獲得。林選手は逆転の3点シュートなどチームの得点源として活躍されましたが、林選手の感想や周りの反応を聞かせてください。

銀メダルを獲得してファンの方や周りの反応がすごかったので、そういう意味では「オリンピックってすごいな」というのは感じました。ただ、自分自身は「目の前のことを頑張る」というスタンスでバスケをやっているので、オリンピックに出たからといって自分の中身は何も変わっていなくて、「目の前の試合を頑張った」という感覚です。無観客だったので変な緊張感もなくやれたので、もう少し時間が経つと「すごい舞台だったんだな」と思うかもしれません。

ただ、オリンピック後にたくさん取材を受けるようになって感じたことは、今は女子バスケの熱が高まっているので、「この熱を冷まさないように、これからも頑張っていきたい」というのは強く思いますね。

そんな林選手ですが、バスケットボールはどのようなきっかけで始めたのでしょうか。

父がミニバスチームの創設者(雷山ミニバスケットボールクラブ)としてチームの代表をしていたのと、その影響で3歳と5歳上の姉がバスケをやっていたので、私も小学校2年からバスケを始めました。家族の影響で自然とバスケの道に入りましたね。

子供の頃から身長が高かったのですか?

小学校の頃は小さいほうから数えたほうが早かったですが、高校に入る頃には170㎝くらいになっていて、家族の中でも一番高くなっていましたね。中学校の頃は成長痛で膝が痛かったことを覚えています。

学生時代の部活動の思い出を教えてください。

精華女子高校時代の部活で思い出として残っているのが、「食べる合宿」です。夏に一週間ほど、しんどい練習のあとに、食べて体を鍛える目的の合宿をやっていました。ご飯をたくさん炊いて、おかずもたくさんあって、それを無くなるまで部員みんなで食べるんです。食事は保護者の方や先輩方が作ってくれて、差し入れもたくさんしてくれました。高校の部活ではジュースや菓子パン、お菓子を食べるのは禁止でしたが、苦ではなかったですね。食べることに関しては、体にいいことを積極的にやっている部活でした。

それはすごいですね。中高生時代からご飯はよく食べる方でしたか?

高校の頃に一時期、食が細くなったときはありましたが、それ以外はめちゃめちゃ食べていましたね。中学時代は給食のお代わりをよくしていました。ただ、子供の頃は納豆が苦手でした。ですが、体にいいと聞いてから食べるようになって、今では試合前に必ずご飯に納豆と温泉卵のセットを欠かさず食べるほど大好きです。

高校時代は自宅から学校に通われていたとお伺いしましたが、食事面で意識していたことはありますか?

当時はそれほど気を遣っていなかったのですが、母が毎日バランスのいい食事を作ってくれました。朝は絶対にお味噌汁が出ましたし、夜はご飯、魚、副菜、サラダなどがバランスよくありました。
子供の頃って、栄養のことってわからないと思います。今になって、母が作ってくれた食事はバランスが良かったのだと感謝の気持ちでいっぱいですね。うちは外食をしない家庭だったので、家族全員で毎日食卓を囲んで食べていました。20歳になってからは私がお酒を飲めるようになったこともあり、帰省したときに家族で外食に行くのが楽しみになりましたね。

林選手は食事の栄養バランスにも気をつけているとのことですが、何かきっかけがあったのでしょうか?

大学で一人暮らしを始めて、親からの仕送りの影響もあって、バランスよく食材を買って作ることを考え始めました。3年生のときに栄養学の授業を受けてからは栄養について特に意識するようになりました。講師の方が陸上経験者の方だったので、スポーツ選手の食事の大切さや栄養のことをたくさん教えてくれて、その授業はすごく好きでしたね。白米、肉、野菜、きのこ、魚など、一つ一つの食材の脂質や糖質、栄養素を調べながら食べていたので、今でも食べるときにはそういった成分を気にするようになりました。高校時代の食べて鍛える合宿や、大学での栄養学で学んだことは今に生きています。

毎日のように練習をして、授業があっても、自炊をするのは苦ではなかったのでしょうか?

苦ではなかったです。むしろ、みんなに振る舞いたいので、自炊は楽しかったです。鍋とかよくやりましたね。みんなで割り勘して食材を買って、私の部屋で鍋を作って食べました。大学時代のいい思い出です。楽しかったですね。

得意料理を教えてください!

魚の煮つけかな。昔は魚が苦手だったけど、今は好きになってよく食べています。洋食系もけっこう作りますね。オムライスやロールキャベツとか。あとは、お酒に合うおつまみ系を作るのが好きになりました。

では、好きなキノコ料理はありますか?

鍋をするのが大好きなので、鍋にはキノコも好きなのでよく入れますね。寮の食事でもシイタケやシメジ、マイタケなどキノコ類はよく出てきます。中でも鮭のホイル焼きが好きで、鮭に添えられているシメジが美味しいので好きなメニューです。きのこは栄養があって、ヘルシーで血液をサラサラにしてくれるイメージです!

現在、食事の内容や栄養について、特に意識していることがあれば教えてください。

競技によっては食事制限をされているスポーツもありますが、バスケットボール選手は食事制限というのはない選手が多いと思うので、食事に関しては自己責任という面があります。自己管理をしっかりして食べるということですね。
自分がプレーしやすい体重を維持できれば何を食べてもいいのですが、逆に食べすぎると体を動かすのがきつくなるので、常日頃から自分のベストな状態や体重を知っておき、試合の日にベストの体重に持って行けるような食べ方の調整はしています。あとは、食べ物の好き嫌いがないので、バランス良く食事を摂ることを心がけていますね。

きのこらぼ限定公開 INTERVIEW

では最後に、ジュニアアスリートたちへ食事のアドバイスをお願いします。

試合でパフォーマンスを発揮するには体作りも大切です。中高生の頃はご飯を食べるところからトレーニングをして、たくさん食べて体幹を鍛えて、そのうえで自分の課題に取り組んでほしいです。若いうちは自分から行動に移せばそれが成長につながるので、何でもトライしてほしいです。

林選手の Do my best,GO!

■好きな言葉、座右の銘は?
「今を頑張る」というのが自分のテーマ。自分はあまり先を見ずに目の前の練習や試合を大切にして臨んでいるので、「今を頑張る」ことが座右の銘ですね。

■競技人生で忘れられないシーン、ゴールは?
いっぱいありますが、中でも大学3年のインカレ準決勝、愛知学泉戦で残り0.3秒で決めた逆転シュートは忘れられません。東京オリンピックでは、初戦のフランス戦が印象に残っています。三好南穂選手と交代したあとに決めた3ポイントは忘れられないシュートです。大会に入るまで私はシュートスランプに陥っていたので、初戦で1本決まったことで「これでイケる!」とホッとしました。それからやっぱり、準々決勝のベルギー戦の残り15.2秒で決めた逆転3ポイントですね。私自身はその試合ではシュートが入っていなかったので、逆転シュートが決まったのはうれしかったけれど、決めなければならない私の仕事でした。

■リラックス方法、切り替え方法は?
神社に行くのがいいと聞いたので、神社に行くようにしています。一人でドライブがてら神社に行って、神社を歩いて散策するのが好きです。

■これからの目標、目指す姿とは?
怪我をせずに、いつでもめちゃめちゃ走って、めちゃめちゃシュートを決める選手になることです。走ること、動くこと、シュートに関しては、誰にも負けずに一番になりたいです。

■林選手にとってバスケットボールとは?
バスケットボールは楽しいもの。それしかないです。思うようにいかなくてきつい時もありますが、それを乗り越えるために挑戦して、成長していくことがとても楽しいです。楽しいからバスケットボールをやっています。

林選手が今食べたい菌勝メシ

コメント

自分の身体としっかり向き合い、バランスよく食べることや、その時に身体が必要とするものを選ぶようにしています。きのこは栄養があって、ヘルシーなイメージ。きのこやお肉、野菜の入ったおにぎらずなら、手軽にバランスよく栄養がとれるのがいいですね。

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profile

林 咲希

(はやしさき)

1995年3月16日生まれ、173cm

ENEOSサンフラワーズ所属、福岡県出身
クイックリリースで打つ3ポイントとランニングプレーを得意とするシューター。頭角を現したのはアウトサイドプレーヤーに転向した白鷗大時代。大学4年次にはインカレで白鷗大を初優勝に導き、得点王とMVPを受賞。2017年ユニバーシアードでは銀メダル獲得に貢献し、2019年に日本代表入りを果たす。東京オリンピックでは準々決勝ベルギー戦で残り15.2秒に逆転となる3ポイントを決めた。2021年のアジアカップ、2022年ワールドカップ予選では日本代表のキャプテンを務めている。愛称はキキ。

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