運動をもっと楽しむ!“思い通りに動ける身体”をつくる「コーディネーショントレーニング」とは
2025.11.17
秋から冬へと季節が移り変わるこの時期。公園では黄色やオレンジに色づいた落ち葉をサクッサクッと踏み鳴らしながら、元気に遊んでいる子ども達の姿を見かけることも多くになりましたね。
五感で秋を楽しむ子どもたちを見ていると、私たちも身体を動かす楽しさに改めて気付かされるように感じます。
さて、皆さんは「コーディネーション能力」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか。
人間は運動をする際に、脳から「身体を動かす命令」が出され、その命令に従って身体を動かしています。この命令と動きを調節する力のことをコーディネーション能力といい、言い換えると、「自分の身体を自由に操る能力」といえます。
コーディネーション能力は、運動能力やパフォーマンスを左右するともいわれており、身体を自由に操ってスポーツを楽しむためには必須の力ともいうことができます。
そこで今回からは全5回に渡り、 “思い通り自由に動ける身体”を育てるトレーニング「コーディネーショントレーニング」をご紹介します。
<Let’s Try!>
STEP1【壁おし片足立ち】
今回は立って実施するトレーニングのため、まずは良い姿勢を作るための体幹トレーニングをご紹介します。

- 左手を壁につき両足で立ちます。
- ゆっくりと左足をあげて片足立ちになります。
- 片足立ちを10秒間キープします。
- 左手と右手を入れ替え、片足立ちを10秒間維持します。
- 足を降ろします。右手を壁についたまま、左右を入れ替えて同様に実施します。
- ワンポイントアドバイス:背中が反ってしまう場合は手で壁を押すのではなく、身体全体で壁を押すイメージでやってみましょう!
STEP2【ダンボールキャッチ】
次は、良い姿勢を保ちながら反応能力を鍛えるトレーニングをご紹介します。
〔レベル1〕

- Aは壁の前に両足で立ちます。
- Bはダンボールで作った板を壁に押さえつけるように持ちます。
- Bは自分のタイミングでダンボール板を離します。
- Aはダンボールが地面につく前に手で押さえて止めます。
- まずは利き手で3回連続、その後に逆の手で3回連続できるか挑戦してみましょう。
〔レベル2〕
レベル1が安定してできたら、片足立ちでチャレンジしてみましょう!

- ワンポイントアドバイス:簡単にできるようになったら、フェイントなど入れて段ボールを落とすタイミングをずらしてみましょう!
STEP3【割り箸キャッチ】
〔レベル1〕

- Bは割り箸の先端を人差し指と親指で摘み、Aの前に出します。
- Aは割り箸の下に手を入れすぐに掴める準備をします。
- Bは自分のタイミングで割り箸を離します。
- Aは割り箸が地面に落ちる前にキャッチします。
- まずは利き手で3回連続、その後に逆の手で3回連続できるか挑戦してみましょう。
- ワンポイントアドバイス:ダンボールキャッチより素早い反応速度が求められます。取ることだけでなく姿勢を崩さないように意識しましょう。
〔レベル2〕
レベル1が安定してできたら、片足立ちでチャレンジしてみましょう!

- ワンポイントアドバイス:簡単にできるようになったら、フェイントなど入れて割り箸を落とすタイミングをずらしてみましょう!
今回のまとめ
今回はコーディネーション能力の中でも【反応能力】をメインに鍛えるトレーニングをご紹介しました。コーディネーション能力はこの他にも6つの能力がありますので、次回も引き続き、コーディネーション能力を鍛えるトレーニングをご紹介します。
<Let’s Eat!>きのこの力で子どもの健やかな成長をサポート
晩秋の11月は、日中の暖かさと朝晩の冷え込みの差が大きく、身体が気温の変化に対応できなくなりやすい季節です。こうした寒暖差は、自律神経のバランスを乱しやすく、身体のだるさや疲れ、風邪をひきやすくなる原因になります。また、乾燥した空気や冷たい空気の刺激ものどや気道の状態を悪化させることがあります。
そんな季節におすすめなのが、血流を促して身体を内側から温めることです。身体を温めることで体温が上がり、免疫力の維持や病気にかかりにくい身体づくりにもつながります。食事の面で温活をサポートしてくれる食材のひとつに「きのこ」があります。きのこには、エネルギー代謝を助けるビタミンB群が豊富に含まれており、身体の中で熱(エネルギー)を生み出すのに役立ちます。
本格的な冬が始まる前に、食事や生活の中に温活を取り入れて、親子で元気に過ごせる身体づくりを始めましょう。
旬を迎える秋の食材やきのこを食卓に取り入れて、心も身体も健やかに過ごしていきましょう。
<厳選レシピ>
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きのこの参鶏湯風スープごはん
寒さが厳しくなると、身体は体温を保つために多くのエネルギーを使い、自然とお腹が空きやすくなります。一方で身体が冷えると血流が悪くなり、胃腸の働きも低下しやすくなってしまいます。そんなときにおすすめなのが、身体を内側から温めながらエネルギーを補える「スープご飯」です。
きのこには、糖質を効率よくエネルギーに変換するのに欠かせないビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は、糖質の代謝を助け体内で熱を生み出してくれるため、冷えた身体を内側から温めるのに役立ちます。スープの温かさときのこの持つ“代謝を助ける力”を組み合わせた身体を温めるのにピッタリの一品です。 -
きのこと豚肉のネギ塩ダレ焼き
寒さに負けない身体をつくるためには、筋肉量を増やして基礎代謝を高めることが大切です。筋肉は熱を生み出す「エンジン」のような存在で、冷えにくい身体づくりには欠かせません。きのこには、豚肉のたんぱく質に含まれるアミノ酸の代謝・合成に必要なビタミンB6が豊富に含まれています。さらに、旬の長ねぎに含まれる香りと辛味の成分であるアリシンには、豚肉やきのこに多いビタミンB1の吸収を高める働きがあります。これらの栄養素が組み合わさることで、体内のエネルギー代謝が活発になり、身体も温まりやすくなります。筋肉づくりと熱を生み出す代謝の両面から、冬の寒さに負けない身体をサポートしてくれる一品です。
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きのこあんトロ〜リ♪ふろふき大根
きのこに豊富なビタミンDは、免疫細胞の働きを正常に保つうえで欠かせない栄養素です。さらに、腸や皮膚のバリア機能を高める作用もあり、寒暖差で体調を崩しやすい時期の風邪予防に役立ちます。また、ビタミンDは日に当たることで体内で合成されますが、日照時間の短いこの時期は不足しやすいため、食事で摂ることが大切です。ほかにも、免疫力を保つためには、体温を一定に保つことも意識しましょう。あんには身体を温める効果が期待される生姜も入っており、とろみのあるあんは熱を逃がしにくいため、寒い時期にぴったりです。家族みんなの免疫力維持と寒さ対策におすすめの一品です。
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きのこを味わうとろろ鍋
寒くなると、家族みんなで囲みたくなるのが鍋料理です。鍋の定番の具材であるきのこ類や旬の野菜には、身体の調子を整えるために欠かせないビタミンやミネラル、食物繊維がたっぷり含まれています。中でも、きのこや旬の長芋には、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維がバランスよく含まれています。水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサになって腸内環境を整え、不溶性食物繊維は便通を促して腸の働きを助けます。さらに、腸には免疫細胞の約7割が集まるため、腸を整えることで免疫維持にもつながります。寒暖差で体調を崩しやすい時期こそ、栄養たっぷりの鍋料理で身体の中から元気をチャージしましょう。
profile
松本大学人間健康学部健康栄養学科専任講師
兵庫大学を卒業後、管理栄養士免許を取得し、運動と栄養の両面から研究する運動栄養学を大阪体育大学大学院で学ぶ。大学院卒業後は、スポーツクラブアクトス、チームニッポン・マルチサポート事業(栄養)で健康づくりの運動指導やトップアスリート栄養サポートに従事して現職に就く。現在は、運動栄養学の教育・研究とともに、県内・外のアスリートの栄養サポートを行う。
【資格】
管理栄養士、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士、修士(スポーツ科学)
順天堂⼤学卒業。⼤学在学中に⼋千代リハビリテーション学院とのWスクールを経て理学療法⼠免許を取得。卒業後は相澤病院にてスポーツリハビリテーション業務に従事しトップから成⻑期アスリートの競技復帰を⽀援。その傍ら、⽇本⾃転⾞競技連盟マウンテンバイクのトレーナーとして東京五輪に、⽇本スケート連盟ショートトラックナショナルチームトレーナーとして北京五輪に帯同。現在は様々な競技のトップアスリートから⼩学⽣までの⾝体づくりを⾏っている。
【資格】
理学療法⼠、⽇本スポーツ協会アスレティックトレーナー、中・⾼保健体育教員免許
⾼崎健康福祉⼤学卒後、理学療法⼠免許取得。卒業後は相澤病院で整形外科や内科など幅広い疾患のリハビリテーション業務を担当。その後、オーストラリアへ留学し政府認定のトレーナー資格を取得。帰国後はトップアスリートから⼩学⽣まで幅広くトレーニング指導を⾏う。現在は⽇本スケート連盟ショートトラック強化スタッフとしてジュニアナショナルチームを中⼼にトレーニング指導も⾏っている。
【資格】
理学療法⼠、Cert3 fitness(オーストラリア政府認定トレーナー資格)



