子どもの“良い姿勢”は体幹がカギ!姿勢の崩れを防ぐ体幹トレーニング
2025.08.18
セミの鳴き声が盛んに聞こえる、夏本番。夏休みを楽しんでいるお子さんも多いのではないでしょうか。一方で、夏休みの宿題で机に向かう時間が増え、そんなお子さんの様子を見て「姿勢」が気になっている保護者の方もいらっしゃるかと思います。
良い姿勢のためには「体幹」の筋肉が重要ですが、近年、この「体幹」の弱い子どもが増えているといわれています。
では、「体幹」は具体的にどこを指すかご存知でしょうか。
解剖学的には「頭と手足を除いた全ての部位(胴体)」を指します。体幹と聞くとお腹周りを想像しがちですが、胸や背中も含まれます。また、体幹には身体を支える姿勢維持機能や、身体を動かす運動機能などがあります。
そこで今回は「風船」を使って楽しくできる、良い姿勢づくりに欠かせない体幹トレーニングをご紹介いたします。
良い姿勢の維持にもつながるため、机に向かう前にぜひお子さんと一緒にチャレンジしてみてください!
<Let’s Try!>
STEP1【体幹に力を入れる感覚を養おう】
まずは“体幹の力”を感じることから始めます。どこを鍛えるかを理解しながら進めるとトレーニングがより効果的になります。

- 仰向けで寝転がり両腕を広げ、足をまっすぐ伸ばします。
- 足を揃えて左に少しずらし、元々足があった場所に風船を置きます。
- おへそを覗くように顔を少し持ちあげます。
- 風船に当たらないように両足を持ちあげ、風船の右側へ移動させ足をおろします。
- 同様に反対側(風船の左側)に両足を移動させます。
- これを5回繰り返します。
- ワンポイントアドバイス:両足の移動中は息を止め、足をおろしたら息を吐きましょう。慣れてきたら頭をあげずに行い、体幹に力が入るかどうかをチェックしましょう。
STEP2【体幹と股関節を一緒に使おう】
姿勢づくりや運動能力向上のためには単に体幹の力を鍛えるだけでなく、四肢と連動して体幹を支えることが重要です。今回は下肢(股関節)と連動したトレーニングです。
〔レベル1〕

- 仰向けに寝転がり、両腕を広げ、風船を膝ではさみ足を持ちあげます。
- 風船をはさんだままゆっくり膝を伸ばします。
- 踵が床に着いたら①の姿勢にゆっくり戻ります。
- これを5回繰り返します。
- ワンポイントアドバイス:背中が反ってしまう場合は頭を少し持ちあげておへそを覗くようにしてみましょう。
〔レベル2〕
レベル1ができたら、風船をはさむ場所を足に変えてチャレンジしてみましょう。
これを5回繰り返します。

- ワンポイントアドバイス:膝を伸ばすときに足に力を入れすぎないようにしましょう。(足の力に頼ることを防ぐことにより、体幹の力を使いやすくなります。)
STEP3【ペアトレーニングで体幹を鍛えよう】

- 片方の人(A)がSTEP②〔レベル2〕のように風船を足ではさみます。もう片方の人(B)は仰向けになり、腕を広げて寝転がります。
- Aは足を伸ばしてBに風船を渡します。Bは仰向けの姿勢から足を持ちあげ風船を足でつかみます。
- Aは風船がBに渡ったら足をおろします。Bは風船を足でつかんだら股関節と膝を曲げます。
- 今度はBからAに風船を渡します。10回風船の受け渡しができるかチャレンジしてみましょう。
- ワンポイントアドバイス:お互いに風船を見るように頭を少しあげておくとお腹の筋肉を使いやすくなります。
今回のまとめ
今回は良い姿勢づくりに欠かせない体幹トレーニングの中の「体幹と下半身」を連動して使うトレーニングをご紹介しました。次回は「体幹と上半身」を連動して使うトレーニングをご紹介します。
夏休みの宿題の前や運動不足になりやすいおうち時間の中で、ぜひ体幹トレーニングにチャレンジしてみてくださいね。
<Let’s Eat!>きのこの力で子どもの健やかな成長をサポート
暑さがピークを迎え、暑さ対策としてエアコンを使用する機会がますます増えてきました。一方で長時間冷房の風に当たると身体が冷えすぎてしまい、自律神経の乱れや血行不良を招き、免疫力の低下に繋がることもあります。特に子どもは体温調節機能が未発達で、夏は室内外の温度差が大きいこともあり、夏風邪にかかりやすくなります。こういった時期には、日頃から免疫力を高める生活習慣が大切です。中でもビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含むきのこ類を食事に取り入れ、外の暑さと冷房による冷えで不調を感じやすくなる夏を元気に乗り切りましょう。
<厳選レシピ>
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栄養満点! きのこの冷やしばくだんそば
暑さ対策のためには体温を下げることが大切です。暑さが続くこの時期は、きのこの冷やしそばで身体の内側から冷やし、食事による暑さ対策を行いましょう。きのこはビタミンB1が豊富で、炭水化物のエネルギー産生を助けてくれるため、炭水化物が豊富なそばとの相性も抜群。特に運動前のエネルギーチャージにおすすめの一品です。
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ホットプレートのカラフルバーベキュー
きのこや牛肉、かぼちゃに豊富な亜鉛は、免疫細胞の増殖や活性化を助けて、体内の免疫力を高めてくれます。さらに、きのこに豊富なビタミンDも同様に免疫細胞を活性化する働きを持ち、亜鉛と一緒に取ることで、更なる免疫力アップを助けます。室内外の温度差が原因で起こる夏風邪の予防におすすめです。
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生どんことモッツァレラチーズのマリネ
夏バテや夏風邪の予防には、食事だけでなく睡眠もとても大切です。規則正しい睡眠習慣におすすめなのが、きのこに豊富に含まれる睡眠導入を助けるGABAや睡眠の質向上を助けるといわれるオルニチン。また、チーズに含まれる「トリプトファン」は体内で睡眠ホルモンの「メラトニン」に変わる物質のため、暑さで寝苦しさを感じやすい夏におすすめです。
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きのことチキンの夏野菜煮
免疫細胞の多くは腸管に存在するといわれ、腸は体内で最大の免疫器官ともいわれています。きのこには、β-グルカンや食物繊維が豊富に含まれており、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えるのを助けてくれます。夏野菜にも食物繊維がたっぷり含まれるので腸管免疫が活性化され、感染防御が働き、全身の免疫力向上にも役立ちます。
profile
松本大学人間健康学部健康栄養学科専任講師
兵庫大学を卒業後、管理栄養士免許を取得し、運動と栄養の両面から研究する運動栄養学を大阪体育大学大学院で学ぶ。大学院卒業後は、スポーツクラブアクトス、チームニッポン・マルチサポート事業(栄養)で健康づくりの運動指導やトップアスリート栄養サポートに従事して現職に就く。現在は、運動栄養学の教育・研究とともに、県内・外のアスリートの栄養サポートを行う。
【資格】
管理栄養士、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士、修士(スポーツ科学)
順天堂⼤学卒業。⼤学在学中に⼋千代リハビリテーション学院とのWスクールを経て理学療法⼠免許を取得。卒業後は相澤病院にてスポーツリハビリテーション業務に従事しトップから成⻑期アスリートの競技復帰を⽀援。その傍ら、⽇本⾃転⾞競技連盟マウンテンバイクのトレーナーとして東京五輪に、⽇本スケート連盟ショートトラックナショナルチームトレーナーとして北京五輪に帯同。現在は様々な競技のトップアスリートから⼩学⽣までの⾝体づくりを⾏っている。
【資格】
理学療法⼠、⽇本スポーツ協会アスレティックトレーナー、中・⾼保健体育教員免許
⾼崎健康福祉⼤学卒後、理学療法⼠免許取得。卒業後は相澤病院で整形外科や内科など幅広い疾患のリハビリテーション業務を担当。その後、オーストラリアへ留学し政府認定のトレーナー資格を取得。帰国後はトップアスリートから⼩学⽣まで幅広くトレーニング指導を⾏う。現在は⽇本スケート連盟ショートトラック強化スタッフとしてジュニアナショナルチームを中⼼にトレーニング指導も⾏っている。
【資格】
理学療法⼠、Cert3 fitness(オーストラリア政府認定トレーナー資格)