Performance up MethodPerformance up Methodパフォーマンスを高めるコンディショニング!Powered by 順天堂大学 女性スポーツ研究センター

ビタミンDでパフォーマンスアップ!

「ビタミンDレベルが低い人=運動パフォーマンスも低い」というアメリカの研究報告がありましたが、では逆に、ビタミンDを適度に摂取することは、アスリートにどのようなメリットがあるのでしょうか。最新の報告では、パフォーマンス向上はもちろん、コンディション維持やリカバリーにも役立つ、大切な栄養素であることが明らかになっています。

筋肉の強化&補修

ゴールまでの“戦略”を立てよう血中濃度に比例して筋力が高くなるという研究報告はこれまでにもありましたが、ビタミンDが間接的に筋肉の再生や修復にも貢献していることが近年の研究*²で報告されています。

瞬発力アップ

ゴールまでの“戦略”を立てよう2018年平昌オリンピックのスピードスケートで日本女子初の金メダリストとなった小平奈緒選手は、2014年のオランダ留学中、ビタミンDが瞬発力を高める効果がある*³と知り、強化期間に摂取していたといいます。

免疫力アップ

ゴールまでの“戦略”を立てよう適度な運動は免疫力を高めるといいますが、激しいトレーニングなどで日々身体に負荷をかけているアスリートの場合は免疫力が下がって病気に感染しやすいという一面もあります。ビタミンDは免疫力や抵抗力を高めてくれるため、身体のリカバリーを早めてくれます。また、風邪やインフルエンザなど感染症のリスクを下げてくれるとの報告*⁴もあります。

不足? 過剰? ビタミンDの適量とは

ビタミンDの充足状況は、血中の25OHDという値でみることができますが、健康を維持するための至適濃度は、40~60ng/mlといわれています。20ng/ml 未満で不足状態、10ng/ml未満で欠乏症。100ng/mlまでは過剰の問題はないといわれています。また食事から摂取する目安として、厚生労働省が年齢別の基準も設けています。

「日本人の食事摂取基準」(2015年度版)
※一日当たりのビタミンD食事摂取基準についてはリンク先PDFの17ページをご参照ください。

適度な日光浴でビタミンDを補充しよう

「太陽のビタミン」とも呼ばれるビタミンD。日光に含まれる紫外線B波(UVB=短波長紫外線)が皮膚を刺激することで、皮膚の表面でビタミンD₃が生成されます(日光浴で必要以上にビタミンDが作られることはなく、過剰症になることはありません)。
外来を受診した女性アスリート34人に対し、ビタミンDの血中濃度を調べたところ、疲労骨折の経験があるアスリートは、経験のないアスリートよりもビタミンDの不足が認められました*⁵。また競技別では、屋外競技のアスリートが27.1ng/mlだったのに対し、屋内競技のアスリートは19.9ng/mlと低く、屋内でスポーツをするアスリートのビタミンD不足が懸念されるという結果*⁵を得ました。

水分

健康な日本人で、血中のビタミンD濃度を月別で調べた研究によると、ピークの9月に比べ、3月では半分以下にまで落ち込んだという報告*⁶もあります。
地域・季節・時間帯・皮膚のタイプによって違いはありますが、日焼けをしない程度に数十分程度(夏15分、冬30分)、週に3~4日、皮膚のごく一部だけでも日光浴をしたいものです。

出典:金子晴香, 木下 真由子, 石島 旨章, 北出 真理, 櫻庭 景植, 金子 和夫. (2017).
女性アスリートのビタミンD充足状況. 日本臨床スポーツ医学会誌, 25(4), 296.

ビタミンDの効果

“D欠乏”も“D過剰”も経口摂取から

栄養素が不足すると、ついサプリメントに頼ってしまいがちですが、サプリメント等でビタミンDを大量に摂取した場合、高カルシウム血症や腎機能障害などの症状が現れますので注意が必要です。魚や卵、そしてきのこ類など、ビタミンDが多く含まれる食材は比較的限られますが、通常の食事ではほとんど過剰症になることはありませんので、できるだけ食事での摂取を心がけてください。
植物由来D₂を多く含む食材・・・マイタケ、キクラゲ、ブナシメジ、シイタケなどのきのこ類
動物由来D₃を多く含む食材・・・イワシ、カツオ、サケなどの魚貝類やイクラ、卵黄、バターなど

ビタミンDの効果

ビタミンDは脂溶性ビタミンですので、マイタケやシメジといったきのこ類を調理する際には、炒め物や揚げ物など油を使った調理法にすることで、ビタミンDが溶けだし、より吸収しやすくなります。また、骨の強化にはカルシウムを含む食材と合わせて摂るのがおすすめです。

健康な骨や筋肉を作るだけでなく、成長期の発育発達にも影響を与え、さらには運動パフォーマンス向上にまで関係しているというビタミンD。まずは食事からの摂取を心がけ、補給のためにも適度に日光を浴びて、ビタミンDをしっかり身体に取り込んでいきましょう。

参考文献
*2 Sports Med. 2018 Mar;48(Suppl 1):3-16
*3 J Sports Sci. 2013;31(4):344-53
*4 BMJ. 2017 Feb 15;356:i6583
*5 日本臨床スポーツ医学会誌 (1346-4159)25巻4号 Page S296(2017.10) 会議録
*6 J Bone Miner Metab. 2005;23(2):147-51

監修者 金子 晴香(Haruka Kaneko)

監修者 金子 晴香(Haruka Kaneko)
2003年に筑波大学医学専門学群卒業、2012年医学博士号取得。整形外科専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医の資格を有する。自身も陸上競技(砲丸投、円盤投)の経験者であり、現在は日本陸上競技連盟医事委員を務め、国際大会などにドクターとして帯同している。講演会等の講師としても活躍しており、スポーツの現場と医療との懸け橋となっている。
順天堂大学医学部整形外科学講座講師、順天堂大学女性アスリート外来整形外科担当。
順天堂大学医学部付属順天堂医院 女性アスリート外来ウェブサイトhttps://www.juntendo.ac.jp/womanathlete/

今月の菌勝メシ

骨を強くする! ビタミンDの話

成長期の皆さんに必要な“骨づくり”。試合でケガをせず全力を発揮するためにも食事から、丈夫な骨を作りましょう!

きのこの炒め肉豆腐

きのこには骨の主成分であるカルシウムの吸収を促すビタミンDが豊富に含まれるため、カルシウムと摂ることが効果的。またモロヘイヤに豊富なビタミンKが骨へのカルシウムの吸着を促すので、さらに強い骨づくりが期待できます。

レシピイメージ きのこの炒め肉豆腐