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Do my best, GO! 〜輝く女性たち

第12回 『acutti』店主 圷みほさん

2022.01.14
第12回 『acutti』店主 圷みほさん

自分らしさを探求しながらイキイキと人生を楽しんでいる方に、生き方のヒントをうかがう連載企画「Do My Best, Go!」。第12回は、暮らしのアイテムを揃えたウェブショップ『acutti(アクッティ)』を主宰する、圷みほさんのインタビューをお届けします。

築40年の集合住宅をフルリノベーションした自宅のインテリア、センスの光るもの選びなど、Instagramで発信されるていねいな暮らしぶりも人気の圷さん。2021年8月には『acutti』のアトリエをオープンし、活動の幅を広げる一方、実生活では6歳の女の子の母でもあります。仕事に子育てに忙しい中でも、いつも笑顔を絶やさない圷さんに、日々の暮らしで大切にしていること、健やかな心身を保つ秘訣をうかがいました。

圷みほさん

自分の「好きなこと」「楽しいこと」を仕事に

2015年、“毎日の暮らしを少し楽しくする衣・食・住”をコンセプトにオープンした『acutti』。お店を始めたのは、自身の身体の変化がきっかけだったと、圷さんは振り返ります。

「大学を卒業後、IT系の企業で働いていたんですが、やりがいはあったものの、忙しくて体調を崩してしまって……。将来を考えたとき、好きなことをしよう、この先子どもが生まれたら子育てと好きなこと、どっちも楽しめることを仕事にしようと。会社を辞めて、少しの間セレクトショップで経験を積んでから、子育てと両立しやすいウェブショップをオープンしました」

ウェブショップのオープン後に誕生した娘さんは、現在6歳。この春、小学生に。「まだ手はかかるけど、私の中では子育てがひと段落した感もあって、昨年の夏に念願だったアトリエを作りました。完成して数カ月、今は不定期オープンですが、徐々に家とアトリエとバランスを取りながら、リズムを付けて生活できるようになりましたね」

圷みほさん

人との出会い、繋がりを大切に

雑貨好きだった母親の影響もあり、小さいころから雑貨が好きだった圷さんのもの選びのセンスはInstagramを見ればおわかりの通り。『acutti』には、手触りのいいタオル、使うほど愛着の湧くカップなど、圷さんが実際に愛用する品々、じっくり吟味した暮らしを彩るアイテムがラインアップされています。

「長く使えるもの、経年変化を楽しめるものに出会える場所でありたいなと思っています。また、“作る人と使う人の思いを繋ぐ”というのも、テーマの一つ。有名な作家さんはたくさんいますが、私が紹介したいのは、どちらかというと、まだあまり知られていない作家さん、作り手さんたち。“実は、こんなにすてきな人がいるんだよ”と、お客様に発信していきたいです」

圷みほさん

最近はコロナ禍で機会が減っていたものの、陶器市やイベントがあれば、積極的に出かけるという圷さん。今の仕事の醍醐味を聞くと、「人との出会いが多いことですね」と、迷いなく答えます。「作家さんはもちろんですが、お客様との出会いがあって、そこからまた新たな出会いが広がって……。アトリエのある横浜市青葉区にも、衣・食・住・子育てと、おもしろい活動をしている人がたくさんいるのですが、そういった人たちとの繋がりもいい刺激になります。お仕事だけど、ある意味、遊びの延長でもある。私自身が楽しいことが、何より魅力ですね」

圷みほさん

無理をせず、好きなことはいつでも全力で

周囲の空気を和ませる、ほんわかとやわらかな笑顔が印象的な圷さん。仕事に家事、子育てと多忙な日々の中、いつも笑顔でいられるための秘訣をうかがうと、「ムリはしない、好きなこと・楽しいことは全力でやる、ですね」とにっこり。

「最近特に印象に残っているのが、キャンプ。もともとキャンプは好きで、娘が4、5歳になったころからは家族で行くようになったんですが、冬キャンプは今季が初めて。アラジンストーブとホットカーペットで寒さ対策を万全にして、お座敷スタイルでぬくぬく・ゴロゴロして、すごくよかったですね。お鍋をしたり温泉に入ったり、富士山パワーをたっぷり浴びて、寒い時期ならではの楽しみ方ができました。キャンプごはんも好きなのですが、鉄のフライパンで焼いて、バター醤油で味付けたエリンギもおいしかったです。

キャンプを終えて家に帰ると、身体の疲れはそれなりにあるけれど、元気なんですよね。気持ちって大事だなと、改めて思いました」

圷みほさん

また、娘さんと過ごす時間もかけがえのないひととき。母と娘、ときには友達同士のように、同じ時間を共有していると楽しそうに話します。

「子どもが生まれると、自分の時間がなくなるという考え方もありますよね。でも私は、娘が赤ちゃんのころから、抱っこやベビーカーでいろいろなところにふたりで出かけていました。おかげで上手にストレス発散ができて、育児期を楽しく過ごせたなと思います。今は娘とおしゃべりしたり、一緒にお菓子を食べたりする時間がすごく好きなんです」

ときどき“しゃちょう”としてアトリエにやってくるという娘さん。いつの間にか「おすすめです!」と書かれた、娘さん手書きのポップが棚に貼られていることもあるそう(笑)。そんな心ゆるむエピソードも、圷さんを笑顔へと導いているに違いありません。

圷みほさん

きのこでおいしく、腸内環境を健やかに

娘さんが生まれたころから、自然と食生活を意識するようになったという圷さん。不要なものはなるべく取らず、できるだけ身体によいものを。でも、決して無理に制限するわけではなく、“できる範囲で”が圷さん流です。

「食材は生協の宅配サービスで、足りない分は近所の生協で買い足しています。実をいうと、料理はもともとすごく苦手。好きなことしかやらない性格なので、あまり興味もなかったのですが(笑)、コロナ禍で外食ができなかったとき、家でもおいしいものを食べたいと思うようになったら、料理が楽しくなってきて。うまく手抜きをする方法もわかってきたので、前よりずっと好きになりました」

圷みほさん

中でもきのこは、毎日の食事作りで頼りになる食材。ご主人も娘さんも大好きで「争奪戦になるほど」あっという間になくなってしまうといいます。

「マイタケは天ぷらやおみそ汁にしたり、ブナシメジやシイタケはチーズやマヨネーズをのせてグリル焼きにしたり……。きのこはプリプリ・シャキシャキで食感がいいし、簡単な味付けでおいしくできるのがいいですね。

お鍋もよく作るのですが、おすすめはエノキと大根の豚バラ巻き。エノキタケと大根の千切りを豚バラで巻き、おだしでグツグツ煮たら、大人はポン酢や黒酢で、子どもはそのままいただきます。鍋の底に白菜やブナシメジをたっぷり敷き詰めると、豚バラ巻きも安定するし、ボリュームも出ておいしいですよ」

圷みほさん

腸内環境を整えるため、毎朝食べていたというヨーグルト。それが、体質の変化からか突然食べられなくなり、替わりに意識してとるようになった食材のひとつが、きのこだそうです。

「きのこは免疫力を上げるとも聞きますし、食物繊維が豊富で、デトックス効果もあるとか。もともと冷え性でむくみやすい体質なので、そういった意味でも積極的に食べたい食材だなと思います。でも、やっぱりいちばんの魅力は味。おいしくて、身体にいいのがいちばんですよね」

体調を崩した経験があるからこそ何事も無理をせず、自分のペースで。心の声に耳を傾けながら、好きなことに真摯に向き合う圷さんは、日々の暮らしを心から楽しんでいるように見えます。飾らずに、自分らしくいること。それが、圷さんのおだやかな笑顔の秘訣なのかもしれません。

圷みほさん

profile

圷みほ

(あくつ みほ)

栃木県出身。大学卒業後、IT企業、セレクトショップ勤務を経て、ウェブショップ『acutti(アクッティ)』をスタート。古家具や古道具を取り入れたインテリア、センスのいい暮らしのアイテム選びがInstagramで話題に。2020年、築40年の集合住宅をフルリノベーションした自宅をテーマに初の著書『かごと木箱と古道具と。日々をいろどる”もの”選び(ワニブックス刊)』を上梓。2021年8月には、神奈川県横浜市に『acutti』のアトリエをオープンする。
acutti: https://www.acutti.com/
Instagram: @mih0n

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