Do my best, GO! 〜一流女性たち

第4回 ヘア&メイクアップアーティスト 長井かおりさん(後編)

2021.03.19
第4回 ヘア&メイクアップアーティスト 長井かおりさん(後編)

自分らしくイキイキと人生を楽しむ方々に、日々の生活や考え方を通して素敵な生き方の秘訣を教えていただく連載企画「Do My Best, Go!」。今回は、前回に引き続き、ヘア&メイクアップアーティストとして活躍する長井かおりさんのインタビュー【後編】をお届けします。

自分らしく生きるために二度、冒険をする

仕事への向き合い方や、美容のために腸内環境をはじめ体の内側からも整えようという積極的な姿勢が印象的な長井さん。その明るい振る舞いからは順風満帆な人生を歩んできたように見えますが、実は苦労してきた時期はとても長かったそうです。

短期大学を卒業したあとは化粧品メーカーに就職し、美容部員をしていた長井さん。23歳のときに思い切って会社員を辞め、ヘアメイクアップアーティストの道へと進むことを決意しました。しかし経験もなくゼロからのスタートだった彼女に仕事はほぼありません。そんなつらい時期を乗り越えられたのは、どうしてもやりたい仕事だったから。アシスタントなどで下積みを重ね、地道にヘアメイクを自分のものにしていきました。

長井かおり01

「会社員のままでい続けなかったのは、どこか退屈だったのかもしれませんね。堅実派だけど冒険心もある人間なのだと思います。この両方の感覚があるからこそ、一般の方に向けた提案や化粧品を売るための戦略も立てることができると思っています」

20代後半はヘアメイクの事務所に入って生活も安定していましたが、30歳のときに再び生活を変えることに。「私でなければできないような仕事に携わりたいと思ったので、ファッション系から美容系のメイクへと転身を決めました」

業界が狭く競争率の高い美容系は、新規の参入は狭き門だといわれています。特にコネクションもない状態での独立で、仕事がほぼない生活に戻ってしまった長井さんでしたが、女性の悩みを解消するメイクレッスンを開くなどして、美容系メイクの道からブレないように進み続けました。

長井かおり02

転機が訪れたのは、一般社団法人ランガールに所属してスポーツメイクを発信していたころ。汗で落ちないスポーツメイクがひとりの編集者の目に止まり、2016年にメイク本を出版します。

「ダイヤモンド社の『必要なのはコスメではなくテクニック』という本が売れて美容雑誌にも出るようになりました。そこから仕事が一気に増えて、自分の世界が広がっていったんです」。そして2020年にはご自身の監修コスメ『N by OnlyMinerals』も発表。長井さんが持つ美容の知識とエッセンスが詰まったコスメは全国で販売され、話題となりました。

長井かおり03

飾らない姿を見せることでよい環境が生まれる

つらい時代を経験してきた長井さんがようやく見つけた“自分らしい仕事の秘訣”は、大きくわけて二つあります。それは成功体験を積むことと、自分にとっていいチームを組むこと。

ご自身の仕事のスタイルを、「冒険心はありますが、アート派ではなく堅実派です」と表現する長井さん。遠い未来に大きな目標を掲げて進んでいくより、目の前の仕事を確実に丁寧にこなしていくスタイルを貫いてきました。その小さな一つひとつの成功体験が蓄積し、大きな自信へと変わっていったのです。

そして仕事のパートナーも長井さんの支えになっています。ひとりで仕事をしていたころよりも、相談相手が周りにいる今のほうが悩みや落ち込みを次の日に持ち越さなくなった上、困りごともスムーズに解決するようになったといいます。

長井かおり04

「わからないことがあったら、すぐに周りの人に相談しています。意外と若い子に聞くとおもしろい気づきが返ってきたりするんですよ。もしかすると昔は自分をよく見せようとしていた時期もあったかもしれませんが、等身大の自分を出していったほうが楽だと気づいてからは、『どうしたらいいと思う?』という弱さは、信頼している相手には見せています。そんな姿を見た相手も、『じゃあ一緒に考えよう』という気持ちになってくれているようです」

自ら気さくに頼る姿を見せることで、キャリアの異なるパートナー達とも深く話し合える環境が構築されていくのでしょう。長井さんからにじみ出るやわらかな人柄も仕事場の明るい雰囲気も、飾らない姿でいることで生まれているように思えます。

一歩踏み出すタイミングは自分の心が決める

大変だった過去も笑って語れるくらい、充実した今を過ごしている長井さん。それを支えているのは、ポジティブな考え方と、食事や運動など日々の中で大切にしてきた健康な身体、内側からの美しさがあってこそなのかもしれません。自分らしく生きる第一歩の踏み出し方について、今までの経験を噛み締めながらアドバイスを残してくださいました。

「前へと踏み出す時期は誰かに背中を押されたときではなく、自分のタイミングで決まると思いますよ。もし迷って踏み出せていないのであれば、まだ時期ではないのではという気がするんです。物事にはご縁があって、必要なときにマッチするもの。毎日少しずつ気持ちにも変化はあるので、しっかりと自分の心に耳を傾けてみてください」

ダメだったからと悲観して終わるのではなく、次の機会を逃さないようにアンテナを張っておくこと。2回に渡りお届けした長井さんのお話からは、仕事のこと、美容のこと、そして健康のことと、これからの人生に訪れるさまざまなチャンスを掴むヒントになるのではないでしょうか。

長井かおり05
長井かおり(ながい・かおり)
短大卒業後、百貨店で美容部員として勤務。23歳のときにヘア&メイクアップアーティストへ転身。雑誌、広告、映像などのメディアでモデルや女優のヘアメイクを手がける。また会社員時代の知識を活かして全国でメイクアップセミナーの講師や化粧品メーカーのイベントに登壇するなどの活動も精力的に行なっている。著書は『時間がなくても大丈夫! 10分で“いい感じ”の自分になる』(扶桑社)、『世界一わかりやすいメイクの教科書』(講談社)など。
https://www.nagaikaori.com/

きのこらぼに無料会員登録をしていただき、ログインした状態で記事をご覧いただくとポイントがもらえます。
貯まったポイントは、プレゼント応募にご利用いただけます。