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Do my best, GO! 〜輝く女性たち

第1回 ライフスタイルプロデューサー / NEXTWEEKEND代表 村上萌さん(前編)

2020.09.14
第1回 ライフスタイルプロデューサー / NEXTWEEKEND代表 村上萌さん(前編)

自分らしさを探究しながら、生き生きと人生を切り開いてきた方々に、今の考え方や日々のライフスタイルを通して、生き方のヒントについてお聞きする連載企画「Do My Best, Go!」。第2回目は、コミュニティメディアNEXTWEEKENDの代表、そしてライフスタイルプロデューサーとして活躍する村上萌さんのインタビューをお届けします。

大学卒業後「ライフスタイルプロデューサー」という職種を自ら掲げ、人脈を広げ、仕事を生み出し、その後会社やブランドを立ち上げて、心弾むライフスタイルを提案し続けている村上さん。活動の根源には、どんな時にも自分の選択を肯定し続けてきた前向きな思いと工夫がありました。

家族とも社員とも「気持ち」や「状況」をシェアする

村上萌さんは、「季節の楽しみと小さな工夫で、理想の生活を叶える」をコンセプトにしたコミュニティメディア「NEXTWEEKEND」を運営する、ライフスタイルプロデューサーです。夫がプロサッカー選手で、移籍に伴って住む場所が変わる“2拠点生活”のなか、会社「ガルテン」を経営し、3年前には長女を出産されて、家のこと、会社のことに加えて、子どものことも加わって毎日フル稼働です。そんなご自身の経験や感性から紡がれるライフスタイルや生き方に、時に背中をポンと押されたり、時に自分の中にある“甘え”に気づかされたりと、女性を中心に多くの方から支持されています。

村上さんの日常は、家事、育児、仕事と“やること”を数え上げたらきりがない印象ですが、生活に疲弊することなく、 むしろ前向きに“自分の生き方”を探究し続け、日々の暮らしを大切に、自分らしく楽しまれています。

「2拠点生活は常に“非日常”のような状態で、寝る寸前まで仕事をしていたなんてこともありました。アスリートである夫は、残業はないですし、いつまでも仕事をし続ける私とは働き方のスタイルが全く違います。一方、会社も私が毎日出勤できるわけではないので社員とは物理的な距離が生まれてしまいます。だからこそ家庭でも会社でも気をつけているのが、“きちんと言葉にして伝える”ということです」と村上さんは語ります。

離れていてもSNSやZOOMなどのオンラインツールを活用して、忙しい中でもコミュニケーションをとって、 “不在”を感じさせない工夫を欠かしません。家族一緒の時間が限られているから余計にその時間を大切にし、東京にいる時は仕事時間の密度を上げて一気に取り組むなど、オンオフの切り替えが明確です。「頭の中では常に仕事のことを考えています」と苦笑しながらも、仕事とプライベートの時間を分けることで仕事の集中度が上がり、夫には仕事の状況を、社員にはオフタイムの予定も伝えることでお互いの絆が深まって、気持ちのすれ違いがなくなり、さらに会話が弾むという好循環が起きているようです。

「社員に『明日、明後日は日中イルカと泳いでいるけど、夜なら対応できるよ』なんて具体的に予定まで伝えています。会社では毎月、月末にそれぞれに「働き方宣言」をして月単位で公私の優先事項を共有するようにしているんです。社員も最近子どもがよく体調を崩すとか、今月は子ども2人をワンオペするから○時に退社しますとか発表することで、互いに応援し合える関係性が生まれています」と、嬉しいことや楽しい予定だけではなく、悩みや抱えている問題をシェアすることで、事前に相手の状況や立場が理解でき、互いにフォローし合う関係性を育まれているそう。

口にせずに一人で悩みや仕事を抱え込んで、“察して”という雰囲気を醸し出す。そんな女性にありがちな行動パターンで人間関係がギクシャクしてしまうケースは多々ありますが、そうしたネガティブな出来事もこうした仕組みをつくることで解消し、職場のチームワークがいっそう深まっているようです。

「私自身、働き方宣言を通して社員の方を深く知ることができています。ZOOMで参加することが多いですが、離れた場所にいても気持ちがグッと近くなる感覚があります。これは家族間でも同様で、私の仕事のことや社員の状況をある程度夫にもわかってもらっているからこそ『○○さんがそんな状況なら、力になってあげた方がいいよ』と応援してくれるんです。気持ちや状況をシェアする、プライベートも仕事もいい意味でミックスすることで、気持ちの距離が本当に縮まります」と村上さん。お互いに相手を理解する、思いやりの気持ちが家庭でも職場でも浸透していることが伝わってきます。

「自分で決める」を習慣化して、人生に言い訳をしない

著書や共著も数多く出している村上さんは、今年6月には新刊『受けつぎごと。』が、9月18日には2021年度『週末野心手帳』が発売され、8月で会社は10期目を迎えるという話題に事欠かない状況が続いています。しかし、そうなるまでに歩いてきた道のりは決して平坦なものではありませんでした。ひたむきに努力し続けた結果が実を結び、今があります。では、村上さんは辛い時や困難な状況に陥った時は、どうやって切り抜けてきたのでしょうか。

「自分がこうありたいと思う暮らしは、NEXTWEEKENDのコンセプトである“季節の楽しみと小さな工夫で、理想の生活を叶える”と連動していて、目の前のことを楽しくカスタマイズし続けたことで今のライフスタイルがあります。また、仕事で常に意識しているのが、自分で選んで、選んだ結果をきちんと実感すること。誰かに決めてもらって、それが良くない結果になるとその人のせいにしがちですが、自分で決めると、次はどうしたらいいか、自然と改善策を考えるようになります」。

「それは大袈裟なことではなく、小さなことでもそうです。例えばお店でカレーをオーダーして、しっかり味わって、もしそれが美味しくなかった時に『まぁ、なんでもいいや』と思うのか、次は違うものを頼んだり、下調べしてからお店を決めるようにするのかなど、自分の選択をちゃんと味わうことで、改善を繰り返して、習慣にしていくことで自分が本当に望むもの、望むことが見えてきます。これは仕事に限らず住まいも、食事も、パートナーも、生き方全般に言えて、気持ちが自然と過去ではなく未来へ向かうんです」。

後編はこちら

村上 萌(むらかみ・もえ)
株式会社ガルテンの代表取締役社長。「季節の楽しみと小さな工夫で、理想の生活を叶える女性を増やす」がコンセプトのコミュニティメディア「NEXTWEEKEND」の代表・編集長としてウェブサイトの運営や雑誌を刊行。イベントの企画・運営、ECストアの運営、その他、空間演出や商品開発など幅広く手がける。2019年1月にコーヒースタンド「GARTEN COFFEE and Seasonal wishes」を東京・神宮前にオープン。著書多数で、近著にお母様との共著『受けつぎごと。』がある。アスリートの夫と3歳の娘との2拠点生活で、現在は大阪を拠点に活躍中。

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