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Do My Best, GO! 〜アスリートインタビュー

第2回 バスケットボール 富樫勇樹 選手 インタビュー

2020.10.05
第2回 バスケットボール 富樫勇樹 選手 インタビュー

プロとして活躍する方々のインタビューを通し、明日への一歩を応援する「Do My Best, Go!」。
第3回目は、プロバスケットボールB1リ―グ、千葉ジェッツふなばしに所属するバスケットボール日本代表、富樫勇樹選手のインタビューをお届けします。
身長167センチと小柄な体格ながら、圧倒的なスピードとテクニックを磨き、日本代表にまで上り詰めた富樫選手。体調管理や食事では常に“自然体”を重視する富樫流のコンディショニング術から、日本バスケ界を牽引する小さな巨人の素顔に迫ります。

食事やコンディションのケアに対してどのように意識をされていますか?

今がいいかはわかりませんが、昔よりは意識しなくてもある程度、身体に良いものを食べるようになってきた感じはあります。好き嫌いはいまだにありますけど、好きなものの中でも栄養素の高いものを食べようという風に、自然となってきました。けっして無理してではなく、美味しいから食べているので、ストレスはありません。食わず嫌いな物もありましたし、いろいろな物を食べ始めて、その美味しさに気付き、どうせ食べるなら栄養素の高い物を摂ろう、と徐々になっていきました。偏食を少しずつ改善していくことで、パフォーマンスも上向きになったと思います。

日本食もお好きだとお聞きしましたが、きのこの入ったメニューでおすすめはありますか?

そうですね、きのこの入った味噌汁は食べることが多いですね。

※アスリートにおすすめのきのこの味噌汁

きのこにはアスリートの身体に良いビタミン・ミネラル等の栄養素が豊富に含まれています。中でも味噌汁は、汁に溶けだした栄養素も丸ごと食べることができ、さらに、菌食材のきのこと味噌のW菌活で効率よく腸を整えることが期待される最強のメニューです。(ホクト管理栄養士)

試合前日や当日に気をつけていることは?

いっさいないです(笑)。試合の前日も、イタリアンだろうが焼き肉だろうがカレーだろうが、自分が大丈夫だと思う物を食べています。ただ当日は、試合開始の何分前にどれくらいのお腹の状態にするかは意識していますね。気にするのは何を食べるか、というよりは、食べる時間ですね。強いて挙げるとすれば、試合前はうどんなど麺類を食べることが多いです。

そのスタンスは試合後も同様ですか?

そうですね。でも基本的にお肉が好きなので、「肉が食べたい!」ということが多いです。

食事以外の面で、試合前後のルーティンなどはありますか?

練習前も試合前も出発前にお風呂に1回入りますね。お風呂に入るのが自分の中でスイッチな部分があって、シャワーとかではなく湯船に浸かります。長風呂というわけではないんですけど、身体の面でも気持ちの面でも良い切り替えになっているなと思います。

富樫選手

自粛期間中はコンディションづくりの面で難しい部分もあったかと思いますが、どのように過ごしていたのでしょうか?

Bリーグは昨シーズンが中断して、新シーズンの開幕が10月に決まっていたので、そこまで焦ることはなかったです。コンディションの面では、体重を落とさないことを意識していました。僕はどちらかというと減っちゃう方なので、できるだけ体重をキープするようにというのは気をつけました。最近は特に、練習前におにぎりを食べるなど、間食を増やすことも意識しています。

※食事と間食の大切さ

身体は毎日の食事から作られており、栄養が足りないと筋肉等が分解され体力もパワーも低下してしまいます。そうならないためにも、食事から、身体の材料となるご飯やお肉などの三大栄養素と、その働きを助けるきのこや野菜などの潤滑栄養素をとることが不可欠。特にアスリートは食事だけでは栄養素が不足しやすいので、間食(補食)を用いながらパフォーマンスを整えることが大切です。(ホクト管理栄養士)

現在27歳ですが、年齢を重ねていくなかで、バスケに対する思いやプレーへの変化はありますか?

逆に歳を取ったからといって、今まで自分が追い求めてきたもの、自分のプレースタイルを変えたくないなという思いはあります。いつまでもこのプレースタイルでやっていけるような選手でいたいなという気持ちは、年々強くなっているかもしれないですね。いろいろな経験を積んで、ベテランらしいというか、チームにとって良いことっていう部分もわかってきた気はするんですけど、それでもやっぱり1人のバスケ選手である以上、自分のプレースタイルというのは今後も貫いていきたいという気持ちはあります。

それはやはり30代を迎える今後も変わらずという思いですか?

できるだけ長くという思いですね。とくに自分の今のプレースタイルだと、本当に結果を残さないと、選手としてはいい評価をもらえないと思うので。もちろん、チームの勝利が第一というのは当たり前のことで、そこは絶対ですが、プラス自分が活躍したいとか、試合に出たいとか、そういう気持ちをずっと持っていたいなと。

ベテランになればなるほど、チームの勝利優先、という風になっている選手もいますし、それが決して悪いということではなく、1人の選手としてコートでどれだけ結果を残し続けていけるかというのは、自分に問い続けていきたいです。

アスリートにとってケガは付きものだと思いますが、ケガとはどのように向き合っていますか?

半年以上離れるようなすごい大きなケガというのは今まで経験がなく、2か月くらいのケガは2~3回あるんですけど、あまりネガティブになることはないですね。試合中や練習中に起きたケガはしょうがないと。仮に準備を怠っていた場合は後悔もあるかもしれないですけど、接触の激しいスポーツなので、自分がしっかりと準備をした上でケガをした場合は本当にしょうがないとしか言えないですね。

(昨年の)ワールドカップ前に手をケガした時も、けっこう周りの方が落ち込んでいて「逆に連絡できなかった」と言ってくれた人もいたんですけど、僕はまったくそんなことなく。一言、しょうがないなと。タイミングがどうとか思ったこともないですし、もちろん(W杯に)出たかったですけど、すぐに次に切り替えられましたね。

きのこらぼ限定公開 INTERVIEW

富樫選手は167センチとバスケ選手としては、かなり小柄です。それでも世界を相手に戦えるまでの選手になった、そのいちばんの要因はどこにありますか?

僕は自信を持ってやることがすべてだと思っています。高校でアメリカに行った時も、試合に出ることに対して不安を抱いて臨んだ時と、そうじゃない時のプレーの差は明らかに違っていました。そこからは、どんな理由をつけてでも自信を持ってプレーするようにしています。

自信を持つのは簡単なことのようで、難しいことだと思います。ジュニアプレーヤーたちにもできますか?

言い訳をつくってもいいです。たとえば「自分は小さいというハンデを背負って戦っているんだから」と思い込むとか。それによって失敗しても落ち込むこともなければ、次に切り替えられることもできると思います。

これはプレーに関しても同様で、たとえシュートを何本落としても「次の1本を決める!」、「次のシュートは絶対入る!」という気持ちを持つようにしています。それは小さい選手に限らないと思いますけど、常にポジティブにいることというのはいちばん意識している部分です。

その意識は練習中も?

練習は量も大事ですが、質はもっと大事です。質の良い練習をするには食事や睡眠など自分にあった生活リズムを見つけて、身体もポジティブな状態にしておくことが大切で、それが良いパフォーマンスにつながっていくと思います。

※アスリートと心身のコンディショニング

食物繊維が多く含まれるきのこは“第二の脳”と呼ばれる腸を整えることで、気持ちをリラックスさせ、集中力を高める効果が期待できます。また、腸は“健康の要”とも呼ばれるように、体調に大きく関わる器官。心身ともにポジティブな状態をつくるためにも、きのこなどの食材を取り入れ、毎日の食事で「腸」を整えていきましょう。(ホクト管理栄養士)

富樫勇樹(とがし・ゆうき)
1993年7月30日生まれ。167cm・65kg。千葉ジェッツふなばし所属。新潟県新発田市で生まれ育ち、小学1年生でバスケットボールを始める。本丸中学3年時に全国大会で優勝を経験後、アメリカのモントロス・クリスチャン高に留学。帰国後はbjリーグの秋田ノーザンハピネッツに入団し、新人賞を受賞。2013年にはNBAのサマーリーグに挑戦し、10月にダラス・マーベリックスと契約。2014-15シーズンはNBA下部組織のDリーグ(現Gリーグ)でプレーした。2015年に千葉ジェッツに入団し、5年間にわたりチームの主軸として活躍。2019年にはBリーグのMVPを受賞。日本代表としても2019W杯アジア予選で10試合に出場し、司令塔として予選突破に貢献した。

協力:THE DIGEST

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