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Do My Best, GO! 〜アスリートインタビュー

プロアスリートを支える食事に迫る。第23回 サッカー・岩清水 梓選手インタビュー

2022.10.01
プロアスリートを支える食事に迫る。第23回 サッカー・岩清水 梓選手インタビュー

明日への一歩を応援する「Do My Best, Go!」。第23回に登場していただくのは2011年にサッカー女子日本代表“なでしこジャパン”がワールドカップ初優勝を果たした際の一員で、センターバックとして名を馳せてきた岩清水梓選手。これまでのキャリア、プレーの質の高さにつながる食の大切さ、そして母親としての素顔など、様々なテーマでお話しいただきました。

まず、サッカーを始めたきっかけを教えてください。

小学校の時、少年団に入り、男の子と一緒にボールを追いかけていたのがきっかけです。当時のポジションはFWでした。一番足が速かったですね。今の私のプレースタイルとはまったく違いましたね。
振り返ると、メニーナ(ベレーザの育成チーム)に入ってから、ポジションがどんどん下がっていき、最終的にセンターバックに落ち着きました。ベレーザに入れたことで、自分のサッカー人生は大きく変化しました。なでしこジャパンに選出された多くの諸先輩方と一緒にサッカーができる環境が本当に大きかった。意志のない選手は上に上がれない環境に身を置けたことで、必然と上を目指すようになりました。

なでしこジャパンで初優勝を果たされたW杯ドイツ大会(2011年)ですが、戦前の予想で日本の優勝を予想した人は少なかったと思います。大会に臨むみなさんの心境はいかがでしたか?

ベスト4以上、前回大会以上の成績となるメダル獲得に向け、一丸になりました。そういう良い雰囲気で大会に入れました。そして、戦いが進むにつれ、チームは勝ちながら修正できました。やはり開幕戦は硬かったのですが、そこから徐々にイングランドやドイツといった強豪との戦いでチームに自信が付きました。(グループリーグでは)イングランドに負けましたが、(準々決勝では)開催国でもある強豪ドイツには勝利しました。この勝利は本当に大きかったです。要所で盛り上がることができました。

でも、練習ではお互いに高いレベルを要求し合いました。私はディフェンスなので、前線の選手に前からのプレッシャーのかけ方を要求しました。逆に前線の選手からはビルドアップの質などを要求されましたね。

お互いの意見のすり合わせを毎回の練習で、しっかり意識しました。宮間あや選手や大野忍選手がベテランと若手の橋渡し役となり、チームを引っ張ってくれました。そういったこともあり、チーム内に迷いはなかったです。コミュニケーションがしっかり取れるチームでしたね。佐々木則夫監督からは、特に守備に関しての指示が多かったです。攻撃はオープンに選手の自由を尊重してくれました。

続く2012年のロンドン五輪。ロンドン五輪では、岩清水選手が日本人選手として唯一、ベストイレブンに選出されましたね。

ベストイレブンへの選出についてはチームメイトのお陰です。みんながまとまった結果の銀メダル獲得と、私のベストイレブン選出だったと思います。でも、金メダルを獲れなかった悔しさも強いです。試合後、悔しくて泣いていたら澤選手が「胸を張り、笑顔で表彰式に出よう!!」とみんなに呼び掛けてくれました。この言葉には救われました。胸を張って出た表彰式もかけがえのない思い出です。

長いキャリアをもつ岩清水選手ですが、幼少期や学生時代はどのような食生活をされていましたか?

幼少期は、母親が料理を作ってくれるなかで食べ物の好き嫌いはありましたが、サッカーのため(コンディション作り)という思いは、少なからずありました。食事は3食、必ず母の作ったものを食べていましたね。なるべく外食も控えていました。そういう環境で育ちました。

ベレーザや日本代表での活動など、とても忙しいスケジュールのなかで取り組まれていると思いますが、コンディション調整や栄養管理はどのようにされていますか?

食事や睡眠は大事ですし、炭水化物、タンパク質など栄養素をバランスよく摂ることも意識しています。海外遠征は特にコンディション調整が難しいのですが、今挙げた点を大切にしていました。自分が母親になってからは生活リズムも変わりました。今は、2歳の息子に食事を食べさせることから一日が始まります。その後、自分の食事になりますが、息子がいてくれるからこそ、より規則正しい生活になっています。

栄養バランスを意識されているとのことですが、「きのこ」についての印象を教えてください。また、ご家庭でよく作るきのこ料理があれば教えてください。

家族みんな、大好きです。とくに子どもの頃に母親が作ってくれた、きのこ入りのみそ汁が大好きでした。
自分が母親になってからも、その使い方は受け継いでいて、我が家の食卓の定番として、家庭で作る味噌汁にはきのこを欠かさず入れています。うちの子どもは野菜があまり好きではないですが、きのこは食べます。なので、よくきのこを買い、食卓に並べ、家族全員で食べています。

きのこは低カロリーで栄養価の高い食材ですが、そういったきのこの栄養的な価値はご存じですか?

そこまで詳しくないですが、きのこの栄養価の高さは知っている方だと思うので、なるべく食べるように意識しています。

現在は子育てをしながら活躍される岩清水選手ですが、出産後にもう一度プロ選手に戻ろうと思った理由を教えてください。

出産後、33歳という年齢もあり、引退の二文字は浮かびました。でも両親に気持ちが引退に傾いていると報告した時に、母親から「サッカー選手、続けないの? 復帰してみたら?」と言われたんです。

私が若い頃、なでしこジャパンの宮本ともみ選手(現なでしこジャパンコーチ)がお子さんを連れて、代表合宿に参加されていました。その話は私の母親にも伝えていましたので、印象に残っていたようです。だから母親は宮本選手の話を覚えていたのか、「続けないの?」という反応だったのだと思います。

同様にアメリカ代表の選手も子どもと一緒に合宿に参加していたのを思い出しました。だから母親の言葉もあって、私も現役続行というチャレンジに心が徐々に傾いたんです。振り返ってみると人生のターニングポイントにはいつも両親が側にいたように思います。

きのこらぼ限定公開 INTERVIEW

最後に、プロを目指し頑張っているジュニアアスリートへ食事についてのアドバイスをお願いします。

まずは朝、しっかり起きることですね。朝ご飯を食べることから1日がスタートします。私は両親の影響もあり、子どものころからそういう生活をし、だからこそ怪我が少なかったのかなと。そして、3食しっかりと食べることは、練習の一環でもあると考えています。プレー面も大事ですが、その土台となる身体作りも重要です。しっかりとした睡眠と食事を摂ることも意識してください。土台となる身体がしっかりしていれば、怪我もしにくくなります。是非、食事と睡眠を意識してみてください!

岩清水 梓選手の Do my best,GO!

■リラックス方法、気持ちの切り換え方法は?
子どもが寝た後は、好きなテレビを見ながら、アイスなどの甘いものを食べます。また、1日や1週間の合間に、リラックスタイムを意識して設けています。頭を整理し、自分を見つめ直す時間にしています。

■好きな言葉、座右の銘は?
「継続は力なり」。この言葉を大事にしています。サッカーを辞めたくなる時もありましたが、コツコツと積み上げていくと、いろんな景色が見られます。辞めなかった背景には、負けず嫌いの性格もあるはずです。父親が怖すぎて、辞めると言い出せなかった面もありますが。

■これまでの競技人生の中で忘れられないシーンは?
2011年のFIFA女子ワールドカップ・ドイツ大会、決勝のアメリカ戦です。同点で迎えた延長後半ロスタイム、相手FWをペナルティエリアの外で倒し、一発退場処分を受けたシーンは忘れられません。結果的には、紙一重で失点を免れましたが、もし失点につながっていたら、自分が戦犯になっていたと思います。そういう意味でも、とても印象に残っており、人生が変わったターニングポイントです。この試合から、私の名前を知った人も多いと思います。

■これからの目標は?
やれるところまで現役にこだわりたいです。息子が私をサッカー選手だと認識するまでプレーできれば良いですね。あわよくば、引退セレモニーで、息子に手紙を読んで欲しいです。他の選手の引退セレモニーで、同様のシュチュエーションを見て、これはいいなと思いました。是非、私も同じ状況で引退したいです。
息子の今の年齢を考えると、もっともっと現役を続けなければいけません。引退後のプランは決まっていませんが、何かしらサッカーと関わり、貢献したいと思っています。そして母親としても、選手としても息子と一緒にこれから成長していきたいです。

■岩清水選手にとってサッカーとは?
小学校1年生からやっているので、私にとって生活の一部で、人生そのものです。

岩清水選手が今食べたい菌勝メシ

コメント

食事でのスタミナアップや筋肉のリカバリーを大切にしていて、この丼は一品でそれらが叶う点が良いですね。きのこは栄養もあって美味しくて、大好きな食材。食欲そそる味付けで、時短で簡単に作れるところも嬉しいです。

きのこたっぷり味噌豚丼

きのこには糖質やタンパク質の代謝を促すビタミンB群が豊富なので、ごはんや豚肉と合わせれば、効率の良いエネルギー補給が期待できます。また、にんにくやしょうがの香りで食欲もそそられます。しっかり食べて、元気な身体を目指しましょう!

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profile

岩清水 梓

(いわしみず あずさ)

1986年10月14日生まれ、163cm、55kg、岩手県滝沢市出身

日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属/DF/背番号33

大沼サッカースポーツ少年団-NTVメニーナ-日テレ・東京ヴェルディベレーザ(2001年入団)

小学校1年生の時に大沼サッカースポーツ少年団でサッカーを始める。当時のポジションは、FW。中学校1年生の時に、父親が当時のNTVベレーザ(現・日テレ・東京ヴェルディベレーザ)の下部組織であるNTVメニーナのセレクションに応募。見事、セレクション合格を果たした。以来、日テレ・東京ヴェルディベレーザ一筋で活躍を続ける。
その後、U-18、U-19、U-20の女子代表やユニバーシアード・トルコ大会女子代表に選出された。2006年には日本代表女子「なでしこジャパン」デビューを果たした。同年5月の国際親善試合アメリカ戦で代表初ゴールをマーク。以来、11の年FIFA女子ワールドカップドイツ大会優勝や12年のロンドンオリンピック日本代表初の銀メダル獲得など長きに渡りなでしこジャパンを支え続けた。

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