速く走るコツは “体幹”にアリ!腕振りが上達する体幹トレーニングとは?
2025.09.15
日中はまだまだ暑さが残る一方で、日が落ちるのが徐々に早くなり、秋の始まりを感じられるこの時期。今月は東京で世界陸上が開催され、テレビなどでトップアスリートの走りを目にする機会が増えた方も多いのではないでしょうか。
一方、子どもたちの走る姿を見ると、「腕を振って走ることができない」「腕を横に振って走っている」など、走るときの腕振りがうまくいかない子どもが多く、そのせいで走るのが苦手、と感じる子どもも多いようです。
これらの要因の一つには、体幹と腕が連動して使えていないことが挙げられます。体幹の筋肉を鍛えるとともに、連動して上半身の筋肉を使えるようになると、自然と走るときの腕の振り方も改善します。
そこで今回は、体幹を鍛えながら、上半身と体幹を連動させるトレーニングをご紹介します。前回に続き、今回も「風船」を使って楽しく実践していきましょう!
【前回の記事はこちら】
<Let’s Try!>
STEP1【体幹に力を入れる感覚をつかもう】
まずは腕を動かす時に“体幹の力”が入ることを感じましょう。
〔レベル1〕

- 仰向けで寝て両膝を立て、両腕を伸ばして風船を軽く挟むようにして持ちます。
- 大きく息を吸いながら、腕を伸ばしたまま風船を頭上へ動かします。
- 息を吐きながら①に戻ります。
- これを10回繰り返します。
〔レベル2〕
レベル1ができたら、両足をあげながらチャレンジしてみましょう!
これを10回繰り返します。

- ワンポイントアドバイス:腕を動かす時に背中が反ったり、お腹の力を感じられない場合は頭を少し持ち上げておへそを覗くようにしてみましょう。
STEP2【体幹と腕を一緒に動かしてみよう!】
体幹はいろんな方向に力を出すことが求められます。このトレーニングは体幹をひねる力と腕の連動を向上させる効果があります。
〔レベル1〕

- 両膝を立てて座り、両腕を伸ばして風船を軽く挟むようにして持ちます。
- 大きく息を吸いながら、身体と腕を一緒にひねり風船をお尻の横へ運びます。
- 息を吐きながら①の姿勢に戻ります。
- 同様に、反対にも風船を運びます。
- これを10回繰り返します。
〔レベル2〕
レベル1ができたら、両足をあげてチャレンジしてみましょう!

- ワンポイントアドバイス:風船だけ先に動かすと体幹が使いにくくなります。上半身と腕を一緒に動かすことを意識してみましょう。
STEP3【ペアトレーニングで体幹を鍛えよう】

- 背中を合わせ、膝を立てて座ります。STEP2のようにAが風船を持ち、Bは両腕を前に伸ばします。
- A・Bともに身体と腕を一緒にひねり、風船をAからBへ渡します。
- 風船を渡したらA・Bともに反対側へ身体と腕を一緒にひねり、風船をBからAへ渡します。
- これを5回繰り返します。
- ワンポイントアドバイス:身体をひねる際にお互いの背中が強く当たり過ぎないように注意しましょう。軽く触れるくらいを維持しながら動くと、体幹をより鍛えることができます。
今回のまとめ
今回は、腕と体幹を連動させるトレーニングをご紹介しました。走る際の腕振りはもちろん、腕はあらゆるスポーツで使われます。運動する前に今回のトレーニングを実践することで体幹に刺激がはいり、上半身との連動性が良くなります。
次回は体幹と上肢・下肢を連動して使うトレーニングをご紹介します。
<Let’s Eat!>きのこの力で子どもの健やかな成長をサポート
9月に入り、暦の上では秋を迎えます。今年は残暑が厳しいものの、秋は徐々に気温が下がり始め、身体は冬の寒さに備えてエネルギーを蓄えようとする働きが高まります。そのため、エネルギー源となる糖質や脂質を欲しやすくなるため、効率的なエネルギー代謝に欠かせないビタミンやミネラルも意識して摂るようにしましょう。
加えて、日照時間が徐々に短くなることで、骨の代謝に重要なビタミンDの体内合成量も減少するため、食事から積極的に補うことが大切です。
そこでおすすめの食材が「きのこ」です。きのこは低カロリーなうえ、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB群やビタミンD、さらには体調管理に役立つ食物繊維なども豊富です。
秋に旬を迎える魚介類や芋類などにも身体づくりに欠かせない栄養素が含まれるため、きのこと合わせることで旬の恵みを日々の食事に上手に取り入れ、美味しく楽しみながら、成長や健康に必要な栄養素をしっかりと摂るように意識していきましょう。
<厳選レシピ>
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きのことなすの栄養満点そうめん
きのこやなすには、それぞれ特有のポリフェノール類が豊富に含まれています。ポリフェノール類は強い抗酸化作用を持ち、運動や日常生活で増えやすい活性酸素を減らして身体を守り、炎症をやわらげる働きがあります。また、紫外線や季節の変わり目のストレスからくるダメージを軽減し、肌や身体の健康維持にも役立ちます。
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きのこと鮭のカレー炒め
きのこと鮭には、骨の健康に欠かせないビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の成長や丈夫な身体づくりを支える大切な栄養素です。きのこの香りに、カレーやマスタードの風味を合わせることで、暑さで食欲が落ちやすい時期にも食べやすい一品です。
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きのことさつまいものほくほくコロッケ
きのこには、エネルギー代謝を助けるビタミンB群が豊富に含まれており、旬のさつまいもに多く含まれる糖質を効率よくエネルギーへと変えてくれます。さらに、脂質の少ない鶏ひき肉を使用し、油で揚げずに作るため、消化にも優しい一品です。糖質を中心にバランスよく栄養補給ができるため、運動前のエネルギーチャージにもおすすめの一品です。
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きのこと里芋の香草ソテー
きのこや里芋には、水溶性と不溶性、両方の食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整え、免疫機能の働きを助けるため、感染予防にも役立ちます。長引く暑さで疲れた胃腸を労わりながら、旬の味覚をおいしく取り入れて、健やかな身体をつくっていきましょう。
profile
松本大学人間健康学部健康栄養学科専任講師
兵庫大学を卒業後、管理栄養士免許を取得し、運動と栄養の両面から研究する運動栄養学を大阪体育大学大学院で学ぶ。大学院卒業後は、スポーツクラブアクトス、チームニッポン・マルチサポート事業(栄養)で健康づくりの運動指導やトップアスリート栄養サポートに従事して現職に就く。現在は、運動栄養学の教育・研究とともに、県内・外のアスリートの栄養サポートを行う。
【資格】
管理栄養士、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士、修士(スポーツ科学)
順天堂⼤学卒業。⼤学在学中に⼋千代リハビリテーション学院とのWスクールを経て理学療法⼠免許を取得。卒業後は相澤病院にてスポーツリハビリテーション業務に従事しトップから成⻑期アスリートの競技復帰を⽀援。その傍ら、⽇本⾃転⾞競技連盟マウンテンバイクのトレーナーとして東京五輪に、⽇本スケート連盟ショートトラックナショナルチームトレーナーとして北京五輪に帯同。現在は様々な競技のトップアスリートから⼩学⽣までの⾝体づくりを⾏っている。
【資格】
理学療法⼠、⽇本スポーツ協会アスレティックトレーナー、中・⾼保健体育教員免許
⾼崎健康福祉⼤学卒後、理学療法⼠免許取得。卒業後は相澤病院で整形外科や内科など幅広い疾患のリハビリテーション業務を担当。その後、オーストラリアへ留学し政府認定のトレーナー資格を取得。帰国後はトップアスリートから⼩学⽣まで幅広くトレーニング指導を⾏う。現在は⽇本スケート連盟ショートトラック強化スタッフとしてジュニアナショナルチームを中⼼にトレーニング指導も⾏っている。
【資格】
理学療法⼠、Cert3 fitness(オーストラリア政府認定トレーナー資格)