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きのこを訪ねて

アミガサタケの推し活

2024.05.13
アミガサタケの推し活

春の訪れを感じるものといえば、「桜」「花見」「ウグイス」「新学期」「花粉症」など、人それぞれに「春だなあ〜」と感じるものがあると思いますが、きのこ好きにとっての春といえば「アミガサタケ」です。

春の到来を感じさせる動植物を「春告魚(はるつげうお)」「春告鳥(はるつげどり)」「春告草(はるつげぐさ)」と呼んだりしますが、アミガサタケはまさに「春告茸(はるつげたけ)」。桜が咲く頃~初夏に生えるので、春を告げるきのこと呼ばれています。

桜は日本で古くから愛されている花ですが、まだ暦が未発達だった頃には開花状況が農作業を始める目安として、暦の代わりにもなっていたそうです。その役割でいうと、現代でも「新たなきのこシーズンの始まり」を知るための目安になっていますね。

待ちに待った春が来たと教えてくれる桜とアミガサタケは、今も昔も特別な存在です。

ちょっとグロテスクな見た目にも思えますが、公園や道路脇に生えることも多く、私たちの身近にいるご近所さんでもあることを考えると、この特徴的な形もかわいらしく見えてくるから不思議です。

そんな愛嬌のある姿も相まってか、日本を含め世界中に支持者や愛好者(=ファン)が多く、春になるとSNSは各国からの「アミガサタケ採取自慢」の写真で溢れます。

そういった人々にとってアミガサタケというのは、日常生活を送る上で欠かせないライフワークであり、日々の暮らしをより幸せなものにしてくれる存在……そう、つまり「推し」なのです。

今回は、そんな我々の「推し」であるアミガサタケの「推しグッズ」をご紹介したいと思います。

アミガサタケモチーフのグッズは「アミガサタケ推しグッズ」と言えるのでは、ということで、コレクションの中からいくつかを集めてみました。

ユニークなものでは、「Morel Mushroom Scented Soy Candle」。 米国のアミガサタケファン&アミガサタケハンターが作って販売していた、アミガサタケの香りがするアロマキャンドルです。

オフシーズンでもアミガサタケを感じていたい、という深い愛情を感じます。

こちらは、アミガサタケ狩り専用スウェットシャツ。
「Trust Me I Have The Best Morels」
「Never Underestimate a Girl Who Forages」

このようなメッセージのデザインになっている背景としては、欧米ではきのこ狩りが身近なもので、「きのこハンター」を趣味とする人がそれほど珍しくないということにあります。

その中でもアミガサタケ狩りに関しては、毎年5月頃になると各地で採取コンテンストが開催されるなどの人気ぶりで、例えば、制限時間内に採取した本数を競いあったり、一番大きなアミガサタケ(もしくは一番小さなアミガサタケ)を見つけた人に賞金が出るなど、それぞれ趣向を凝らしたイベントが行われています。

人気のあるきのこは他にもありますが、このようなイベントが開催されるのはアミガサタケだからこそ。きのこの中でも特に熱狂的なファンがいるきのこと言っても過言ではないでしょう。

私もいつかこういうきのこハンティングコンテンストに参加して、世界中のきのこファンたちとワイワイ楽しんでみたいなあと思いながら、このスウェットシャツを着てアミガサタケを探す「推し活」に励みたいと思います!

profile

とよ田キノ子(とよだ きのこ)

ウェブデザイナー、きのこ愛好家。
2007年に“きのこ病”を発症し、以後「とよ田キノ子」名義で活動を開始。
きのこグッズコレクションの展示や、きのこをモチーフにしたイラスト作品展、きのこイベントなどを開催。
日々、きのこの魅力を伝える“胞子活動”を行っている。
『乙女の玉手箱シリーズ きのこ』(グラフィック社)監修、『きのこ旅』(グラフィック社)著、『八画文化会館叢書vol.04 公園手帖2 キノコ公園』(八画出版部)著。

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