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Do my best, GO! 〜輝く女性たち

第10回 モデル/アパレルブランド『WOM』ディレクター 忍舞さん

2021.09.17
第10回 モデル/アパレルブランド『WOM』ディレクター 忍舞さん

自分らしさを探求しながらイキイキと人生を楽しんでいる方に、生き方のヒントをうかがう連載企画「Do My Best, Go!」。第10回は、モデルで、アパレルブランドのディレクターとしても活躍中の忍舞(しのぶ)さんのインタビューをお届けします。

飾らない笑顔とナチュラルな佇まいが印象的な忍舞さん。季節の野菜や手作り調味料、発酵食が中心の健康的な食生活も注目されています。2018年には、第一子となる男の子を出産。仕事に家事に子育てに、多忙な日々を送る中でヘルシーな心と体を保つ秘訣を伺いました。

忍舞さん

年齢は関係ない。諦めずに叶えたモデルの仕事

ファッション誌から広告、CMまで、あらゆるメディアで大人気。モデルとして第一線で活躍する忍舞さんですが、意外にも「モデルとしては遅咲きのほう」と笑います。

「20歳から4年間はメイクアップブランドの美容部員を、その後はアパレルで販売員のアルバイトをしていました。ずっと芸能関係の仕事には興味があったけれど、なかなかきっかけがなくて。モデルとしての最初の仕事は、美容師さんに声をかけてもらったサロンモデルでした。うまく笑えないから『モデルなんてムリ』と思っていたけれど、やってみたらすごく楽しかったんです。2年ほどサロンモデルを経験したころ、『ちゃんとモデルとしてやっていこう』と、シフトチェンジを決意しました。28歳のときです」

事務所に所属したかったものの、厳しいモデルの世界、年齢がネックになって叶わなかったそう。それでも諦めることなく、フリーランスのモデルとして歩む道を選びました。「サロンモデル時代に知り合った雑誌の編集さんやライターさん、カメラマンさんが『こんな撮影があるよ』と声をかけてくれて、だんだん仕事をいただけるようになりました。紹介で広がった仕事も多いですし、まわりの人たちに恵まれたなぁと思います」

周囲を魅了する明るくオープンな人柄で、縁を繋げるごとに増えていったモデルの仕事。数日前のウエディングの撮影現場のことも、愛おしそうに振り返ります。

「朝6時から夜遅くまで、丸一日ずーっと撮影だったんですが、楽しくて仕方なかったです。きれいなドレスを着て、その度に違うヘアメイクをしてもらって、着せ替え人形の気分(笑)。ウェディングドレスなんて一生のうちに何着も着られないし、まだまだ撮影したかったぐらいです。仕事では、普段の自分にはない“キラキラの私”を味わっています。仕事がとにかく大好きで、たくさん予定が入っている日はルンルンしちゃうんです」

2020年には、アパレルブランド『WOM(ワム)』をスタート。洋服作りという新しいジャンルへの挑戦も始めました。

「働く女性やママに向けて、カジュアルでラクだけど、スタイルがよく見える服、着心地がいい服を提案しています。はじめにお話をいただいたとき、洋服は大好きだけど、作れるほどの知識はないから悩みましたが、やってよかった!自分が欲しい服、着たい服を作っているからなのか、今は楽しいという気持ちしかないですね」

忍舞さん

がんばりすぎず、“罪悪感のない手抜き”をする

どの仕事にも全力でパワフルに取り組んでいる忍舞さん。プライベートでは、2018年12月に男の子を出産したママでもあります。2歳といえば、わんぱくな盛り。仕事と子育てを両立するために、どんなことを意識しているのでしょうか。

「やっぱり食は大事です。以前から気を付けていたけれど、改めて食生活を見直したのは、息子が1歳を過ぎたころ。離乳食が終わって、大人と同じようなものを食べ始める時期です。産後、体がお肉を受け付けなくなったこともあるのですが、畜産や環境のことを調べるうち、『今の私には必要ないかな』と思うようになって肉、卵、乳製品をとるのをやめました。消化の負担が減ったせいか、体が疲れにくくなって肌の調子もいいです」

「あとは、発酵食を積極的にとるようにしています。おみそ汁が好きで、友達にみそ作りを教わってから、みそは自家製。もう6年ぐらい毎年作っています。作業は楽しいし、おいしいし、自分で作ったものは愛着もありますね。塩麴、しょうゆ麹も常備していて、息子が生まれてからは、梅干しも本格的に作るようになりました。今年は、梅6キロ分(笑)。梅干しを作ると梅酢とゆかりもできて、あますことなく使えるのもうれしいです」

忍舞さん

今年の夏から友人家族と共同で畑を借り、無農薬で野菜作りを始めたとか。息子さんのために、オートミールのクッキーやパウンドケーキなど、お菓子も作るようになったといいます。野菜も調味料もおやつも、作れるものは自分で。さぞ料理がお好きなのだろうと思いきや、「そんなことないです。むしろ苦手かも……」と意外なお答えが。

「ただ、どうせ食べるなら、おいしくて安心なものが食べたい。自分で作れば、何が入っているかわかる安心感がありますよね。それに、調味料がおいしければ、調理は適当でもおいしくでき上がる(笑)。面倒くさがりなので、調味料は自家製を含めて、ちゃんとしたものを使うようにしています」

がんばりすぎない。それは、忍舞さんのルールの一つ。「ときどき無理もするけれど、手抜きもたくさんしています。お惣菜も買うし、ヴィーガンの冷凍餃子やパスタソースに頼ることも。普通のレトルト食品に比べると少し値段は高いですが、やっぱりおいしいし、子どもにあげても自分が食べても罪悪感がないんです。そうやって上手に手を抜くことが、心の余裕にも繋がると思います」

忍舞さん

きのこは、だしとしても食材としても欠かせない食材

忍舞さんの健やかな心身を支えている食。中でもきのこは、欠かせない食材だといいます。免疫力を高めたり、腸内環境を整えたりといった健康効果も気になるところですが、「何より味と食感が好き」とにっこり。

「きのこは安いときにまとめ買いをして、種類ごとにほぐして袋に入れ、冷凍保存しています。ブナシメジ、エリンギ、マイタケ、シイタケ、エノキタケ、ナメコ……もう全部好き!おみそ汁には必ず2種類以上入れるし、パスタや炊き込みご飯もおいしいですよね。今はコロナ禍であまり機会がないですが、友達と自宅で飲むときは、耐熱皿に数種類のきのこを盛って、オリーブオイルをかけてトースターでチン。ソイチーズやトマトソースをかけてから焼くと、ボリュームが出て子どもも好きな味になります。きのこ自体がいい味を出してくれるから、味付けいらずでとってもラクです」

忍舞さん

お子さんが寝た後のリラックスタイム、晩酌の時間もきのこが活躍。簡単&驚きのおつまみレシピを紹介してくれました。「エリンギをそのまま、大きければ縦半分に切って、こんがりするまでトースターで焼いたら、塩かしょうゆ麹を混ぜたごま油をつけて食べます。簡単でしょ(笑)。エリンギの中心からジュワ~ッと旨味が出ておいしいんです。きのこだからヘルシーで罪悪感がなくて、延々と食べられますよ」

さまざまな食べ方できのこを堪能している忍舞さんですが、シイタケの使い方も興味深いところ。「2日間ほど天日で干してから、ミキサーで粉末に。昆布と切り干し大根もそれぞれミキサーにかけて、粉末だしとして使っています。これがすごく便利!おみそ汁を作るときは、鍋で沸かしたお湯に3つのだしをそのまま溶かせばいいし、砂糖、酒、しょうゆを加えれば、おいしいめんつゆになります。時短でできるし、作りたいときにすぐ作れるのがいいですね」

忍舞さん

答えは自分の中。自分が信じたものだけを信じたい

仕事も子育ても楽しむことを忘れずに、負荷を感じたら手を抜いたり、小さなアイデアで乗り切る。どっしりと太い芯を持ちつつも、柔軟に、日々の暮らしを紡いでいる忍舞さん。最後に、今、大切にしていることを尋ねると「人に流されないこと、かな」と、悩みながらも力強く答えてくれました。

「今はSNSに情報があふれている時代。その中にはきっと、自分にとっていいことも悪いこともありますよね。しっかり勉強して、考えて、自分が信じたものだけを信じたいなと思っています」

食生活や子育てに対する考え方は、人それぞれ。無数の価値観の中から“自分の正解”を探し、無理なく取り入れることが、毎日を楽しくするーー。忍舞さんの姿勢は、多くの女性たちの生きるヒントになるはずです。

忍舞さん

profile

忍舞

(しのぶ)

■1986年、宮崎県生まれ。美容部員などを経て、モデルとしてデビュー。雑誌や広告、CMなどに出演する。2018年に長男を出産、2020年にはカジュアルをベースに着心地のいい洋服を追求するアパレルブランド『WOM(ワム)』のディレクターに。洗練されたファッションセンスとヘルシーなライフスタイルが、多くの女性たちに支持されている。
Instagram: @sinobuuta

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