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将来の“歯”を左右する!幼少期の「噛む力・食べる力」の習得で“健康な歯”の土台づくり

2026.06.15
将来の“歯”を左右する!幼少期の「噛む力・食べる力」の習得で“健康な歯”の土台づくり

梅雨の季節となり、室内で遊ぶことが増える時期。おうちでのお子さんとの時間を楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。

さて、6月4日は「虫歯予防デー」です。この日をきっかけに、お子さんの歯や歯みがきについて、改めて気にかけてみようという方もいらっしゃるかもしれません。

虫歯の予防というと、丁寧な歯みがきや甘いものを控えることに目が向きやすいですが、実は毎日の「食べ方」や「噛むこと」、そして食事からとる栄養も歯や口内の健康に関わっています。そして、幼少期の食習慣や口内の健康は、将来の歯の健康や全身の健康づくりにもつながるといわれているため、子どものうちから意識しておくことが大切です。

そこで今回は、子どもの歯を守るためにとり入れたい生活のポイントや栄養素をご紹介します。毎日の食事や習慣を工夫して今のうちから健康な歯をつくっていきましょう。

INDEX

乳歯の時期の習慣が、将来の歯の健康を左右する?

「乳歯はいずれ抜けるから、神経質にケアしなくても大丈夫」と考える方がいらっしゃいます。しかし、乳歯の時期は子どもの「食べる力」を育てていく重要な時期のため、乳歯が健康な状態であることはとても大切です。

幼少期は、「噛む」「飲み込む」といった口腔機能が発達していくタイミング。この時期からしっかり噛んで食べる経験を積み重ねることは、将来の食習慣や口内の健康の土台になると考えられています。

また、厚生労働省が推進する「健康日本21(第三次)」では、子どもの頃からの生活習慣や健康づくりを進めることで生涯を通じた健康につなげる「ライフコースアプローチ」の重要性が示されています。その中の一つとして「歯や口内の健康」が含まれており、乳幼児期から学童期にかけて、口腔機能を健やかに育てていくことが大切とされています。

では、なぜ虫歯予防が大切なのでしょうか?
それは、虫歯により健康な歯が失われてしまうだけではなく、虫歯があることで痛みや違和感から“やわらかいもの”を好むようになったり、片側ばかりで噛む習慣につながったりすることがあるためです。
幼少期は、食べ方や噛み方の習慣が身につく時期でもあるため、日ごろから虫歯予防を意識するとともに、様々な食感のものを食べることで口腔機能の発達に繋げていくことが大切です。

さらに、小学生の時期は、乳歯から永久歯へ生え変わるタイミングでもあります。生えたばかりの永久歯は、歯の表面がまだ未成熟で、虫歯になりやすいとされています。特に奥歯は溝が深く、磨き残しも起こりやすいため、歯みがきを丁寧に行うことも意識していきましょう。

歯や口内の成長には「よく噛む」ことも大切!

食事のときに、「よく噛んで食べよう」ということを耳にすることが多いかもしれませんが、では、なぜよく噛んだ方が良いかをご存知でしょうか。
その理由は、「噛むこと」には食べ物を細かくするだけでなく、唾液の分泌を促すことで歯や口内の健康を守る働きがあるためです。
唾液には、口内の汚れを洗い流したり、食事により酸性に傾いた口内を中性に戻したりして、歯の表面を修復する「再石灰化」を助ける働きがあるといわれています。そのため、よく噛んで食べることは、歯や口の健康づくりにも役立つと考えられています。
また、噛む動きは、あごや口まわりの筋肉への刺激にもなるため、しっかり噛んで食べる経験を積み重ねることは、将来の「食べる力」の土台づくりにもつながるのです。

一方で、最近はやわらかく食べやすい食品が増えていたり、共働き世帯が増えたことで食事の時間が短くなり、「食べやすさ」を優先した料理が増えたりすることで、自然と噛む回数が少なくなっていると言われています。
そこで「少し噛みごたえのある食材」を意識的に食卓に取り入れてみるのもおすすめです。例えば、きのこ類は、食べ応えがあるため食感を楽しみながら自然と噛む回数を増やしやすい食材です。また、きのこは炒め物や汁物など様々な料理に取り入れやすいため、毎日の食事に加えてみてはいかがでしょうか。

成長期の歯を支える栄養素とは?

ここまで、歯を健康に保つことの重要性やそのポイントをご紹介してきましたが、成長期の歯や口内の健康を支えるためには、毎日の食事から「丈夫な歯」に必要な栄養素をしっかり摂ることも大切です。
歯の健康というと歯みがきが注目されますが、歯や口内も、毎日の食事からとる栄養素によってつくられています。特に成長期は、永久歯への生え変わりや身体の発達が進む時期でもあるため、日頃の食事からさまざまな栄養素をバランスよくとることが大切です。

中でも、牛乳や乳製品、小魚、大豆製品などに多く含まれているカルシウムは、歯や骨の材料となり、成長期の子どもにとって特に大切な栄養素のひとつです。さらに、カルシウムを効率よく利用するためには、カルシウムの吸収を助ける働きがあるビタミンDも欠かせません。ビタミンDは魚類のほか、きのこ類にも含まれているため、日々の食卓に取り入れていきたいですね。

また、歯ぐきや口まわりを含めた身体づくりにはたんぱく質が役立ちます。成長期は、骨や筋肉だけでなく、口腔機能も発達していく時期であるため、たんぱく質も毎食しっかり摂るように意識していきましょう。さらに、効率よくたんぱく質を摂り入れるためには、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6もあわせて摂ることが大切で、きのこにはこのビタミンB6も豊富に含まれているのです。
特別な食品を用意することよりも、「主食・主菜・副菜」をそろえながら、さまざまな食材を組み合わせていくことが、成長期の歯や口の健康づくりにつながっていきます。

毎日の食事にきのこを取り入れて「食べる力」を育てよう

先ほどもご紹介したように、子どもの歯や口内の健康を守るためには、歯みがきだけでなく、食事の内容や食べ方も大切です。毎日の食事の中で、「よく噛んで食べる」「いろいろな食材を楽しむ」といった経験を積み重ねることが、子どもの「食べる力」を育てることにも役立っていきます。

中でも、きのこは食感がよく自然と噛む回数が増えるうえに、歯や口内の健康づくりに役立つ栄養素も豊富に含まれているため、積極的にとり入れるのがおすすめです。
また、きのこをとり入れるほかにも、食事や間食の時間を決めて、「だらだら食べ」を減らすことも口内を健康に保つことにつながるため、ぜひ意識してみてはいかがでしょうか。

忙しい毎日の中で、完璧を目指す必要はありません。まずは、できることから少しずつ取り入れて、子どもの歯や口の健康を守っていきましょう。

<Let’s Eat!>きのこの力で子どもの健やかな成長をサポート

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監修 長谷川 尋之

松本大学人間健康学部健康栄養学科専任講師
兵庫大学を卒業後、管理栄養士免許を取得し、運動と栄養の両面から研究する運動栄養学を大阪体育大学大学院で学ぶ。大学院卒業後は、スポーツクラブアクトス、チームニッポン・マルチサポート事業(栄養)で健康づくりの運動指導やトップアスリート栄養サポートに従事して現職に就く。現在は、運動栄養学の教育・研究とともに、県内・外のアスリートの栄養サポートを行う。
【資格】
管理栄養士、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士、修士(スポーツ科学)