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ライフアップコラム

空気が乾燥する秋。つらい咳・喉の痛みにも効く、秋の身体を守るツボをピックアップ!

2025.10.27
空気が乾燥する秋。つらい咳・喉の痛みにも効く、秋の身体を守るツボをピックアップ!

一気に秋が深まり、過ごしやすい日が増えてきましたね。その一方で、空気が乾燥し始め「喉がイガイガする」「空咳が続く」などといった、喉の不調を感じている方も多いのではないでしょうか。

東洋医学では、この時期の乾燥した空気が身体に悪影響を及ぼすことを「燥邪(そうじゃ)」と呼び、喉や鼻などの呼吸器系の潤いを奪ったり、肺を痛めたりしやすいとされています。

そこで今回は、乾燥から身体を守り、つらい咳や喉の痛みを和らげるツボをご紹介します。また、免疫力が低下しやすいこの時期の体調管理をサポートする食事のポイントも合わせてご紹介しますので、ツボ押しと食事で身体を整え、健やかな秋を過ごしていきましょう。

INDEX

過ごしやすい秋こそ要注意!東洋医学で考える「燥邪」と身体の不調

長く続いた夏が過ぎ、秋の風が気持ち良く感じられる時期になりましたが、身体にとっては注意が必要な季節でもあります。

東洋医学で「肺」は、全身の潤いをコントロールし、皮膚や粘膜を外部の刺激から守るバリア機能も担っています。しかし、肺は乾燥が苦手な性質があるため、空気が乾燥するこの時期、「燥邪」の影響を最も受けやすい臓器でもあります。

肺が乾燥によってダメージを受けると、バリア機能が低下し、喉の痛み、咳、喘息などといった呼吸器系の症状が起こりやすくなります。さらに、皮膚のかゆみや鼻・喉の粘膜の炎症などにもつながるため、身体の入り口である喉を潤し守ることが秋の体調管理の第一歩となるのです。

咳・喉の痛みにもアプローチ。秋の養生におすすめのツボ4選

10月のツボ1. 尺沢(しゃくたく)

<ツボの位置>
肘を曲げたとき、腕の内側に出てくるシワの線上に浮き出ている、腱の外側にあります。

<尺沢とは>
身体の深部で肺や気管と繋がっている「肺経(はいけい)」に属するツボです。尺沢を刺激することで、咳や喘息、喉の痛みなどの呼吸器系の症状を和らげる効果が期待できます。また、パソコンやスマホの使い過ぎによる肘の痛みにもおすすめです。親指で5秒ほどゆっくり押し、離す動きを数回繰り返しましょう。

10月のツボ2. 天突 (てんとつ)

<ツボの位置>
身体の左右中心、鎖骨と鎖骨の間のくぼみにあります。

<天突とは>
激しい咳や痰が絡むときに頼りになる、即効性が期待できるツボです。喉のすぐ近くにあり、周辺の筋肉の緊張をほぐして気道の通りをスムーズにする効果が期待できます。咳が止まらない時や、喉のつかえ感がある時に試してみてください。人差し指をくぼみに引っかけるように当て、身体の中心に向かって下向きに、ゆっくり優しく押します。

10月のツボ3. 列缺 (れっけつ)

<ツボの位置>
手首の内側、親指側の出っ張った骨から指2本分くらいひじ側にあります。

<列缺とは>
呼吸を整えるツボとして知られる列缺は、息苦しさだけでなく、風邪のひきはじめに感じる寒気や、頭痛、首周りのだるさにも効果が期待できます。手のひらを横に向け、反対の手の親指をツボに当て、心地よい強さで押しましょう。
「列」も「缺」もお皿の割れ目という意味を持ち、このツボが手首の突起の裂け目に位置しているのが名前の由来とされています。

10月のツボ4. 肺兪 (はいゆ)

<ツボの位置>
肩甲骨のはじまりから3分の1ほど下がった位置で、背骨と肩甲骨の中間あたりにあります。

<肺兪とは>
背中にある「肺兪」は、その名の通り「肺」の不調を根本からケアする重要なツボです。肺に繋がる自律神経を整え、気管支を広げて、咳を和らげ呼吸を楽にする働きがあります。慢性的な咳や喘息など、呼吸器系全般の悩みにアプローチできます。
自分では押しにくい場所なので、家族や友人に押してもらったり、仰向けで床との間にテニスボールを挟んで刺激したりするのがおすすめです。カイロなどで温めることも効果的です。

ツボ押しと合わせて行う免疫ケア。乾燥と風邪に負けない身体を作るきのこのチカラ

喉や鼻の乾燥は免疫力を低下させ、風邪などの不調を引き起こすため、ツボ押しと合わせて食事で内側から身体を守ることが大切です。

中でもおすすめしたいのが、乾燥や免疫ケアに役立つ栄養素が豊富に含まれている「きのこ」です。きのこには、ウイルスの侵入口となる喉や鼻の粘膜を健やかに保つビタミンB2が豊富に含まれているため、乾燥ケアに役立ちます。

また、きのこには、免疫細胞の約7割が集まり、免疫システムの要である「腸」を整える食物繊維も豊富なため、免疫ケアにも効果的。さらに、食物繊維の一種であるβ-グルカンは、腸内で免疫細胞を活性化させる働きがあるため、免疫力の低下しやすいこの時期におすすめの食材です。

加えて、きのこはクセがなくうま味も豊富なため、味噌汁や炊き込みご飯、炒め物など、毎日の食事に手軽に取り入れられるのも魅力です。秋は旬を迎える食材が多く食事が美味しい時期ですので、旬の食材ときのこを組み合わせることで手軽に栄養を摂ることができ、乾燥がはじまるこの時期の体調管理をサポートします。

乾燥や風邪の予防に役立つツボ押しときのこの力をとり入れて、風邪が流行り始めるこの時期も元気に過ごしていきましょう。

参考文献
症状改善!ツボ大全.布施雅夫監修.成美堂出版.2024
m’s鍼灸院|ツボ紹介