この頃の日本人の味覚の変化を不安に思うところ
2025.10.21
最近の味の好みは、コロナ禍を軸に随分と変わってきていますね。
ある時には健康ブームで薄味を好み、脂っこいものを避けるような傾向にあったものが、ここ最近のアンケートでは、ニンニク味に対して抵抗がない人が多いようです。こってり味、しっかり味が好きな方も伸びている傾向にあります。マスクをつける習慣から味への嗜好も変わり、そして外食や総菜を食べる機会がコロナ後に急増したことにも影響があると考えられますね。
私がテレビで紹介する料理の中でも「チキン南蛮」だったり「唐揚げ」など、油っぽい、こってり味のお料理には特に興味をもっていただくことが多いです。その中でも、皆さんがさらに求めるのはやはり外食やお惣菜の味をベースにした本格的な味。少量でも満足できる味付け、やはり濃い味付けは皆さんの大好物です。
また辛味も皆さんの舌を美味しく刺激しますよね。カレーはもちろんの事、ラーメン、インスタントラーメン、またチーズタッカルビのように辛さをマイルドにマスクするためにチーズをたっぷり入れ込むお料理も人気ですよね。
濃い味、辛い味のようなわかりやすい味を好む現代人。薄味だけど素材が生きる“日本料理”や“シンプルな味付け”には逆に少し抵抗があり、刺激やうまみの強い調味料で舌に感じやすい味=美味しい、となってしまっている方も多いのではないでしょうか。
味覚への感じ方、味蕾の成長は離乳食から始まり、五味を舌でしっかりと感じさせることで、7歳位までに大切な舌と脳の発達時に食事内容によって将来の好き嫌いへの影響が大きく出てきます。ぜひ我々おとなも各家庭で、そして社会的にも意識して次の世代につながなければならないと改めて思いますね。
小学校に上がる位まで、身体の土台を大きくなりながら固めている時期には、栄養の量だけではなく、ぜひおいしさの感じ方も意識した毎日の食事作りにしたいですよね。
味覚を洗練させるには、うま味の強いものを、出来るだけシンプルな味付けでいただくこと。
今回は最後に、人参とブナピーを塩こうじで炒めたうま味たっぷりの簡単常備菜をご紹介します。
<材料>※作りやすい分量
・人参:200g
・ブナピー:100g
・生姜:1かけ
・塩こうじ:大さじ1と1/2弱
・サラダ油:大さじ1
<作り方>
①人参はピーラーなどで薄く削り、ブナピーは石づきを切ってほぐし、生姜はすりおろしておく。
②フライパンを中火にかけ、サラダ油、人参を加えてしんなりするまで炒めたら、ブナピーを加えて火を通す。
③生姜、塩こうじを加えて水分がなくなるまで炒めたら出来上がり。
ぜひ、ご家庭でも作ってみてくださいね。