本格的な寒さに備える。カギは“腸温活”を意識した体調管理
2025.11.17
11月も後半となり、朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたね。寒さで身体が冷えるこの時期は、腸の働きが低下し、様々な不調を感じやすくなるため注意が必要です。
また、11月7日は「腸温活の日」であったことをご存知でしょうか。腸の働きが低下しやすいこの時期に、腸を温めて免疫力や代謝を低下させずに冬も健康的に過ごすことを目的に制定された記念日です。
腸は健康の要。本格的な冬に向けて腸の健康を意識することで、季節の変わり目を元気に過ごしていきましょう。
INDEX
「腸」が全身の健康に与える3つの影響
皆さんは、腸が「第二の脳」と呼ばれていることをご存知でしょうか。腸は自ら考える臓器とも呼ばれており、腸の状態は全身の健康に大きな影響を与えることがわかっています。
腸の健康状態が良好であれば消化吸収がスムーズになり、必要な栄養素がしっかりと身体に取り込まれます。逆に腸の調子が悪いと、便秘や下痢、免疫機能の低下、メンタル面の不調などが現れ、全身の健康に影響を及ぼします。
そこではじめに、そんな健康の要である“腸”が全身に与える3つの影響をご紹介します。
① 免疫維持
腸には免疫細胞の約7割が集まっており、腸の調子が良いと全身の免疫機能が良好に保たれます。
気温の下がる秋冬は体温が下がりやすくなるほか、腸の調子も乱れやすくなることから免疫力が低下しやすい時期といわれています。毎年流行する風邪やインフルエンザに負けないためにも、腸の調子を整えることで健康な身体を維持していきましょう。

② ダイエット
先ほどもご紹介したように、腸は「考える臓器」とも呼ばれ、腸が整っていると身体に必要な栄養素が吸収され、余分な糖質・脂肪は吸収されにくく、さらに老廃物などもしっかり排出されるようになります。
腸内環境が整うとエネルギー代謝も良くなり、脂肪が効率よく燃焼しやすくなる効果も期待できます。

③ 美容ケア
「肌は腸を映す鏡」と言われるほど、腸と肌は密接に繋がっており、その関係は「腸皮膚相関(ちょうひふそうかん)」とも呼ばれています。
腸が乱れると老廃物が体内に蓄積されることに加え、健康な肌づくりに欠かせない栄養素が吸収されにくくなり、肌トラブルの原因となります。そのため、腸を整えることが美容ケアの第一歩といえます。

腸の働きを整える「食物繊維」と、腸内で作られる「短鎖脂肪酸」が健康維持のカギ
このように、腸は全身の健康や美容と深く関わっています。
そんな腸を整えるために欠かせない栄養素といえば「食物繊維」です。食物繊維には、腸内細菌のエサとなり善玉菌の働きを優位にする水溶性食物繊維と、便のカサを増やして老廃物の排出を促す不溶性食物繊維の2種類があります。これらをバランスよく摂ることが腸を整えるポイントです。
そして水溶性・不溶性の両方の食物繊維をバランスよく含む食材が「きのこ」です。きのこにはこの2種類の食物繊維が豊富に含まれているため、効率よく腸を整えることが期待できます。

また、きのこを定期的に食べることで免疫維持や美容、ダイエットに役立つ物質である「短鎖脂肪酸」が増えることもわかっています。短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が食物繊維をエサにして作りだす物質のことで、腸を整えるだけでなく、全身の健康にも良い影響をもたらすとされています。
例えば、短鎖脂肪酸はウイルスや細菌の侵入を防いだり、アレルギー反応を抑えたりする働きが期待されています。そのため、風邪やインフルエンザが流行するこの時期の免疫維持をサポートしてくれます。また、短鎖脂肪酸は不足するとシワや乾燥、たるみなど老化の原因につながるミネラルの不足を防ぎ、栄養吸収を促すことで美容ケアにも効果的です。
さらに、脂肪の蓄積を防いで代謝を促す働きもあるため、ダイエットや太りにくい身体づくりにも役立ちます。加えて、血中コレステロールの合成を抑制する効果も期待されており、生活習慣病の予防にも良いとされています。
このように、食物繊維が豊富なきのこを食事に取り入れることは、腸を整えるだけなく、全身の健康や美容づくりにも繋がります。
また、食事に加えて軽い運動も効果的。身体を動かすことで腸のぜん動運動が活発になり、腸を整えることに繋がります。
家の中でストレッチやヨガを行ったり、スクワットや足踏み、ラジオ体操などで心拍数を上げたりするのもおすすめです。
本格的に寒くなり、腸の働きが低下して不調を感じやすくなるこの時期。食物繊維を豊富に含む「きのこ」を食事に取り入れて腸を整え、風邪やインフルエンザが流行するこれからの季節も元気に乗り切っていきましょう。
また、定期的な運動習慣も腸の健康を維持するのに役立ちます。バランスの良い食事と身体に良い生活習慣を続け、本格的な冬に向けて元気な身体をつくっていきましょう。
今月のおすすめ菌活レシピ
-

きのこのキムチ鍋
寒さ対策
きのこと豚肉に豊富なビタミンB群は、糖質や脂質を代謝して熱を生み出し身体を温めます。 -

きのことさつまいものシチュー
腸を整える
きのこの食物繊維は、腸の老廃物を排出したり善玉菌のエサとなったりして腸を整えます。 -

きのこのごま豆乳鍋
運動サポート
きのこには血行を促して身体を温めるナイアシンが豊富なため、動ける身体をサポートします。 -

霜降りひらたけのペスカトーレ
乾燥対策
きのこには健やかな肌を保つのに役立つ、抗酸化物質のエルゴチオネインが豊富です。 -

霜降りひらたけと鶏肉のとろーり煮
体調管理
きのこの食物繊維は、免疫細胞の約7割が集まる腸を整えることで体調管理を助けます。 -

生どんこのアヒージョ
乾燥対策
きのこに豊富なビタミンB2は別名「美容ビタミン」と呼ばれ、健康な肌づくりに役立ちます。
profile


